僕のお兄ちゃんは馬鹿です。1
蝉の声がみーんみーんとうるさい程に聞こえてくる夏。
この先に大会を控えて声をあげている運動部。
そんな声達を片目に学校からの数分の帰り道を燃え尽きて真っ白になったお兄ちゃんと帰る僕。どうしてこうなったのか、それは一週間ほど前に遡る。
━1週間前━
「おーい、花里ー。」
「『はーい、花里ー。』」
「あ、浩司の方な。」
そうだるそうに言うのは我らが担任……名前を言うのがめんどくさいので以下省りゃk「すんな!」……このサトリが授業を人任せにして、いい年こいてまだジャ●プ派の「おい!」………我らが二年五組の担任兼社会担当の先生、宵山祥平である。「呼び捨てやめろ!」
『じゃあサトるな!阿呆祥平先生!』
「おい!バカ!宵山ティーチャーは、阿呆じゃなくてバカなんだよ!」
「浩司の方も相当な事言ってるぞー?あれー?」
『阿呆だよ!』
「バカだ!」
「あれ、なんか目から塩水が。」
『阿呆!』
「バカ!」
「「「おまえ等がな。」」」
言い争っていると他のクラスメートたちから先生へのフォローが飛ぶ。
「…おまえら……」
そしてそれに祥平先生が感動しそうになっているところ、傷口に塩を塗るのが僕らの仕事。
「よし、じゃあ、名字の時はバカ、名前の時は阿呆だな!」
『よし、そうしよう!それならいいよ!』
「もうこいつら嫌。」