アーティファクト②
感想を頂きました。ありがとう。
「おっ!カイくんやアイシャちゃんも来たのか。
そんなにこのアーティファクトが
気になるのかい?」
俺とアイシャは走ってアイズの元へと走った。
近くまで行ったら案の定アイズは仲間たちに
囲まれていた。途中でアイズが気づいて手に
細剣、いわゆるレイピアを俺たちに向けて
見せてくれた。恐らくこの細剣がアーティファクト
だろう。俺は恐る恐る細剣に触れようとした。
「ははっ、カイくん。そんなにビクビクしな
くてもいいよ。このゲームじゃアーティファクト
を取ることは出来ないけど、使用者が許可して
いる場合には軽く触るぐらいはできるからさ。
ねっ?こんなふうに。」
アイズはビクビクしている俺にそう言って、
自分のウィンドウの目の前でなにかの作業を
した。恐らく。俺が触れてもいいように許可を
出したのだろう。俺はそれを見て
「ありがとうございます。それではお言葉に
甘えて少しだけ触らせていただきます。」
そう言って細剣を触らせて貰った。
細剣はメインカラーは白で、左右にエメラルド
グリーンの細い線が1本ずつある。とても綺麗な
剣だ。ただ単純にそう思った。多分。俺なんか
の言葉じゃ表すことが出来ないだろう。でも、
言いたい。ただ一言、美しいと。どうやら
俺はもうこの剣の虜になってしまったみたいだ。
やばい、どうしてもこの剣が、欲しい。欲しい。
欲しい。欲しい、!欲しい。欲しい。欲しい!
欲しい!欲しい!欲しい!欲しい!欲しい!
「カイくん!」
「バチンっ!!」
そんな声のすぐ後に突然顔を叩かれる。
「はっ!!俺は、どうなってしまっていたんだ。」
気づくと俺は細剣を地面に落としていた。
俺はそれに気づいてアイズに謝る。
「あっ、アイズすいません。剣を落として
しまいました。」
「いいよいいよ。ごめんね。私もなんの説明も
しなくて?」
「えっ、説明?」
「そう。この剣を触った途端にこの剣がどうしても
欲しくなったでしょ?私を殺してでも。」
アイズが真面目な顔で俺に言う。俺は真面目に
答える。
「はい。すいません、自分でも分からないん
ですが、アイズに勝てるわけなんかないって
そんなことしてもこいつを手に入れることが
できないって今なら分かるんですが、さっきは
なぜだか、アイズを倒してでもこいつが欲しい
って思ってしまいました。」
そうだ。さっきまでの俺はどう考えてもおかし
かった。なぜだ。俺でも分からない。そんなことを
考えている俺にアイズが、笑う。
「ふふふっ。」
それは、妖艶でいて、そして、イタズラが
成功したかのような無邪気な子供の顔のように
俺には見えた。
「ごめんね?カイくん。君で実験しちゃった。」
てへっ!っと、舌を出したアイズ。
「実験?」
俺はそのアイズの顔にドキドキしながらも
アイズに返答を返した。
「そう。実験。こいつのね?」
そう言って、アイズが俺が落としてしまった細剣を
いつの間にか持っていて、その細剣を指さしていた
「君でこいつの効果の確認をさして貰ったんだ。」
そう言ったアイズはまたしても妖艶な笑みを
うかべていた。




