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10:邂逅、大冒険者 ①

大変長らくお待たせいたしましたm(_ _)m

新章・第10章1話目です。

「それは…あたしがまだ小さくて、母様と一緒にエルフの村にいた頃…」


 クララは懐かしい昔を思い出すようにゆっくりと目を伏せると、子どもの頃の話を静かに語り始めた。

 …たった今まで敵対し、殺すか殺されるかの激しい戦闘(やり取り)を繰り広げていた相手と、実は知り合いだったらしい…と発覚し、「どういう知り合いなのか?」と問われ、クララが嬉しそうに話し始めたのだ。


「この日…生まれて初めてあたしは愛を知ったの」


 ……いや、関係性を問われただけのハズなのだが、何故か壮大な愛の物語(ストーリー)が語られ始めたのだが…。





「おい!!」


 病いに寝込む母親のため、村の外れに自生する薬草を小さい手で必死に詰んでいた幼いクララに、苛立つような乱暴な声がかけられる。

 その声にクララが振り返ると、エルフの村の男子の集団が自分を囲うように立っていた。

 子供ではあるが、自分よりも年上のずっと大きな男の子達に囲まれて、クララはどうしていいかわからず、怯えた表情で彼等を見上げる事しか出来なかった。


「何でお前がこの村にいるんだ」

 集団のリーダーなのか、一番身体の大きな男の子が口火を切る。

 その問いに何と答えたらいいのかわからず、クララは黙って震えていた。

 その様子に余計に苛立ったのか、クララの小さな身体を別の男の子がドン!と乱暴に押す。

「あっ!」

 …と小さな声を上げ、その場に倒れるクララ。手にしていた薬草を入れた小さな籠も一緒に飛ばされ、必死に集めた大切な薬草も辺りに散らばる。


「そーだ!! お前の母ちゃん、人間に身体を売ったくせに!」

「出ていけ!!」

「そーだ! 出てけ!!」

 散らばった薬草を慌てて拾い上げようとするクララに対し、容赦なく酷い言葉を投げつける男の子達。

 …クララの周りを取り囲む男の子達は子供なのだが、クララにとってはとてつもなく大きな壁にすら思える恐怖であった。

「……」

 恐怖から…そして言い返す術もなく、何も言えなくて泣きそうになるクララ。


 …蛮勇で名を馳せるラルシオン族の村は、エルフの中でも比較的外に開かれた村である。

 冒険者になる者も多く、他人種との交流も一般的なエルフに比べるとかなり多い方である。

 ――それでも…

 村の住人は、人間との間に生まれたハーフエルフのクララに対しては、かなり冷ややかな 対応であった。

 人間と結婚し、ハーフエルフのクララを産んで、身体を壊して村に戻った母は、人間と通じたというコトで村の皆から白眼視されている。

 それでも彼女はこの村の出身である。

 親族も彼女を切り捨てる事は出来なかった。

 だが…人間とのハーフであるクララ自身は彼女の罪の証として存在している。

 だからなのか、クララはいない者のように村の大人達に無視されていた。

 …そんな大人達のやり方を子供達も見ているのだ。

 だから大人達と同じように…むしろより露骨に、クララの事を虐めるのである。

 …それがわかっているので、クララは何も言えないのだ。


「やめなさい!!」


 突然、男の子達の後ろから大きな声が響き、彼等の罵る声が止まる。


「何やってんの、あんた達!!」


