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えぴろーぐ…………

 その頃、人間国の北、ケンタウロス国にて。


 生前、戦国最強の騎馬軍団を指揮した武田信玄は、人馬一体の種族、ケンタウロス族の軍勢を率い、敵軍と対峙していた。


 戦国最強武田騎馬軍の長であり、戦国随一の軍略家武田信玄。それがまさか、生まれながらの騎兵であるケンタウロス族に召喚されるという奇跡。これ以上の組み合わせがあるだろうか。この至高の軍の相手となる、可哀そうな軍は誰かと言うと……


 信玄と対峙する化物の軍勢。その奥で、一人の男が黙していた。


 人馬一体のケンタウロス族の隣国、馬の体からミノタウロスの上半身が生えた、人牛馬一体のミノケンタウロス族。彼らのキングの勇者。世界最強の騎馬戦闘民族、モンゴル人最大の大英雄テムジンことチンギス・ハーンその人だ。


 戦国日本最強の騎馬軍団の長で、人馬一体のケンタウロス族を率いた武田信玄。


 対するは、


 世界最強の騎馬民族の王で、人牛馬一体のミノケンタウロス族を率いたテムジン。


 同時に、チンギス・ハーンは人類史上もっとも世界征服に近づいた王の一人だ。天下という言葉の意味を、地球全土とするならば、彼以上に天下統一を成し遂げた人類はいない。


 チンギス・ハーンの王気を全身に浴びながら、武田信玄は笑みを結ぶ。


「これほどの緊張。謙信以来か……くく、くくく」


 信玄の目から涙が溢れる。


「チッ、チンギス・ハーン! まじですげぇえええええええ‼ 俺まじであの征服王と対峙してんのかよまじでありえねぇ‼ 今度謙信に会ったら死ぬほど自慢してぇ!」


 有頂天になりながら、信玄は軍配で突撃命令を出す。ケンタウロスたちと共に馬で駆けながら、信玄は狂気満面だ。


「この豪華歓待! 日ごろの行いが良過ぎるからか? たまんねぇなぁおい‼ なぁ謙信、てめぇはいまどこのどいつと対峙してんだよ! 俺はいま、まじで仏に感謝してんぜ‼」


 いま、甲斐国の王は、世界の王に挑む。


   ◆


 その国で、暴君ネロはあらたに召喚した勇者に計画を披露していた。世界を手にすべく、まずは近くの小国を平らげ属州とし、奴隷を手にする。大量の奴隷を使い物資の生産率を上げ国力を高めるという、古代人的な発想だ。


 そして、この国の王族や貴族、軍人たちもその計画賛成だった。


 ただ、ネロの時代では普通のことも、時代の違うこの勇者には通じなかった。


 緑色の服を着た日本人の勇者は顔をしかめた。


「89式小銃」


 その手に黒筒を召喚すると、次の瞬間には爆音と共に貴族達が血まみれになって絶命した。誰もが言葉を失うあいだに、男は続けて言った。


「一〇式戦車」


 男の体を光が包み込み、巨大な鉄の車両が現れた。鉄の車両は象よりも巨大で、長大な筒が火を吹いた。


 音。そう呼ぶにはあまりに規格外な、兵器と呼べる轟音で部屋中のヒトが鼓膜を狂わされる。多くのヒトが気絶するなか、何故か部屋の壁に風穴が空いていた。車両は轟音を鳴らし、進行上の壁を片っ端から破壊し、石畳みにヒビを入れながら姿を消した。


 城の外から出た車両は変形。一度光の粒子になってから、こんどは頭上に十時型の飾りがついた姿になった。十字型の飾りは高速で回転すると宙に浮き、車両はみるみる空へ昇っていく。


 そのまま十分な高度に達すると、男が呟く。


「F15Jイーグル」


 車両が光りの粒子となり、今度は翼を持った姿になる。落下するなか、突然機首を上げて、そのまま亜音速で空の彼方に飛び去った。


 空飛ぶ車両には席が二つあって、前の席にはかつての仲間が乗り、操縦桿を握っている。勇者は後部座席に座り、呟いた。


「勇者、ねぇ……とりあえず、日本人探すか。できるだけ時代の近い人がいいな」


 彼こそは二十一世紀の勇者。召喚可能な勇者中、最新の勇者である。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 作品解説した通りここまでです。

 人気があったら本格投稿したいです。



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