11:復活の魔神!! そして… ②
第11章2話目です。
緊迫の展開です!
…その時……
ダッ!
「バーバラ!?」
その眩しい光の隙間を突いてバーバラが突然走り出す。
いつの間にか片手に剣を握り、身軽にタタッと手近の木の上に一気に登ると、その高い位置の枝に器用にもう片方の手を置き、タッ!と枝の反動を使い、
ダン!!
…と思いっきり高く飛び上がる。
その跳躍は枝の反動を利用したとはいえ、凄いモノであった。
バーバラは一瞬で魔神弐號の顔の位置より高く飛ぶ。
そして魔神の目の位置にあるガラスの様な透明な窓に老人の姿を見つける。
「そっ…こかぁ!!!」
討つべき敵をとらえ、空中で握った剣を振り上げるバーバラ。
「チッ、上か!」
余りにも速いバーバラの動きにデラデューンも焦る。
魔神弐號の顔を上に向け、その方向に照準を合わせると、
ズビ!
と魔神弐號の額からビームを放つ。
その光は真っ直ぐバーバラに向かう。
「バーバラ!!」
あまりにも高い位置での攻防に、アルフレッド達はその光線の先にいるバーバラを見ている事しか今は出来ない。
たとえ彼女に危険が迫っていても、名を呼びかける事しか出来ないのだ。
…が…
「くっ…!!」
バーバラは空中で身体の位置を器用にビッ! とずらす。
その瞬間、バーバラの身体の横を光線が真っ直ぐ飛んでいく。
空中で体勢を変えて敵の攻撃を避けるとは…恐るべき反射神経だ。
「殺った!!」
自分に真っ直ぐ向かってくる光線さえ避けられれば、あとは目の前の魔神弐號とその中のデラデューンしかいない。
バーバラの顔に勝利を確信した笑みが浮かぶ。
「ぐっ…おのれ!」
だが、追い詰められたように見えるデラデューンにはまだ別の手があった。
内心焦りながらも制御球を駆使し、魔神の拳を握り締めると迫るバーバラに向ける。
そして…
『魔神パーンチ!!』
…と絶叫。
ゴ!! …と、その叫び声と同時に、その腕が突然肘から分離し、物凄い勢いで発射される!
「なっ…!?」
突然飛んできた魔神の拳は空中のバーバラのすぐ横をかすめて飛んでいく。
直撃はしていないのだが、横をかすめる時、ドガ!! と大きな音がしたので、鎧の端にでも当たったのであろうか。
「ぐあッ!」
空中で体勢を崩したバーバラは、でかい鉄の塊のかすめていった勢いのままに…
ザン!
と地面に叩きつけられる。
「バーバラ!!」
アルフレッド達が地面に落ちたバーバラに気を取られているうちに、
ジャキン!
…と、飛んでいた腕は魔神弐號の元に勝手に戻っていた。
そして…
「死ね!!」
「!!?」
慌て狼狽える皆に向かい、先程の強烈な光線が、
ド!
と放たれる。
その光線が発する爆発に、地面も木も岩のかけらも何もかも吹っ飛ばされる。
「ふん――…手間をかけさせおって」
苦々しい口調で呟くデラデューンの目には、画面に映る土煙の中、あちこちに倒れている面々の姿が写っている。
『今、楽にしてやる!』
魔神弐號から聞こえるデラデューンの言葉に反応出来る者はいなかった。
「こ…このままじゃ…」
やっと身体を起こせたアルフレッドは、周囲を見てその様子に愕然とする。
「…全滅…だ…」
まだ死んではいない…だが、既に全員動く事すら出来ない、まさに死屍累々とも言える程の状況が目の前に広がっている。
圧倒的な戦力差に対抗すら出来る手もなく、悔しさからじゃり…と手元の土を握る。
…と…
「あ…れは…」
周囲を壊滅させたあの爆発で、人もモノも吹っ飛ばされた。
だが…
たまたま偶然、飛ばされたモノの一つ…ギルが持っていたはずの鳥笛が、アルフレッドの近くに転がっていた。
アルフレッドは動かし辛い身体を無理矢理持ち上げると、手を伸ばし、ガシ! と、その鳥笛を握り締める。
「――アルフ?」
そのアルフレッドの動きに、近くに倒れていたアリスが、何とか上半身を起こすと、何をする気なのか? と問うように眉をしかめる。
「宝石を…貸してくれ、アリス!」
アルフレッドの言葉に、何故そんな事を言ったのか理由が分からずアリスはさらに眉をしかめる。
「鳥笛を使おう」
「――え?」
アリスはアルフレッドが続けたその言葉に目をみはる。
「俺達じゃ魔神は倒せない。このままじゃ俺達だけじゃない…この島だってメチャクチャになる! ……けど…鳥笛に頼めば…」
「――…」
真剣な横顔で目の前の魔神弐號を睨み付けるアルフレッドに、アリスは一瞬固まり、言葉が出なかった。
…だが…
「ダメよーッ!!!」
言葉の意味が脳に届いた途端、アリスの絶叫の様な拒否る言葉がアルフレッドを襲う。
彼女の叫び声にアルフレッドは思わず、びくぅ! と反応してしまう。
「こんな時に使ったら、何のために今まで苦労したのかわかんないじゃない!!」
「いや、でも今こそ使わなきゃ…」
「ダメダメ絶対ダメッ!!!」
アリスの全力の拒否にアルフレッドが説得しようとするのだが、彼女は全く聞く耳を持たない。
「……………………おーい」
そんな二人のやり取りをコクピットから見ていたデラデューンも、その様子に思わず攻撃の手が止まる。
「もし傷でもついたらどーすんのよ! 350万の大事な宝石なのに!!」
「お前なぁ、命と金とどっちが大事なんだよ!」
「決まってるじゃない…お金よ!!!」
清々しいまでの守銭奴っぷりのアリスと常識的に説得しようと試みるアルフレッドとの会話はいつまで経っても噛み合わず、全く止まるコトがない。
声をかけても無視されまくってるデラデューンも、さすがにこの状況の中での止まらない二人のやり合いに、
「き…貴様ら…この状況で痴話ゲンカとはいい度胸してるのぉ」
…と、コメカミをピクつかせている。
『もぉ遊びは終わりぢゃ!!』
デラデューンの叫び声が魔神から響くと、
バグオ!