 怖い顔でびっ!と指さして注意するのは、村の次期族長と言われてるラルシオンだった。


「たった一人に寄ってたかって……!!」

 ラルシオンはかなり怒りをあらわに声をあげる。

 …正義感溢れるラルシオンには、小さい子を虐める様子はどうしても許せなかった。

 そもそも、直接虐めてはいなくても、明らさまに無視するような大人達の態度も不快に思っていたのだ。


「ラ…ラルシオン様………」

 クララは目の前に現れた、この村の中でもかなりの上位者であるラルシオンが、まさか自分を庇ってくれるとは思いもしなかった。

 唖然と目を見開き、ただ彼女の名前をつぶやくことしかできなかった。


「やべぇぞ」

「族長の娘だ…」

「次期族長の…」

 強気でクララをいたぶっていた男の子達が顔色を変えひそひそとささやきあう。


「あのおっかない(・・・・・)ラルシオン様だ」


 …男の子達のその言葉に、ぴくっと反応するラルシオン。


 クララに対する虐めもさることながら、その、自分に対する評価の言葉にも怒りが増す。

 この、優しくも麗しい私が、「おっかない」ですって!?…と。


 恐ろしい怒りのオーラを身にまとい、ゲシゲシ!としつけという名の制裁を男子達に食らわせて、

「二度とするんじゃないよ!! 悪ガキ共!」

 と、怒鳴る。

「わーん!」

「ラルシオン様がなぐったぁー!」

 …と泣きながら、だーっ!!っと逃げ帰る男の子達。

 ……確かに、「おっかない」と言える姿である。


 その様子を唖然と見送っていたクララは、はっと気付く。


 次期族長であるラルシオンが、村中から居ない者と扱われている自分を庇ってくれたという事実。

 あからさまに虐められていても誰も見ないふりしかしなかったのに…ハッキリと『そんな事二度とするな』と宣言してくれた事。

 …比較的自由度が高く緩い規範しかないようなラルシオン族の村だが、それでも、上位者の言葉には重みがある。

 次期族長のラルシオンがそう言ったという事は、心情はともかく、表立ってクララを排除する行為はしてはならないと上から命じられたも同然なのだという事に、幼いクララも気が付いたのだ。


 その、あまりにも自分に対して優しくて救われる事実に、どうしていいかわからず、クララは慌てて頭を下げることしか出来なかった。

「あ…あの、ありがとう…ラルシオン様」

 何よりも…自分にはどうにも出来ない理不尽な事に、自分の代わりに怒ってくれたラルシオンに心からお礼を言う。


「いーのよ、これくらい」

 クララのお礼の言葉に、怒ってた顔が即笑顔に変わり、ウインクまでするラルシオン。

「悪いのはあの子達なんだから」

 キッパリと言い切るラルシオンのその言葉が、クララには泣きたくなるほど嬉しいものだった。


「……それからね」

 すっ…と、ラルシオンは優しい表情でクララに近づき、その頭をそっと撫でる。

「お母さんの事、絶対気にしちゃダメだよ。間違った事なんか何もしてないんだからね」

 ラルシオンの言葉にクララは目を丸くする。


 …村中から、人間と通じた事をエルフとして間違っていると散々突き上げられた母。

 白い目で見られ、身体だけでなく心も病んでしまった母の姿を間近で見ていて…自分自身もその間違いの結果として周囲から蔑まれ続けていた事が『間違いではない』と言い切るラルシオンの言葉に天地がひっくり返る程の驚きだったのだ。


