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Archives  作者: 彼岸花
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No.12 落とし物

【壊れた時計】

 腕時計。盤面が割れており、恐らく踏まれた事が原因。

 有識者に鑑定を依頼したところ、有名店の商品で、当時の価格で三百万円相当はするらしい。富裕層の所有物と思われる。

 歪んだ針は12時30分頃を示した状態で止まり、動いていない。故障か電池切れかは不明。

 被災地の路上で発見。




【脱げた子供靴】

 子供が好みそうなデザイン。少々偏見が混じるが、女子が好みそうな可愛らしい色合いをしている。

 靴のサイズは十九センチ。ブランドものではない。

 上面に多量の血痕が付着している。靴底及び側面は泥で汚れ、損傷も激しい。

 被災地の路上で発見。




【財布】

 片手ほどの大きさをした財布。

 中には紙幣がしまわれているが、現在流通するものとはデザインが違う。一万円と思しき紙幣が二十枚ほど入っていた。長期間雨晒しだったため紙幣は皺だらけになり、破損・汚損が激しい。

 硬貨は数枚のみ確認。こちらは洗えば刻印などを確認出来るか? レシートなどは確認出来ず。

 名刺や免許証も入っているが、破損が激しく持ち主の素性を知るのは難しい。

 被災地の路上で発見。瓦礫の傍にあり、発見は容易だった。




【家族写真】

 何処かの家庭を撮影したと思われるもの。

 汚れていて人相は把握出来ないが、妻と娘だろうか。妻らしき女性は顔が汚れているため年齢は不明。娘らしき女性は背格好からして十歳前後だろう。

 何度か踏まれたらしく、写真はぐしゃぐしゃに折れ曲がっている。

 被災地の路上で発見。傍に遺体は確認出来ていない。




【汚れた衣服】

 雑多な衣服。

 被災現場で発見された遺体の衣服。劣化が激しく、また遺体が白骨化しているため、着ていた人物の特定は困難である。

 人によって汚れ方は違うが、いずれも腐敗時の汁や血痕などで汚れた痕跡がある。

 被災地の瓦礫周辺で発見。瓦礫の下ではなく地上部分で倒れていた白骨から回収した。

 なんらかの要因で負傷、または死亡後、救助されずに放置されていたと思われる。正確な人数は把握出来なかったが、服の数から十は超えているだろう。




【紙】

 殴り書きされた紙。白骨化した遺体が握り締めていたのを発見。

 劣化が進み、記載内容を解読する事は出来ない。強く握りしめていたのか、紙は皺だらけになっていた。




【軽自動車】

 圧壊した軽自動車。一部装甲を剥がしたところ、中から衣服が取り出せたため内部には搭乗者がいたと推定。

 厚さは二十センチほどにまで圧縮されている。原型を留めている場所はなく、全体的に潰れた形。潰れた車はほかに幾つも見られるが、満遍なく全体が潰れているのはこの一台のみだった。ナンバープレートも損壊し、番号は把握出来ない。

 発見場所は広い三車線道路上。長年放置されていた事で降り積もった埃などを除き、車の上にものは乗っていなかった。

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