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君との時間  作者: 風早鈴
2/2

2、席替え

今回は楽しく、ちょっと苦い学校生活を綴ったストーリーです♪

文化祭も終わり、落ち着きを取り戻してきた学校。

我がクラスは優勝はできなかったものの、盛り上がりは一等賞だったと思う。


そして、クラスでは、席替えが行われた。

私も少しの願望を持って引いた。(渡の近くにならたらいいなー)。

全員が引き終わるまであけちゃいけない。それがこのクラスのルール。最後の見上くんが引き終え、みんな一斉に開く。私のくじに書かれた数字は赤い字で13。黒い字で13と書かれている男子が隣ということだ。

とにかく机の移動が始まった。13は結構後ろのほうなので、もうそれだけでラッキーだった。私が13の席に着くと隣の子はまだいなかった。席をきちんとして座る。「柚里!」後ろから呼ばれて振り向くと、春季がいた。春季は中学で出会ったけど、もういまでは大好きな親友の一人。

あ、そういえば、渡はどこだろう?と思い周りを見渡す。すると渡と真之介がまだ自分の番号の席にたどり着けていなかった。しかし残る席は私の隣と一つ後ろの春季の隣だけだった。

私の心臓はどんどん速度を上げてドクドクとなっている。もしかしたら頬も赤くなっているかもしれない。渡たちがどんどん近づいてくる。そして渡が顔をあげる。

「鈴木、13?」私はドキッっとした。もしかして、もしかして!!「じゃあここか。」

渡は私の横に机を置く。「よろしく。」渡は私にそう言った。春季でもない、私の以外の誰かではなく隣の私に。

こうして席替えは終わり班も決定した。今回の班は女子が私、春季、嶋田さん(あまり仲良くないのでさんづけ)そして、男子が渡、真之介、見上くん。

席替えの後はいつも班専用の紙を書く。班員の名前、掃除の当番、白衣の番号、班PRなど。

「ペン借りてきたよ〜」しっかりものの春季さん。

「春季サンキュー」この一言に私の心はずっしりと重くなる。そういえば春季がいつか言っていた。渡るとは幼馴染だと。

名前で呼ぶことは当たり前だとはおもっても、どうしても暗くなってしまう。もいくら私が渡と仲良くなっても時の流れには勝てない。

春季と渡が過ごしてきた時間に私はいないから。

「柚里?大丈夫?なんか顔色悪いよ?」私は大丈夫と答え、紙に自分の名前を綴った。上には春季の名前。下には、『高林渡』と書かれていた。私はこの名前の人を今年からしか知らない。春季は・・・もう考えるのはやめよう。今のことだけを考えよう。



次は給食だった。初めての班で食べる給食。それにそこには、渡もいる。きっと楽しくなる。

春季と一緒に手を洗いに行った。

「今日の献立なんだろね〜〜」なんだろう?

「でもにおい的に、ご飯にお味噌汁に、おかずってとこかな〜」私は言った。春季にはお前は犬かっとツッコまれた。笑いながら教室に戻る。

席に着くと、渡と真之介、見上くんはなにやら紙に書いて遊んでいた。

「なにしてるの?」と聞くと「絵しりとりだよ。」三人はお前らもやる?と私と春季を誘ってくれた。

私達はもちろん参加させてもらうことにした。これが案外楽しいし、盛り上がった。前に描いた人の絵がなんだかわからなくちゃいけないし、あまり下手に描くと次の人が何だか分からなくてブーイングが飛んでくる。

「見上ー!これなんだよっ、イミわかんねー」見上くんは何度も何度もブーイングをくらっていた。そのたびに「犬だよ!」とか「すいかだからー」と訂正している見上くんが可笑しくて、何度も笑ってしまった。

「鈴木も春季も何描いてんだよー!わっかんねー」私的には『きつね』を描いたつもりだった。

「はぁ見えないしー」そして真之介まで、「これは見えないだろー!」私も負けずに反論。「見上くんのよりはマシだよっ!」そして五人は笑いの渦に巻き込まれた。


楽しく、嬉しく、たくさんの喜びがこの班ではもらえるかもしれない。

たのしく過ごせそう。

いつのまにか私達の元にはあつあつの給食が届いていた。メニューはご飯に、お味噌汁、そして野菜のおひたし。

今日の私は一年の運を一気に使ったように運がよかった。


「いただきまーす!」

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