11:復活の魔神!! そして… ①
お待たせいたしましたm(_ _)m
新章・第11章1話目です。
…巻き上がる砂煙の中、古代鉄甲文明の『魔神弐號』は悠然と立っている。
グオン…グオン…グオン…
…機械が動いている、そんな音も周囲に響く。
デラデューンはそんな機械機械した玩具にいたくご機嫌で、
「今回のはちゃんと整備済みぢゃ!!」
と自慢気に嗤う。
「前回のよーにはいかんぞ!!」
「あ…あのー…」
デラデューンの楽しそうな声に、従者イブナートの困惑した声が重なる。
「どーして私までこの中に…?」
見ると、先程の魔神壱號にはなかった後部座席のような囲いがデラデューンが座る椅子の後ろにあり、その中にイブナートがはめ込まれるように座らされている。
「フッ、知れた事!!」
ニヤリと口をゆがめるように嗤うデラデューンは、自身の座席の前にある、握り締めるのに調度良い形の魔神の『制御球』と言われる丸い玉をぱしっと握りしめると事も無げに言い放つ。
『お前の精神力を魔神エナジーにもらうためぢゃ!』
『そっ…そんなぁあ』
…そんな声も『魔神弐號』の外に大きく響いている。
「あ…あの声…」
そんな、外に聞こえるデラデューンの大声にラルシオンは疲れたようにつぶやく。
「やっぱり…デラデューンだわ」
「いっ!?」
この魔神弐號から出ているデカい声が『デラデューン』のモノだと聞き、アルフレッドの顔色が途端に悪くなる。
「こんなにドでかい魔法使いなのか!?」
目の前の人間離れした大きさの鉄の塊…これが件の魔法使いだなんて…と。
「勝ち目ないじゃん!」
「逃げましょ!!」
「あれはハリボテよッ!!」
アルフレッドとアリスの慌てた言葉に慌ててツッコむラルシオン。
『――む?』
そんな慌てふためく連中をコクピットの中の画面から見ていたデラデューンが、先程との違いに気付いた様につぶやく。
「頭数が増えておるな」
最初の3人よりいつの間にか増えている人間の数に眉をしかめる。
だが、
「フッ…まあ良い!」
今のデラデューンは魔神弐號を起動出来て非常にご機嫌である。
『まとめて始末してくれるわ!!』
魔神弐號の中からそう宣言すると、デラデューンは握りしめている制御球に力を込める。
すると、ギュイイン…と魔神弐號にエナジーが漲っていく。
『うーっしっしっしっし♡』
というデラデューンの汚らしい嗤い声も魔神の外に高らかに響き渡る。
「で…でも、どーすりゃいいんだ。こんなの相手に…」
「ムリよ、こんなの!」
ラルシオンの「ハリボテ」だという言葉を聞いても、それでもまだ魔神の大きさに不安を隠しきれないアルフレッド達に、
「大丈夫だよ、坊や♡」
と馬鹿にしたような表情と言い方で応えるギル。
その言い草は人の気分を逆撫でする絶妙な態度である。
「あんたに言われたくねーよ!」
…そんな、人形に馬鹿にされるという人類としては許し難い状況に軽くキレるアルフレッドと、
「きゃー!」
…っとアルフレッドに首を絞められ叫ぶギルを横目で見つつ、
「――でも、本当に大丈夫よ」
…と、ラルシオンも眉を下げながら苦笑いでそう応える。
「あれ完璧にハリボテなんだもんね。ちっとも動かないし♡」
とティムも笑いながら応える。
「――マヂ?」
こんなにでかいのに?…と、ギルの首を絞めたまま不審気に問いかけるアルフレッド。
「マヂだよぉ♡」
首を絞められながらも、ギルもにこやかに応えている。
…まぁ、いくら締め続けても死なないのが人形のいい所ではあるのだが。
ギルはそのままアルフレッドの手からあっさり離れ、アルフレッドがあっ…と声を上げる間もなく魔神弐號の足元に軽々と飛び降りる。
「こんなの、ボクの蹴りでオダブツさ♡」
そう宣言すると、
けいん
…と魔神弐號を軽く蹴る。
鉄の塊を柔らかい人形が軽く蹴る…そんな情けない音が周囲に響く。
そんなふうに軽く蹴るレベルで、ぐぐぐ…と蹴られた魔神の足が浮く。
やはり、でかいだけのハリボテなのか?
…そう思っていたら…
ズシャア!!
…と、その少し浮き上がったでかい鉄の塊の足が、勢いよく地面に向かい…
ぷちっ!
