旅立ちの日に
仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム
通称。VRMMO。
そのあまたあるVRMMOの中で、数ヶ月前から発売された「freeLifeonline」というゲームがあった。通称、「FLO」このゲームのうりは、なんと言っても自由度。プレイヤーの数だけ職業があり、生き方がある。
「今の人生に満足しているか?、他にやりたいことがあるんじゃないのか?だったらFLOで好き勝手やろうぜ!」
を合言葉に、その合言葉の通り、発売当初からVRMMOの時代を変えたと言われるほどの、グラフィックの美しさとまるで現実世界のように感じる空気の感触や体の動作から、そのプレイヤー数を
数ヶ月とは思えないスピードでどんどんと増やしていきなんと
現在世界で1000万人ものプレイヤーがプレイしているのだから驚きである。
さて、ところで俺こと、葵海斗は、
ひょんなことから先日、この現在売り切れ必至の「FLO」のゲームとゲーム機を手に入れることに成功したのである。現役の男子高校生である俺が本当に幸運なことだと思う。俺は自分の幸運に感謝して、早速ゲームを始めてみるのだった。ちなみに今は夏休み中なので時間は無限にあるのだ!
ゲームを起動して、ふっ、と気付くと俺は白い空間にいた。
軽く手を動かす。本当に現実のようになんの違和感も
感じない。これが本当にゲームなのか?おれが驚きつつ少しこの空間に慣れていると突然目の前に女の子が。
金髪に、中性的な顔立ちで背中には天使の羽が付いている、白いドレスを来ていて、とても美しい。俺はしばらく見惚れていた。
「もう、そんなに見つめないでください。照れてしまいます。」
顔よりも幼い声が聞こえる。
どうやら、見過ぎていたようだ、
「あぁ、申し訳ない、つい綺麗で見惚れてしまっていた。」
「えぇ、綺麗だなんて、そんな、恥ずかしいですよー、えへ、えへへ、」
満更でもなさそうに天使はニヤニヤしている。綺麗と言われるのは慣れていないのだろうか?こんなに綺麗なのに珍しいなー、
「あっ、すいません。早速なんですけど、説明をさせていただいてもよろしいですか?」
どうやら元に戻ったようで天使が言う。
「説明?」
「はい!、この世界の説明です!」
「まず初めにこのfreeLifeonlineの世界にようこそ!あなたはこの世界で何を望みますか?、悪を倒すヒーローでしょうか?それとも、ハーレムでも目指しますか?それともそれとも悪の親玉にでもなって世界を牛耳りますか?、あなたの人生はあなたが決めるのです。この世界では全てが手に入ります。あなたの望む未来はあなたがその手で掴むのです!
いろいろ話しましたが、まずは、早速あなたのアバターを作成しましょう。あなたのこの世界での姿を決めます。まずは種族を決めてください!」
俺の目の前にゲームの画面が現れた。
どれどれ、種族は5種類から選べるようだ。
ウンディーネ、
サラマンダー、
キャットシー、
エルフ
ヒューマン
の5種類、それぞれ種族によって若干の
ステータスの差はあるもののあまり気にする
必要はないとのことで、俺は直感でサラマンダーにした
現実の自分の容姿をそのまま再現できると
言う事だったので、そこまで容姿にコンプレックスが
ある訳でもないが、現実の知り合いに会ったら恥ずかしいので、知り合いにあってもバレない程度に少しだけ
身長等を弄る。
数分して俺のアバターが完成した。うん、普通にカッコイイし、身長は低めに設定したから、これなら知り合いにあっても俺とはバレないだろう。
サラマンダーにしたことで、
耳が縦長で、背中に小さい黒色の翼が生えている。
天使さんに、
「お揃いですね?」
なんて言って羽を揺らしてみせたら天使さんも
「そうですね?」
なんて言って、白い翼を軽く揺らしてくれた。それと同時に違うところも揺れて俺は大満足である。
話が脱線してしまったが、プレイヤー名は「カイ」に
した。職業を選ぶ欄があり、最初に選べる初級職と
言われるものは無数にあったが、俺はあまり分からないので天使さんに聞いて、初心者におすすめだと言う
戦士になることにした。職業は後からでも変えられるそうだから、そこまでこだわらなくても良いらしい。
天使さんが言ってた。
そうして色々と終えると天使さんから
「うん!とってもカッコイイですね、いきなりですけど、チュートリアルを行いますか?」
と言われ、それと同時に画面に、はい・いいえ、と
選択肢が現れた。
俺はもちろん。はい、を選択した。
チュートリアルが始まった。