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ガイン兄弟

俺がまだ夢から覚めぬ間にプレーヤーの中から

2人のプレーヤーが俺たちの前から出てきた。

2人ともワイルドな装備をしている。そして、

片方はとても穏やかな顔をしていて、もう片方は

とても怒っている顔をしている。そして、両方とも

とても似ている顔をしている。てかっ、同じ顔

してね?そんなことを思っていたら向こうから

話しかけてきた。


「おいおい。お前がカイってプレーヤーか?

聞いていたよりも弱っちいなー。本当にお前が

あのカイかよ。」


いきなりの高圧的な態度に俺はビクビクしていた。

まーそれ以上にアイシャがビクビクしてるんだけど

大丈夫かアイシャ。


「おい。いきなり話しかけるんじゃなくて、

自分の名前を言わないと相手も困るだろ?」


「おっ?あっ、そうかそうか悪いなカイ。」


穏やかな方がなだめてくれて怒っている方の高圧的

な態度も丸くなった。根は悪くない人なのかも

しれない。俺はアイシャをなだめつつ慌てて

返事を返す。


「あっ、こちらこそすいません。ちょっと現実が

分からなくなっていまして。はい。私はカイと

いう名前で間違いないですが、あなた方の言って

いるカイかどうかは分かりません。」


「うん?現実が分からなくなった?お前何言って

んだ面白いな。俺の名前はゴ・ガインだ。そして

こっちの俺と同じ顔で穏やかぶってるのが一応俺の

兄のジ・ガインだ。」


「はい。先程ご紹介頂いた。ジ・ガインです。

不本意ながらこのバカの兄をやらせて貰ってます」


「あっ!兄って言っても双子でお前が数秒先に

出てきたってだけじゃねーか。」


「ふっ。私だってお前の兄なんてしたかなかった

ですがね。仕方ないじゃないですか。私の方が

先に生まれるように神様がしたのですから。」


わぁーわぁーと喧嘩をしだしたガイン兄弟。

2人の喧嘩のおかげで俺は頭を落ち着ける時間が

出来て、あっ、俺多分1位なんだって現実を見る

ことが出来た。だって、さっき、俺のウィンドウに

第3回イベント総合アイテム1位おめでとう!って

出てきたんだもん。もう現実見るしかないよね?

そんな中もまだ喧嘩をしているガイン兄弟。


「まぁー、まぁー、落ち着いてください。なにか

俺に用事があるから話しかけてくださったんじゃ

ないんですか?」


俺は2人をなだめつつ質問をする。


「うん?おー、そうだそうだ。すまんすまん。

そうそうあんたに用事があったんだよな。」


「そうでしたそうでした。この馬鹿のせいで

本題を忘れておりました。あなたが、今回の

イベントで1位になったプレーヤーネームカイ

で間違いありませんね。」


「そうですね。恐らくそのカイで間違いないと

思います。」


そう言った途端2人のさっきまでのワイワイした

雰囲気が変わった。俺もアイシャも戦闘態勢に

入る。まっ、ここ町だから戦闘出来ないけど。

そんな一触即発の雰囲気の中、ガイン兄弟が

言葉を発する。




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