這い上がる者
突然の巨人の変形に誰も気づくことが出来ず、
巨人の体にはバリアのような物が貼られ。
攻撃をすることが出来ないようになっている。
巨人は今もバリアの中で体のパーツを入れ替え
ていて、変形の途中だ。咄嗟のことで驚いたのも
つかの間俺が動く前にさすがアイズ、すぐさま
硬直を解き、
「総員!配置につけ、先程と同じ隊形だ!
崩すなよ。気張れ。先程の喜びもあるだろうが
どうやらまだ終わっていなかったようだ。
すまない。私の失態だ。罰は後でいくらでも
受けようだが、とりあえず今は目の前の奴を
今度こそ地獄に送り込むぞ。」
「了解!」
と仲間達も反応し、すぐさま移動を開始し、
あっという間に隊形を完成させてしまった。
慌ててアイシャも所定の位置に。俺はと言うと、
先程は木の上にいたので、一応さっきと同じく
木の上に待機した。だが、もうさっきみたいに
スキルを使うことは出来ない。クソっ!俺が
もっとしっかり相手の情報を伝えていれば、
もしかしたらスキルを温存できたかもしれない。
普通に考えれば明らかに、俺が倒したキマイラ
よりも巨人が弱いわけがない。あまりにも討伐条件
が簡単すぎる。その事に気づけたのは魔眼持ちの
俺だけだったのに。俺は後悔で木を叩く。その音
で気づいたのかは分からないが、アイズが下から
俺の方を見て、語るような口調で言う。
「君は、何故か後悔しているのかもしれないね。
別に気にしないで良いと私が言うのは簡単だが、
君がそんなことで納得しないのは分かっている
から別に何もいいはしないさ。私と君はまだ
出会ってから浅いが君のことは少しだが、分かって
いる気で私はいる。だから、今から言うことは
そんな私の戯言だと思ってくれていいのだが、
君は全部1人で抱え込もうとするんだね。私でも
そんなことは出来ないと言うのに。君がどうして
そんなに自分のことを自分で追い込むのかは
分からないが、別にいいじゃないか。失敗して、
後悔して、壁にぶつかっても、だって、完璧な
人間なんていないんだから。君が完璧だと
思っている人間は皆、失敗を次の成功に繋げることができた人間だ。知ってるかい?あるゲームの
ナンバーワンギルドのマスター
をやっているプレイヤー
は、初めてアーティファクトを手に入れるのに、
同じクエストを100回したそうだ。1日に1回しか
できないって言うのにね。毎日毎日ただひたすら
馬鹿みたいに挑戦して、それで笑うんだ。
あーぁ、今日もダメだったってね?。だから
君はとっても優秀な人間だ。そして、これからも
優秀なのかは君次第だ?さぁー、楽しもうよ。
思う存分この世界をそして、這い上がり続けようぜ
何度だってな!」
そんなアイズの言葉にただ一言
「はい!」
と返すことしかできなかったのだった。




