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vs.クイズ王・卯澤拓未<1>

峯尾和・著

<MewTube Qタイム!チャンネル 配信開始>


──暗転したスタジオに、一筋のスポットライト。光はMCを捉える。


MC

「”なぜ、山に登るのか?” そう訊かれたある登山家はこう答えました。

 ”そこに山があるから”と。

 ならば、”なぜ、クイズに答えるのか?”という問いに、

 この男ならばこう答えるでしょう。

 ”そこにクイズがあるから”、と。

 5問のクイズを通してゲストの知られざる一面を掘り下げていくクイズバラエティ『Qタイム!』、本日のゲストは人気絶頂のクイズ王、卯澤拓未さんです!」


 スタジオの暗転が明け、舞台奥の階段からカジュアルなジャケットに身を包んだ卯澤が現れる。スタッフ達の拍手に迎えられながら、その顔に自信ありげな笑みを浮かべた卯澤は、スタジオの中央に立つMCに近づいていく。

 卯澤が立ち位置を決めたところで、映像はVTRに切り替わる。ナレーションはMCの声だ。


<VTR原稿>

 卯澤拓未。1992年、千葉県に生まれる。

 小さな頃から読書を通じて知識を吸収、森羅万象に興味を持ち、超進学校として知られる開城高校へ進学。高校1年で出場した「全国高校生クイズグランプリ」では見事優勝を果たし、翌年の大会においても優勝、鮮やかな連覇を飾る。

 東王大学在学中にはテレビ番組「王大王」に出場、見事優勝を勝ち取り、レギュラー出演を果たす。

 現在は株式会社QMedixのCEOを務める傍ら、クイズ番組をはじめ各種メディアへと活躍の場を拡げている。


 VTRが終了し。カメラはスタジオへ。

 MCと卯澤の姿を捉える。


MC

「いやー、卯澤さん。お忙しい身にもかかわらず、本日は『Qタイム!』にお越しいただきありがとうございます!」


卯澤

「こちらこそありがとうございます。記念すべき第一回放送という晴れの舞台に呼んでいただいて、非常に光栄です」


MC

「いえいえ、こちらこそ。第一回という記念すべき回だからこそ、ここはぜひ卯澤さんにお越しいただきたいというプロデューサーのラブコールにお応えいただいたわけですから、大変嬉しいものです」


卯澤

「ありがとうございます。”クイズを通して知られざる一面を掘り下げていく”というコンセプトだと伺っているので、一体どのような問題が出るのか、とても楽しみです」


MC

「ありがとうございます。

 それでは早速、ルール説明に参りましょう!」


 映像は再びVTRへ。ナレーションの声はMC。


<VTR原稿>

「Qタイム!」のルールはいたってシンプル。5問のクイズに正解するだけ。

ただし、1問でも間違えた時点で失格。番組終了となります。

クイズの問題はMCによって読み上げられます。

フリップに解答を記入し、お答えください。

各問題ごとのシンキングタイムは1分です。


 VTRが終了。カメラは再びMCと卯澤の姿を捉えている。

 2人はすでに席についており、準備は整っているようだ。


MC

「さて卯澤さん。いよいよ記念すべき1問目が出題されようとしていますが、お気持ちはいかがでしょうか」


卯澤

「はい、緊張していますが、一方で自信もあるかな、という気持ちです。いつも通りの実力が出せるように、1問1問を丁寧に取り組んでいきたいですね」


MC

「おぉ〜、みなぎる自信はさすがクイズ王のクイズ王たる所以!

 もはや余計な言葉は御宅に過ぎません。参りましょう。第1問!」


 MCの発声に呼応して、スタジオの証明が切り替わる。

 厳かな雰囲気に包まれ、BGMもまた、その演出に加わった。


MC

「問題。

 日本で、1番高い山は──」

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