!! ! 助 けなきゃ
私は たまたま 線路の近くに 来てい た。
線路で ひと が 茶色い 紙袋を 持って 立っている。
その茶色い 紙袋から は 1つ の 林檎が こぼれ 落ち・・・た。
りんご を 追いかけよう・・・と
転がっていった 先を 目で まっすぐに 追うとしているようだ。
あれ・・・?
急に 胸を 押さえ た。
立てようとする 木の棒が 重力に 従うかのように 線路の上で
ひとが 倒れ・・・る。
私は 電車が 来ない事を 確認 し
急いで 線路の上へ 駈 け 寄った。
目蓋を とざしたまま そのひとは うごかず 眠ったようにし・・・て
人形の様に だらんとしていた 。
抱きかかえると !! ! 熱い っ”。
顔色も 良くな・・・い 。
頭と 頬を !! ! 触ってみる 。
!! ! っ”。
真冬に 温まり 切った カイロ の 様 に 異常な
温度【ねつ〗を 発してい た。
私は おんぶを して 自分 の 家に 連れて帰る事に した。
蛇口を ひねる 音 。
じゃばじゃばと 水が 勢い よく
流し台 へ 向かってい く。
いまさっき おんぶ してきた 人を 敷 布団 に 寝かせ
氷入りの 洗面 器に タオルを 浸し 絞って 折り
頭の上に ゆっくりと 乗せた 。
眠っているように 目蓋 は 閉じ 何の反応も ない 。
顔も ・・・紅い。
どちらかというと ピンク色に 近い 赤み だが 健康 そうでは なく
顔の 艶が まったく かんじられな い 。
体温 計 を 脇の下に はせる。
この瞬間 には 気づかなかった が 運んできた 人は
自分と 同じ顔だったの だ 。
体温 計 が 鳴り終わると
40度 も 表示されている。
・・・自分と 同じ 顔だという事 は
別 世界 の 人間だ。
私と 似たような世界で 生き なんらかの 事情で
こっちの 世界へと 迷い込んだのだ。
そんな 形 の 人間が 高熱を 出しているという事・・・は
精神 的 に 追いつめられているという 状態 。
別に 放っておいても 死ぬことは ない・・・が
それでも 心配だ 。。 。
私は この 人の 精神世界に 住んでいるような 感覚 の 人間 なので
身体に 直接 ダメージを 受けることは ない。
・・・ただ
本能 的に 『 !! ! 助けなきゃ 』 と 想ってしまうの だ 。