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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合の花

放課後の花

作者: 夜桜てる

「……ねえ、本当にするの?」

「……佳奈は、嫌?」

「嫌じゃ……無い、けど」


 窓から夕焼けの日が差す、放課後の教室。

 壁際で肩を抱かれ、逃げ道を塞がれているのは、ショートヘアの女の子。佳奈と呼ばれたその子は、吐息がかかる距離にある顔から、わずかに目を逸らした。


「玲奈は、いいの?」

「? ……どうして?」


 佳奈の肩を手で留める、玲奈と呼ばれたその子は、長い黒髪を揺らし、首を傾げながらそう返す。


「だって、こういうことって……。好きな人とやるもの、でしょ? 幼馴染と、そんなこと……」

「でも、佳奈は嫌じゃないんでしょ……?」


 玲奈は真っ直ぐ、優しい瞳で佳奈を見つめ続ける。


「っ……それはまあ、そう……だけど」


 チラリとその瞳を見てから、また佳奈が視線を外すと。


「ねえ……ちゃんと、私の方見て」

「……ぁ」


 肩に置いていた手を、ゆっくりと佳奈の頰を両手で包むように、優しく支える。そして、しっかりとこちらを向かせて、目を合わせた。

 すると、佳奈の顔がみるみるうちに赤くなっていく。


「佳奈って、本当に可愛い」


 愛おしそうに見つめて、そう言った後。玲奈は左手を佳奈の腰元までなぞり、キュッと抱き寄せる。


「あっ」


 そして佳奈の耳元でもう一度、囁いた。


「ねえ、キスしても、いいでしょ?」

「っ……! …………い、一回、だけなら……」

「ふふっ、ありがと」


 夕焼けの日に写し出された2つの影が、静かに重なった。

つい魔が差して、書いてしまいました。

……百合って、いいですよね

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― 新着の感想 ―
[良い点] うふふ、楽しそうですね。
2019/11/04 23:56 退会済み
管理
[一言] 作品の雰囲気的に叙述トリックかなにかと思い、身構えながら読んでしまいましたが、本当にストレートな百合で逆に騙されてしまいました。笑 素敵な世界に触れさせていただき、ありがとうございました。
[良い点] 短いお話ですが、甘々で良いすね。 状況描写が主となっていますが、敢えて確信に触れないので、良い意味での意地らしさがあってよかったです。 中途半端で終わっているような感じがありましたが…
2019/08/23 19:49 退会済み
管理
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