…と、魔神弐號の胸の外装が外れ、中心の強く光る巨大な玉の様なモノが顕になる。
その玉が、カッ!! と強い光を放つ。
その強烈な光り方は、今までの攻撃とは段違いの攻撃が来るであろうことを簡単に想像させるレベルのモノであった。
「非常事態なんだぞ! 貸せってば!!」
その玉が強く光り輝く様子に、急ぎ対策しなければと慌てるアルフレッドの言葉にも、
「ダメダメダメーッ!!!」
とガンとして納得しないアリス。
何とか心臓宝石を取り上げようと伸ばしてきたアルフレッドの手を避けるように、その命より大事な宝石を必死で握り締めて身体全体で守っている。
…が、その瞬間…
ぱこん!
…と、マヌケな音が響く。
復活したラルシオンが、どこからか出してきたハリセンでアリスの頭をめいっぱいはたいたのだ。
そのはたかれた勢いで、アリスの手にあった心臓宝石がポロッとこぼれてアルフレッドの手に向かって飛んでくる。
完璧なツッコミと飛び込んできた宝石に、アルフレッドも驚きで思わずうわっと声を上げる。
「アルフくん!…悔しいけど君の言うとおりね」
ぱしっ!と手に持つハリセンをその手で鳴らしながら、
「鳥笛でなきゃ魔神は倒せない!」
と、凛々しい笑顔でアルフレッドの意見を肯定するラルシオン。
…彼女のその決意を込めた表情の後ろで、
「痛いじゃないの! 何すんのよ! バカエルフ!!」と怒り心頭なアリスを
「どうどう」
「お…落ち着いてよ、アリスちん」
と、これまた復活したバーバラとクララが必死に抑えているが、
「だから…頼むわよ!」
ラルシオンは完全にスルーしつつ、アルフレッドに笑いかける。
…目の前の魔神弐號の魔力の光は、中心の玉だけでなく左右や丹田の位置の玉も大きく輝き始めている。
それだけではなく、外れた外装が羽根のように広がりその一つ一つの端にある小さ目の玉も全て光っている。
その全ての光玉から中心の巨大な玉に向けて何かしらのラインを伝い魔力が集まっていく。
明らかに先程とは違う、時間をかけた魔力の溜め方に、デラデューンの本気が伺える。
そんな差し迫った危機を背に、
「鳥笛には、私達の思いもこもってるんだから!」
と、ラルシオンはいい顔でサムズアップ。
復活したティムも笑顔でうなづいている。
…もちろん人形の意見はこの際完全無視だが。
アルフレッドは己の手にある鳥笛と宝石の、想いのこもった重みに力が入る。
「……あ…ああ!!」
だが、皆の想いを込めて、やるべき事はわかっている。
…その間にも魔神弐號の魔力はどんどん溜まっていき、
ヂヂヂヂ…
と、今にも破裂しそうに光っている。
『さらばだ!! …この魔神ストレートフラッシュで…』
魔神弐號からのデラデューンの声が大きく響き渡る。
アルフレッドはその声を聞きながら、急いで…だが慌てて落としたりしないよう慎重に、手にある鳥笛の胸元の空洞に心臓宝石を当てる。
「止めを刺してやる!!」
デラデューンは叫び声と共に、魔神弐號から殺戮光線を発射するため、制御球を握る手に力と魔力をこめる。
その瞬間、カチ…とアルフレッドの手の宝石が鳥笛にはめ込まれた。
…と…
カッ!!
突然、鳥笛自体が、激しく光り輝く。
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よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m
第11章2話目になります。
緊迫の魔神弐號との戦い!!…なお話でしたw
次回は第11章3話目になります。よろしくお願いしますm(_ _)m
…今週も相変わらず体調不良でしたが…何とか更新できましたorz
来週も一応更新予定ですが…ここからまた体調が悪化したら、またまたヤバいかもですorz その時はご容赦くださいませm(_ _)m
……できれば一気に毎日更新とかできるようになるといいなぁ…と夢想しているのですが、なかなか…orz
ではでは。
次回も無事更新できましたらまたお会いしましょう。
よろしくお願いしますm(_ _)m
あと…最後にお願いがw
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