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第七斬目! セラ・ブルーネル

お気に入り登録をして頂けると泣いて喜びます^^


前回、次回からはヴァルガントの探索をしますと

書きましたが本格的に探索するのは次話からになります。

本当にすいません。


コメントと評価をどうかよろしくお願いします^^


部屋の外へと連行されると、ようやく俺の右腕は解放された。


「いってぇ……!な、何するんですか!」

思わず女の子に向かって叫ぶ。


めっちゃ痛いんだけどこれ本当に腕大丈夫なのか?

しかし女の子は心配するそぶりすら見せず


「大げさねぇ。あなた本当に男なの?」

と右腕を痛がる俺に嫌味ったらしく言い放つ。


「病み上がりの俺に対する接し方じゃないですよねぇ!一体あなたは何なんですか!」

さすがに今のはいただけないので猛反発する。


しかし女の子はひるむ事なく


「私はセラ・ブルーネル。あなたのお世話係を任されているわ」

と俺の質問に対し冷静に答える。


お世話係ってなんだよ、ガキじゃあるまいし……そう俺が考えているのが分かったのか

セラ・ブルーネルと名乗った女の子はさらに口を開いた。


「貴方はこの世界の事をな~んにも知らない初心者なんだから

 この世界の事を勉強しなければならないのよ。だから貴方にそんな

 嫌そうな顔をする権利はないの。

 だからもう大人しく着いて来て。ヴァルガントを案内するから」


言い終わるとセラさんは首をひねりこっちよ、と示してそのまま廊下を歩いていく。



「あ、ちょっと待ってください!」セラさんは善意でやってくれているのに

それを踏みにじってしまった自分を深く反省し、セラさんを追いかけ並んで歩く。


それにしてもここは広いな……さっきも思ったけど廊下はひたすら長く、


いろんな部屋に繋がっているのであろうドアが五メートル程の間隔で並んでいる。


「あの、ずっと気になってたんですけどここってどこなんですか?」

 あまりにも立派すぎるので思わず聞いてみる。


「え?ここ?ここはそのまんまヴァルガント城よ」

 そんな事すら知らないのかよって感じのセラさんの目線はスルーして

 なるほど、と相槌を打つ。俺が目覚めた部屋はそのまんま王室だったのか。


 それから特に会話もなく黙々と進んでいると、

 セラさんが急に足を止めた。辺りを見回しても出口らしきドアは見つからない。


「どうしたんですか?」


「ここから行くと近道なのよ」とセラさんは廊下の側面にある

窓を指差しながら平然と言った。 窓の外を覗いて見ると、

まるでRPGゲームに出て来そうな西洋な街並みが目に飛びこんできた。


戦争後だというのに以外と活気で溢れていて、とても居心地はよさそうだ。

ただ問題点が一つ。こんな良い景色って低い位置から見れたっけ?答えは否。


充電が切れかけているロボットの様にギ、ギ、ギと

おそるおそる首を下に向けると、その高さに驚愕した。


「う、嘘ですよね?」俺は冷や汗をダラダラ垂らしながらセラさんに問う。

 どうか嘘であってほしい。


「嘘じゃないわよ。ってどうしちゃったの?足なんか震わせて。

 まさか、びびっているんじゃあないでしょうねぇ…?」


戸惑う俺に対し疑いの目線を向けるセラさん。鋭い。内心は

めちゃくちゃびびっているんだがこのままなめられるのもシャクなので


「べ、別にびびってませんよ!」


と、なんとか強がってみる。





「ふーん。じゃあ私が先に飛び降りるから着いてきてね」

ついにしびれを切らしたのかセラさんは窓を開け、軽い柔軟体操を始めてしまった。

だがそうはいくか。


「ここから落ちたら足が死んでしまう様な、てか俺自身が死んでしまう様な

 気がするんですが……。決してびびってませんよ?ただ、今、ケガをするのは

 駄目かと……。てかもう右腕を大怪我してるんで……」


と口ごもりながらもどうにかしてこのルートから行くのを

阻止しようとする。が、セラさんは全く聞き入れず、(反則だろ!)

助走をつけ勢いよく外へと飛び出した。それも、およそ三階の高さから。


一瞬放心状態になったものの、すぐさま意識を取り戻し窓から様子を見る。

するとセラさんは空中で一回転し、地面へ華麗に着地した。

「ば、化け物かよ…」思わず感心するがそんな余裕、俺にはない。


なんせ次は俺の番だからだ。でも単純に考えたって三階の高さから

飛び降りるのは自殺行為だろう。しかも俺には右腕のハンディキャップもある。

大分甘く見積もってもやっぱりこれは自殺行為になる。

もちろん俺は死にたくない。だったらどうすれば?


どうしていいのかわからずそのまま窓から顔だけを出す状態を保っていると


「大丈夫!魔法で一時的に貴方の重力を十分の一にするから飛び降りても安心よ!」

とセラさんが下から叫ぶ。


え?そんなずるい魔法なんてあるの!?だったら……大丈夫かな?


「分かりました!じゃあしっかり頼みますよ!」最後にセラさんにそう叫び返し、

 助走をつけ一気に窓から飛び降りる。恐怖感はもうなかった。

 セラさんが魔法をかけてくれると分かっているから。


……のはずなのに一向に魔法がかかる気配はない。

……あれ?おかしいな。十分の一の重力どころか一ミリも

変わって無いような気がするんだけど……と、ここで俺は悟った。





           セラさん、はめやがったな。






       




セラさんがはめたと書いてありますが、敵意があってとかではないので

安心してください^^

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