と、地面と一緒にギルの身体を思いっきり踏み潰す。
「…………え゛………?」
自ら動く事は出来ない…蹴り上げれば簡単に倒れるハリボテだと思っていたその鉄の塊が、悠々と動き、目指す目的物を意識して踏み潰す事が出来た…その事実に、全員時間が止まったかのように真っ白に固まる。
…まさに処理落ち状態である。
「ふっ…甘い…甘いぞぉ…」
そんな真っ白く固まる連中をコクピットから見ながら、
『サッカリンより甘いわ!!!』
と魔神の中から勝ち誇った声を響かせるデラデューン。
『サッカリン』などと言う、砂糖の500倍は甘過ぎるコトで有名な古代合成甘味料の名を上げながら、デラデューンは制御球を握り締め、ぐうりぐりぐり…とギルを踏み付ける魔神の足に力を注ぎ込む。
その圧力に、あっあっあ×…と痛そうに悲痛な声を上げるギル。
…果たして人形に潰される真の痛みを感じられる痛点があるのかは甚だ不明だが、その柔らかい人形の身体は、魔神弐號の足元で完全にひしゃげている。
「ギル!!」
慌ててギルを助け出そうと魔神弐號の足元に近寄るラルシオン達。
…だが…
『…貴様ら如きに…』
ゴンゴンゴン…と魔神弐號から何かを溜め込むような音が響き始める。
『このわしが丹精込めて整備した…』
ゴンゴンゴンゴン…音はどんどん大きくなっていき…
『この魔神弐號を…』
そして…
「なっ…何? この光…」
音と共に魔神弐號の胸元が激しく光り輝く。
『砕くことなどできぬ!!』
グワ!と胸の輝きが最高潮に達したその瞬間…
ドグアァッッ!!
…と胸元の光が発射され、地面が大爆発を起こす!
「うわーっ!!!」
その爆発の勢いで、全員物凄い勢いで吹っ飛ばされる。
爆発自体は直撃しなかったが、その爆発が起こした爆風で全員ボロボロになってしまっている。
そもそも動かないはずのハリボテが強烈な攻撃してきた事に愕然とするが、とにかくその場から逃げなければ…と皆、傷んだ身体を何とか動かそうとする。
「はーっはっはっはっ!!!」
その様子をコクピットから見て超高嗤いのデラデューン。
「いーぞぉ!! 逃げろ逃げろぉ!!!」
無茶苦茶ご機嫌なデラデューンは制御球を駆使し、魔神弐號をゆっくりと動かしながら逃げ惑うアルフレッド達を追い詰めていく。
その制御球をデラデューンが動かす度に、後ろからシュウウウ…と何かを吸い上げる音が聞こえてくる。
「はぁあ~ちからがぁぁ~」
見ると、後部座席に座らされていたイブナートが全身から何かをどんどん吸い取られ続け、イケメンだったはずのその姿がまるで骸骨のように痩せ細り、全身から肉も精神力もそげ落とされてしまっている。
…どうやら、魔神弐號が何かしらのアクションを起こす度にかなりの力を必要とするらしい。
その力を提供するのが後部座席に座る者のようで…そこに座らされているイブナートは力を搾り取られてヘロヘロなのに、ご機嫌で制御球をガチャガチャいわしているデラデューンは全く疲れた様子もなく…むしろご機嫌過ぎて何歳か若返ったかの様なテンションである。
…もしかするとイブナートの精神力をお前が吸い上げているのか!?と疑いたくなる程のテカテカっぷりである。
『いくぞ!!』
そんな絶好調デラデューンが制御球を握り力を込めると、今度は魔神弐號の額が強烈に光る。
『魔神ビィィィーィム!!!』
デラデューンのその掛け声と共に、ギュオオオン!という音が魔神弐號から発せられる。
その音と同時に激しく光る額から特大の光線が放たれる!
ドム!!