「お父さんとお母さんが愛し合ったからこそ…クララは生まれたんだから!」

「あ…愛?」

 ラルシオンの言う『愛』というモノは、クララにはまだわからない感情だった。

 だが…少なくとも『愛』は、間違いだと言われるモノでさえ覆すものなのか…と、幼いクララはなんとなく理解した。

 ……実際、まだ若いラルシオンも『愛』が何たるかを心から理解しているワケではない。

 何だか愛を語れる私、お姉さんっぽくない?レベルの格好つけしいなだけである。

 お互いに何となくわかったような気がしているだけ…そんな底の浅い『愛』の話。


「そうよ♡ あ…それとね」

 満足気に頷くと、ラルシオンはすっ…とクララの顔に自らの顔を近づける。

 おでことおでこがくっつく程の距離に。

「あたしの事、『様』なんていらないのよ。お姉さんだと思ってね♡」

「ラル姉様…」

 目の前…ラルシオンの顔がいっぱいに。

 まるで花々が舞い散るような輝くようなその笑顔。

『愛』なんて分からない。でも…この笑顔以外、他の何も目に入らない。

 愛しくて切なくて…この人以外何もいらない…初めてそんな想いが心の底から湧き上がる。


 …そう、これが…


「これが…あたしの初恋だったの♡」


 クララは手を組んでほうっ…と熱い溜息をつくと、美しい思い出に浸るように、かつての二人の愛の軌跡を語る。


「やめんか!」

 一方ラルシオンはかなり加工された思い出に、思わずツッコまずにはいられない。

 思い出シーンに花なんかとばして!とあまりにもキラキラ加工された過去の話に、そんな感じではなかったはずだと一生懸命言い募る。

 …しかし……

「し…知らなかった。ラルちゃんにそんな過去があったなんて…」

 いーけないんだ、いけないんだ♡…と耳年魔ティムが、怪しい女同士の愛を囃し立てる。

「違う!」

 こーの耳年魔!! とラルシオンはティムに突っ込むが、

「やだもぉ、ラル姉様ったらてれちゃって♡」

 …とクララがラルシオンにしなだれかかりながら女同士の愛を肯定する。

 ……かなりカオスな状況である。


「つまり…」

 その二人の、どうでもいい愛の軌跡の思い出話を聞いたアリスが、疲れ切ったような声で、

「そーいうわけでクララ(あんた)はお姉様タイプに弱いレズになったわけね」

 …と、しかめっ面で容赦なくツッコむ。

「そーなの♡」

 ニコニコしながらさらにべったりとラルシオンにくっつきつつ「ラル姉様の愛のおかげ♡」と言い切るクララ。

「だから違うってば!!」

 …くっつかれてる方のラルシオンは慌てて否定する。

 実際本人的には愛を込めてクララを導いた記憶は皆無なのだから。「あたしゃノーマルだーっ」と叫んではいる…のだが。しかし…どうやら誰もそれを信じてくれない空気だ。


「でっ…でも…」

 そんな、和気藹々なキャビキャビ(死語)した空気の中、不満そうな声が上がる。


「「そいつら敵だぞ!!」「よ」」


 語尾だけ違う同じ言葉が、アルフレッドとギルの二人から発せられる。

 アルフレッドはその語尾の違和感に、その言葉を発したギルの方に向くと…

「ね?」

 …と可愛らしく同意を求める変な人形がそこに…


「わーっ!!? おっ…お前、何者だぁ!? さっ…さっきの男は!?」

※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。

よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m


挿絵(By みてみん)


2026年・初投稿ですw おめでとうございます。

今年もよろしくお願いしますm(_ _)m


…大変長らくお待たせいたしました。

新章・第10章1話目になります。

…コミケも終わりましたので、やっと投稿出来ましたw

いよいよ2パーティの邂逅が…!?

…というか、過去のお話で今回終わってしまいましたが(^_^;)

次回は第10章2話目になります。よろしくお願いしますm(_ _)m


コミケ終了後に体調ガタガタに崩してしまいまして…orz

なかなか文章の方もまとめられず、今回も変なところで「続く」になってしまいましたが。

…次は何とかもう少しまとめられるよう頑張りますです。

……できれば一気に毎日更新とかできるようになるといいのですが…orz


ではでは。

次回も更新できましたらまたお会いしましょう。

よろしくお願いしますm(_ _)m



あと…最後にお願いがw


このお話を見て、もしよかったと思って頂けましたら、ぜひ、下にあります『評価(☆☆☆☆☆)』ボタンを押してやってくださいませm(_ _)m

リアクションマークもぜひw 感想もお待ちしております♪

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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原作マンガ、電子等で読めますw
「熱血!大冒険大陸」
DMM版kindle版、他、お好きなプラットホームでぜひ♪
とりあえず、どんなのか見るだけでも…という方は、 帰ってきたマンガ図書館Zで見れますw
あと、続編的なというかスピンオフ的なというかそんな同人誌も出してます。
同人イベントか、電子で良かったら見てやってくださいませm(_ _)m
…詳細情報はHPよりもTwitter(X)の方が早いのでw、ぜひそちらものぞきに来てくださいませ♪
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