帰宅部のエース!帰れなくなる!?
「帰り道がわかんんねぇええええ!!!」
突然異世界に飛ばされた、帰宅部のエースこと俺は街の中をうろうろとしていた。
「くそぉ、今日こそ最速記録出してやろうと思っていたのに。既にこの時点で最遅記録更新中だ!はやく、家に帰る方法を見付けないと俺の雄一特技が!!」
「おにーさんどうしたの大声出して?」
「うるせーぞ。中世の西洋かぶれのクソババァ!」
露天の婆さんを怒鳴り付けて、走り出す。これ以上うろうろしていてもしょうがない!走れ!走るんだ俺!
だいたいこういう時は、異世界最強になってから帰る方法が見つかるというのがテンプレートである。しかし、そんなことをしている時間はない。
ぶつぶつと走りながら考える。
「俺は帰宅部のエースだ!誰よりもはやく家に帰らないといけないんだ!だが、もうすでに最下位だろうな。しかし、画期的なアイディアを思い付いた!!」
大勢の人がごった返す、国の中央広場。そこで高らかに宣言をする。最初で最後の手段。
「ここを!!我が家とする!!!」
こうして俺は、この国を乗っとるために動き始める。ここを我が家とするために。そうすれば、ここに飛ばされた時点で家のついたことになる!そう、しかも最短記録で。
「よし、やってやるぞ。まずは何をすればいいんだ?とりあえず我が家って書いた看板でも建てておくか?」