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小説を書く人工知能を作ることはできるか?  作者: 葦沢かもめ
PHASE 1 小説を執筆する前に評価を予測することはできるか?
4/12

第4回 パラメーター考察(2) 魅力度(リンクが踏まれる確率)

1-(2) 魅力度(リンクが踏まれる確率)


 本項目では、リンクを目にしたインターネットユーザーがリンクをクリックする確率を「魅力度」として定義します。


1-(2)-a ジャンル


 言うまでもなく「なろう」ではファンタジーがよく好まれます。ゆえに、ファンタジー作品はリンクをクリックされやすいでしょう。逆に文学などは不人気なジャンルに入るようです。


 このパラメーターが厄介なのは、露出数にも影響している可能性があるということです。大雑把に計算するだけならジャンルは露出数だけのパラメーターとしてしまっていいかもしれません。


 なぜならば、複数のジャンルの作品へのリンクが並んだ中から読みたいリンクをクリックするというシチュエーションは基本的に少ないと考えられるからです。どちらかと言えば、同じジャンルの作品が並んだ中で読みたい作品が選ばれている場合が多いのではないでしょうか。その場合、「魅力度」はジャンル以外のパラメーターによって決まるはずです。


 このパラメーターを得るのであれば、露出数は同等の条件で、アクセス数を各ジャンルで比較できる方法が良いはずです。例えば新着の作品のうち、どのジャンルのアクセス数が多いかを公平に計測できればいいかもしれません。


1-(2)-b キーワード


 ジャンルとは逆に、キーワードは露出数より魅力度に大きく寄与していると考えられます。キーワードでの検索によって表示回数が左右されますが、検索からの流入は全体に比べれば少ないはずです。それよりも新着やランキングに掲載された時に、一目で内容が分かり面白そうと思ってもらう方が影響が大きいのではないでしょうか。実際、検索で読者を呼び込むことを目的としているよりは、内容を伝えるために設定されたキーワードを見かけることが多々あります。


 まずはランキング上位作品に設定されたキーワードを集計し、その傾向を把握することが肝要と思われます。もしかしたらキーワードは重要なパラメーターではないかもしれません。


1-(2)-c タイトル


 タイトルは魅力度に直結するパラメーターの一つと見て間違いはないでしょう。


 紙の本や電子書籍なら表紙絵が良いから買うなんてことも有り得ますが、表紙の無い「なろう」作品の場合、表紙の役割を果たすのは紛れもなくタイトルです。キーワードも大事ですが、少なくとも「なろう」のランキングの一覧ページでは、ジャンルごとに作品のタイトルが並んでいるだけです。TOPページの新着小説についても同様になります。


 とは言え、こんなものが数値化できるなら、既に誰かがやっているでしょう。どう数値化するのが正しいのか分かりませんが、一つの方策は、タイトルを分類することです。例えば、主人公について述べているか、内容について述べているか、体言止めか、主語と述語か、漢字が多いか、カタカナが多いか、「!」「?」があるか、などなど、とりあえず考え得る分類方法は全て使って高評価作品を分類して、傾向があるか探ってみれば何か分かるかもしれません。


1-(2)-d あらすじ


 タイトルの次に重要と思われるのがあらすじです。タイトルで面白そうと思ってもらえても、あらすじが陳腐だったりすればリンクをクリックしてもらえません。


 しかも「なろう」のあらすじは改行ができません。パッと見て分かりやすい文章でないと、すぐに見逃されるでしょう。もろに文章力が試される部分だと思われます。


 ただしここも十人十色なので、数値化は難しいです。少なくともランキングをざっと見る限り、文字数が短くても長くても支障は無さそうです。この辺も傾向を観察してみるしかないでしょう。



1-(2)-e 読了時間


 これは露出数にも影響するはずですが、魅力度への影響も見逃せません。例えタイトルやあらすじが面白そうでも、読了時間が長すぎると読む気が失せてしまう読者もいるでしょうし、逆に短すぎて読みたくない読者もいるでしょう。


 数値化する上では、魅力度としての側面をどう取り出すかにかかっていると思われます。


1-(2)-f 獲得済み評価・ブクマ数・感想数・レビュー数


 既に獲得されている評価やブクマ数、感想数、レビュー数は、未知の作品に対する信頼性の指標になっているはずです。読者によっては、タイトルやあらすじよりもこちらを重要視している場合も少なくないでしょう。


 感覚的な話になってしまいますが、横軸に時間を取ると、評価はいわゆるシグモイド曲線になると思われます。この特徴の数値化を目指すのが良いと思われます。


1-(2)-g 作者


 作者のブランドも一つの魅力といって良いでしょう。特徴的な文体があるとか、物知りだとか、過去作の評価が高いとか、そういった事実も読者は考慮しているはずです。


 例えば、連載作品が途中で止まったまま放置されていると、他の連載作品も同じことになりそうだから読まない、という人もいそうです。


 ただこれを数値化しようとすると、知名度などを考慮することになるので難しそうです。


1-(2)-h ランキング掲載


 ランキングに掲載されていることも、一種の信頼性だと解釈できます。


 このパラメーターは露出数や評価衝動率にも被るので、評価予測式では、結果的に3乗されています。それだけランキング掲載が評価を左右するということでしょう。


 露出数や評価衝動率による影響が無い中で、魅力度だけを抽出するのは至難の業だと思われます。まとめて計算してしまうのも手かもしれません。



 では次回は読了率と評価衝動率について考察をしていきます。

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