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翼のない俺達に幸せの粉を!!  作者: まろ爺
第1章 0からのスタート
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プロローグ



『幸せ』


この世界は、一生懸命努力したものだけが『幸せ』を掴みとり、『幸せ』に生きることが出来る。

辛く険しい道を進んだ先こそが、『幸せ』に繋がるのだ。




・・・・・・なんて、そんなのは嘘っぱちだ。




努力してなくても金持ちで、努力してなくても運がいい。辛く険しい道を進まなくたって彼女がいて、一生懸命勉強してなくても頭がいい。日頃の行いが悪くても、チヤホヤされ、楽しそうに生きている。

そんな奴、そこらじゅうにいるじゃないか。


人間はそもそも不公平だ。

この理不尽な世の中に気に入られた人間だけがのし上がり、『幸せ』 を手にする。

努力したって気に入られなきゃ意味が無い。


年を重ねる度に減っていく自由は、自分自身の『幸せ』を削り、世の中の常識に飲み込まれる。


当たり前だ。



それがこの世界のルール。



頑張ったって、『幸せ』になんかなれない。



そりゃあそうだろうな・・・・・・



決まってんだから、最初から。



生まれる前からずっとだ。



『幸せ』の量なんて、死んだらすぐに決まんだよ。



次の為に・・・・・・な。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








朝が来た。



俺はいつも通り制服に着替え、玄関の扉を開けた。


「行ってきます」


そう、一声後ろに立つ女性に声をかけると、返事を待つことなく俺は足を踏み出した。


微かに聞こえる「行ってらっしゃい」の声は、俺の意識に入ることはなく、ドアの音でかき消された。

そして、いつも通りの登校が始まるのだった。


まだ暑い夏の朝。駅まで歩くその道のりが、苦痛で苦痛で仕方なかった。

リュックと背中の間には、滝のように汗が流れ、首にかけたタオルで額を拭うも、次々と零れる汗は止まろうとしない。



こんな思いをして、何故俺は学校になんて向かうのか。

行ったって、何も良いことなんかないのに。


俺の視線の先で、一人の少女が歩いている。



「あぁ・・・・・・あんな小さい頃に戻りたいな」



ただただ何も考えずひたすら遊び、


やりたい事を好きなだけ見つけ、好きなだけ実行し、


世の中のいい所だけを直視できるそんな時代が、俺にもあったんだよなぁ・・・・・・


「はぁ・・・・・・ん?」




「危ない・・・・・・!!」




ーーーーーーーーーーーー何やってんだ? 俺。



踏み込んだその足は、あの時後ろに立っていた女性の事を思い出させた。



ーーーーーーーーーーーーごめん。母さん。















『翼のない俺達に幸せの粉を!!』



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