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プロローグ一

 正しくあろうとする反面、常に悪に染まりたがる生き物。人間というのはそういうものである。

“彼”もそうだ。

 ある日を境に、幼き少年は特撮ヒーローのような正義の味方を目指すようになり、それこそが自分の生きる目的と信じて、ひたすら励んだ。

 が、前述の通り彼とて人間である。人間であれば、あらゆる行動にそれらしい感情というものが付き纏うものだ。

 例えば。

 誰かを助けたならその人に感謝されたいとか、周りの人間に褒められたいだとか、自分の頑張りを認めてもらいたいとか、チヤホヤされたいとか、学園の人気者になりたいとか、美少女に好意を寄せられてハーレムを築きたいとか――

 結果として、彼は時と共に純粋な感情を失ってしまった。幼い頃憧れたヒーロー達。決して報われないが、自分以外の全てを守り、救う戦士の姿よりも、彼は主人公というものに憧憬の念を抱くようになった。

 主人公とは眩いものである。まるで世界の中心であるかのように扱われ、当然のように報われて、苦しくも楽しい人生を謳歌する。

 そんな主人公達を羨望し、彼は志を少しだけ変更した。

 誰かを助ける。誰かを守る。その主義を変える気はないけれど、ちょっぴりだけでもいいから、報われたい。

 自分がしてきたことへの応報として、常に不幸な結果ばかりだった彼にとり、それはごく当たり前の欲求であっただろう。

 とにもかくにも、彼は純粋なる正義の味方から、少し薄汚れた存在である主人公という概念を目指すようになった。

 その結果、どうなったか?

 

 それは――

 

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