王宮へ行く
「はっ!、これは、ジョージ様!お久しぶりです
本日はどのようなご要件で。」
「久しぶりだな。すまないが、急用だ。
至急国王にお伺いしたい。」
「はっ、かしこまりました。少々中でお待ち
ください。どうぞそちらの方も一緒に。
おい、お前ジョージ様達を案内しろ。
くれぐれも丁重にな。」
「はっ!了解しました。どうぞこちらへ」
「ははっ、そんなにかしこまらなくて大丈夫
だよ。ありがとう。」
綺麗な敬礼をして案内してくれている兵士たち。
俺は今、ジョージさんと共に王宮の中へと
足を踏み入れていた。そう、俺は今王宮の中に
いるのだ。
えーー!!と俺自身凄く驚いてるが、なんでこんな
ことになったかと言うと簡単な話、王様に国の
一大事が迫っていることを伝えるためだ。
それにしても、ジョージさん、兵士たちと
顔見知りぽっかったし、あんなにかしこまられる
なんてギルド長ってそんなに上の地位の人
なんだろうか?、もしかして俺ってすごい人と
知り合いになってしまった?、と今更気付いた
俺であった。
出会う王宮の人達みんなから、
「ジョージ様!お久しぶりです」
とか、
「お元気でしたか?」
とか、
「本日はどのような用件で?」
とか、聞かれる。あっ、もちろん、俺じゃなくて
ジョージさんがだよ?、うーん、怪しい、
ジョージさん自身も
「お久しぶりです」
とか、丁寧に対応してるし、
王宮の中もしっかりと把握してる感じがする。
まるで何年も王宮で暮らしていたかのようだ。
まっ、そんなわけないか?色々と考えすぎて
しまったみたいだ。今は王宮に入れたことを
楽しもう。改めて王宮の内装を見る。
他種族が暮らしている国だからだろうか?
様々な建築様式が使われている気がする。
なのに、ひとつにまとまっていてとても美しい。
派手すぎず、だが質素でもなく、王宮の荘厳さを
表している。まっ、俺はあんまりそういうこと
詳しくないから、期待しないで欲しいが、結局
めちゃくちゃ綺麗だってことだ。そんなことを
考えていたらどうやら着いたみたいだ。
「すいません。王の準備が出来るまで、少々
こちらの応接室でお待ちください。」
「あぁ、ありがとう。待たせて貰うよ。」
「ありがとうございます。」
兵士に案内され応接室に入る俺とジョージさん。
ジョージさんは慣れた感じで座っているが、
俺はこういうのに慣れていないのでソワソワして
します。なんだか、ジョージさんがとても格好良く
見える!。あー。何となくジョージさんの姿が
大きく見えるーー。
トントン、
「失礼します。ジョージ様!王の準備が
出来ました。どうぞこちらへ」
「あぁー、ありがとう。カイくんも一緒に」
「えっ、俺も王様に会っていいんですか?」
「あぁー、もちろん。あの古文書を手に入れた
のは君だ。私がこの国の危機を知ることが
できたのは君のおかげなんだから王も感謝
してくださる筈だ。そこまで緊張しなくても
大丈夫だ。王はお優しい方だから。」
「そ、そうですか、それでしたらぜひ
お願いします。」
王様に会いに俺はジョージさんと共に兵士に
連れられて王様の待つ場所へと向かうのだった。




