アイズ・シュヴァイン
「えっ!!」 「えっ!!」
あまりの異様な光景に俺とアイシャの声が
重なる。扉を開けて、
すぐさま目の前に入った光景は、どう見ても
ボコボコにされたとしか思えない3人のプレイヤーの
山の上で足を組んでタバコ(それらしきアイテム)
をふかしているあのプレイヤーの姿だった。
どうやら彼女は俺たちに気付いたらしく
「うん?おっ、私たちのあとを付けていたのは
君たちかな?おっとこれは私が悪いわけじゃ
ないよ彼女たちが急に襲ってきたんだ。」
そう言って大袈裟に肩まで両腕を上げた。
「俺たちがあとをつけていることに気づいていたんですか?あっ、それは大丈夫です。それはなんとなく分かりますので。」
「あー、もちろんすぐにわかったよ。気配が
ばればれだったからね?それでどうしてだい?
どうして私の言葉を簡単に信じることが出来る?」
彼女が悪くないことは分かると言った俺に
目を細めて尋ねる彼女。
「あー、それは...........」
「あっ、それは私が説明します。」
言葉が濁った俺の代わりにアイシャが説明
してくれるようだ。当事者が話した方が説得力
があるし何より俺は初対面の人と話すのが苦手
だからな。だってコミ障なんだもん。俺の
考えはさておき、アイシャは彼女がボコボコに
した、3人に何をされたのかどうして俺たちが
彼女のあとをつけていたのかを彼女に説明した。
「うんうん。なるほど君たちの話は信じよう。
まっ、でも私が初心者プレイヤーに見えたって
言うのは少し納得行かないけどね。」
「えっ、そんなに簡単に信じてくれるんですか?」
あまりに簡単に信じてくれるという彼女の言葉に
反応してしまった俺。
「あー、もちろん。私は1度言ったことは
前言撤回しない主義でね信じようとも。
まー。信じれる理由は色々あるが何より君たち
は私を本当に知らないみたいだ。今まで知って
いるけど知らないふりをされたこともなんども
あってね。だが君たちは本当に私を知らない。
それが1番君たちを信じれる理由だよ。」
「えっ?どうゆうことですか?」
これにはおれもアイシャも?がいっぱいだ。
「まっ、簡単に自己紹介と行こう。私の名前は
アイズ・シュヴァイン
ギルド
聖なる騎士達
のマスターをしている。親しい友からはアイズと
呼ばれている君たちもぜひそうよんでくれ。」
元気に自信を持ってそう叫ぶアイズと
打って変わって俺の頭はハテナがいっぱいだ。
これを解消しようとアイズに質問しようと
した俺より先にアイズの叫びを聞いて何かに
気づいたかのようにアイシャが
「えーーーーーーーーーーーー!!」
と驚く。うわっ!びっくりした。
「あっ、すいませんカイさん。」
「いやっ、いいんだよ。それでアイシャ何か
わかったの。」
アイシャはとても興奮している様子で
「聖なる騎士達っていう
ギルドは前回イベントのギルド対抗戦で
1位を取ったつまり現状最強のギルドです。」
手や体を揺らして教えてくれた。どうやら
彼女、アイズは相当すごい人物だったみたいだ。




