80年代の音楽業界と2010年代の出版業界はにてるように思う
さて、70年代までの音楽業界は音楽番組の大賞が大きな権威で、候補作品も含めてほとんどすべてが誰もが口ずさめる名曲といえるレベルでしたし、音楽番組で賞を取るということはヒット歌手になるとほぼ同様の意味がありました。
しかし80年代に入ると賞獲りに絡むレコード会社の裏工作の噂話とかも噴出し、ワイロや過剰な接待なども噂されていましたが、1986年のおニャン子クラブのCDの大ヒットに対してTBSの『ザ・ベストテン』に対して、フジテレビと『夕やけニャンニャン』側が「順位が低い」とランキングについて異議を唱えたことで、音楽番組とレコード会社の癒着も顕になったと思われて、音楽番組での評価よりもCDの売上枚数のほうが信頼されるようになっていきました。
80年代初頭まではレコード会社がヒット曲と歌手を生み出せたわけですが、おニャン子クラブの台頭とその後のバンドブームでレコード会社がテレビを通じてヒットを作り出すことは困難になったわけですね。
一方出版関係は少し前まではコンテストで賞を取らない限り商業作家になるのはほぼ不可能でしたが、学園戦闘ハーレムブームが終わって、それまでは売れないからやらないとされていたなろう発の異世界ファンタジーが売れるようになると、コンテスト作品よりもなろう作品の方が売れるということもよく起こるようになりました。
出版社はベストセラー商法と大賞の優位性で古い売り方ができていたわけですが今ではユーザーの反応が直接反映されるなろう出身の作品お方が当てになるという状況になったわけですね。
そして音楽業界がコピーガード対策だなんだと、ユーザーの利便性無視で対策をやってるうちに、ガラケーの着うたフルやアップルのIーPODなどの配信が主流になってCDがどんどん売れなくなっていったように、現在ではネットで読めば十分という読者が増えてきていて紙の本はどんどん売れなくなっています。
小説は電子では読みづらいと言うならWEB投稿小説サイトがなぜこれほど乱立しているのか。
かっての音楽業界がそうだったように出版業界も売り手の売りたいものではなく買い手の買いたい物でないと売れなくなっているのだと思います。