その強大な光線がアルフレッドの目の前に突き刺さり、またも大爆発が起こる。
「わあっ!?」
飛んで来た光線の爆発でアルフレッドはまたも危うく死にかける。
…つくづくヤバい状況に陥りやすい不幸な勇者である。
……いや、直撃で死んでないだけまだ幸せとも言えるのかもだが。
そんな勇者が危うく死にかける修羅場の状況に、ビクンとドロシーの身体も強張る。
「ドロシー!?」
この修羅場の中ではもちろんエドマンドも娘の様子をゆっくり見てやる事もできない。
「あっ…あいつハリボテじゃなかったのかーっ!!?」
爆発で飛んできたモノが頭にでも当たったのか、額から流血しつつ必死で逃げながらアルフレッドがラルシオンに問いかける。
「こっ…こんなはずじゃないのにぃ~!!!」
ラルシオンも爆発の影響からか、身体から焦げ臭い煙を飛ばしながらアルフレッド達と共に走りながら応える。
「うっしっしっ…まるでネズミだな」
そんな逃げ惑う者達を画面で見ながら嘲笑うデラデューン。
「どーした、ネズミ共!! 反撃する力もないのか!?」
制御球を駆使し、彼等を追いかけながら、煽るように叫ぶ。
『情けないのぉ!!』
魔神弐號から響くデラデューンの汚い声。
ゲラゲラという汚い嗤い声も一緒に響く。
その言葉に魔法使いのクララとティムが、ぴくっと反応する。
…確かに、この大きく硬い鉄の塊に対し攻撃が入るとしたら魔法しかない。
逃げるだけでなく反撃を…と同時に思ったらしい。
ザザン!と二人揃って立ち止まると、こちらにゆっくり近づいて来ている魔神弐號に顔を向ける。
二人同時に手を前に掲げると、その手がブン…と光を帯びる。
ティムの口から小さな声で発せられる文言を聞き、クララは瞬時にどの魔法をティムが放つつもりなのかを理解する。
その魔法を確実に、そして効果を最大限上げるために、クララも同じ魔法を放つつもりで魔力を込める。
「くらえ! タキオンストレート!!」
二人同時の魔法発動の呪文に、
ギュオオオオ!!
…と、二本の光の直線が、真っ直ぐ魔神弐號に向かう。
その輝く光の直線に、デラデューンの顔がピクリと反応する。
だが…
ドン!!
デラデューンが何かしらの対策を取る前に、魔法の光の攻撃が魔神弐號の正面に直撃する。
激しい光線の爆発と共に、その攻撃の勢いによる砂煙も高く巻き上がる。
「いいぞ!!」
「やったぁ♡ ティム、クララ!」
完全に魔法が魔神弐號に直撃した様子に、逃げることしか出来なかった皆が喜びの声を上げる。
ゴゴゴゴゴ…という地響きと砂煙を前に、勝利を確信したクララとティムは手を握り合い、
「やったぁ♡」
「ナーイスインパクト♡」
…と、二人仲良くお互いを褒め讃え合い、喜びに飛び跳ねる。
そんな風に、何とか勝利を手に出来たと笑顔で喜ぶ全員の上に…
『うっしっしっ♡』
砂煙の中から汚らしいデラデューンの嗤い声が響き、全員の笑顔が固まる。
『それが攻撃か?』
砂煙がシュウウウウ…と晴れてくると、そこには全くの無傷で立つ魔神弐號の姿が顕になる。
『効かんなぁ…』
魔神から聞こえるデラデューンの声は皆を馬鹿にした色が滲む。
「そ…そんな…」
「あれが効かないなんて…」
直撃したはずの魔法攻撃が全く効いてないという事実に、アルフレッド達は愕然とする。
「ふふふ…攻撃とはな…」
そんな絶望的な表情の彼等を見るデラデューンの顔は嗤いで歪んでいる。
『こうするものだ!!』
デラデューンのでかく響く声と共に魔神弐號の全身が
クワッ!!
…と激しく白く光り輝く。
「きゃあ!」
「うわっ!!」
その余りの眩しさに皆から思わず叫び声が上がる。
顔を背け、手をかざし、目をつぶっても網膜が焼けそうな程の輝きに、その場から動くことも出来ない。
さっきのタキオンストレートの光よりもっと強いその輝き…そこからいったいどれだけの威力の魔法が放たれるのか…。
想像すらできない今の状況に、どうすればいいのか…誰もが固まってしまっていた。
…が…
…その時……
※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。
よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m
新章・第11章1話目になります。
魔神弐號との対決!?なお話でしたw
次回は第11章2話目になります。よろしくお願いしますm(_ _)m
…先週は崩した体調が戻らず、更新できなくて申し訳ありませんでした。
今回も体調全然戻らず、更新間に合わないかも!?…とヤバい状況でしたが、何とかできましたorz
来週も一応更新予定ですが…ここからまた体調が悪化したら、またまたヤバいかもですorz その時はご容赦くださいませm(_ _)m
……できれば一気に毎日更新とかできるようになるといいなぁ…と夢想しているのですが、なかなか…orz
ではでは。
次回も無事更新できましたらまたお会いしましょう。
よろしくお願いしますm(_ _)m
あと…最後にお願いがw
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よろしくお願いいたしますm(_ _)m




