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07:決戦!大冒険平原!!! ③

第7章3話目・最終話です。

ラルシオンパーティのお話です。

 逃げ惑うラルシオンに向けて、ムクロマンドは剣を振るう。

 ブワッ!…!とムクロマンドの剣からの風圧がラルシオンを襲う。


「あう!」

 ドッ!…とその風の強さに足を取られ、その場に倒れるラルシオン。離れた所からの攻撃なのに、風圧の勢いは全く弱まらない。

 だが、剣で直接切りつけるワケではないその攻撃は、ラルシオンの命を確実に奪うようなものではない。


 …どう見ても、二人の実力には乖離がある。ムクロマンドの方が圧倒的に強いはずなのだが…本気で攻撃しているようには見えない。

 実際、ムクロマンドが本気で戦えば、ラルシオンとの実力差ならあっという間に勝負はつくだろう。ラルシオンなんか、簡単にあの世行きだ。

 それなのに、ムクロマンドはラルシオンに対しそのようなぬるい攻撃しかしていない。

 傭兵としては、本来そのような戦い方はしないハズである。

 それはからかって楽しんでいる…というよりは、本気で攻撃できない…そんな様子にも感じられる。


「悲しいぞ…何故、私の愛を受け入れぬ…?」


 その場から何とか立ち上がろうとするラルシオンの前に、ムクロマンドは悲し気な表情で佇む。

 倒れているラルシオンに止めを刺す様子もない。やはり本気の攻撃をする気がないのか?


 そして…何かを決意するかのように剣を握る手に力が入る。きらりとその剣先が光る。


「かくなる上は死んであの世で…」

 先に涅槃でまってるぞ…とどこかで聞いた事のあるような言葉と共に涙を流すムクロマンドに


「だからあんた元々死んでるでしょっ!!?」

 …と、ツッコミを止められないラルシオン。


 しかし…やはり脳味噌が腐っているのか、ラルシオンのツッコミは耳に入っていないようだ。

「何ィ?」

 と、ラルシオンの目の前にその腐った顔を寄せてもう一度その言葉を聞こうとする。

 そのあまりの恐ろしい顔アップに思わず

「きゃーっきゃーっ」

 と恐怖の叫び声をラルシオンは上げる。


「いーかげんにしろ」


 ムクロマンドの背後からドスの効いた声と共に、め゛り゛ッといい音がする。

 …ムクロマンドの顔がかなり力強くギルの足の下、地面にめり込んでいる。

「な…っ。 貴様! 何をする!」

 何とかめり込む地面から顔を上げ、ムクロマンドは声を荒げる。

 その腐った顔にはしっかりとギルの足跡が付いているのだが。


「やかましいッ!!!」


 だが、その足跡の原因であるギルは、抗議の声を上げるムクロマンドよりも荒々しい声を上げる。


「さっきから聞いてりゃ愛だの恋だの!! そんなトロい事言ってる暇があんなら戦えッ!!!」

 …その顔色は何故か赤い。怒りに赤くなっている…というよりは…


「なに赤面してんのよ×」


 そう、照れて赤くなっているとしか思えない様子。思わずラルシオンもギルの方にもツッコミを入れてしまうほどに。


「貴様!! 愛を愚弄するか!!?」

 …だが、色ボケ骸骨王ムクロマンドは、その言葉の内容にこそ怒る。

「ならばこの愛の戦士ムクロマンドが許さんッ!!!」

 ドン!っと勢いをつけ、ギルに向かい突進してくる。

「しゃらくせぇ!!」

 しかしギルも負けてない。

 向かってくるムクロマンドの正面に立ち剣を構えると…


「必殺剣!! ソニックストライク!!!」


 思いっきり剣を薙ぎ払う。

 ゴオオオァ!という轟音と共に衝撃波がムクロマンドに向かう。

 その波動は音速を超え、真空破となり、ムクロマンドにダイレクトにぶつかる!


「ぐはあッ!? い…いきなりーっ!?」


 ビシィッ!!…と衝撃波とぶつかり、そのままふっ飛ばされるムクロマンド。

 腐り乾いた身体はあまりにも軽いのか…そのまま勢いに押され、宙に舞う。


「見事だ!! この私に一撃を与えるとは…! 貴様こそ私が永い間探し求めていた生涯の……」

 ライバルゥゥゥ………


 …という言葉は最後まで発するコトも出来ず、ムクロマンドの身体と共に遠く消えて行く…。

 そして…彼はキラッと光る星になった…。


「バカヤロウ。勝手にライバルにするんじゃねェ!!!」

 五億年早いぜ!と悪態をつきながら剣を肩に担ぐ。


「ギル…」

 だが、そのあきれた様子のギルに、ラルシオンも疲れたように声をかける。

「…しつこいわよ、アイツわ…×」

 …その言葉はまさに、こちらの言う事など全く聞かず、しつこく追いかけられて疲弊しきったラルシオンの心のこもった感想である。

 その心の疲れを表しているのか…ゴオオオオ…という風の様な音も聞こえてくる。

 …が…その音はどんどん大きくなり…


『うーっしっしっし♡ …そしてこのワシもな!!!』


 突然…その風の音の中、響くようにでかいダミ声が頭の上から降ってくる。

「な…なに!? 今の声!!!」

「空から聞こえたぞ!?」

 慌てて周囲を見回すラルシオンとギルだが…どこから聞こえているのか発生源がわからない。

「…ティム?」

 ふ…と、見回したところにいたティムに目が留まる。

 一発大きな魔法を放った後、戦闘に巻き込まれない様、端の方に避難していたティムは…何故か高い上の方に顔を向け、目は点に、口はぱかーっと開け固まっている。

 ティムのその目線の先をラルシオンとギルも見上げる…と…全く同じ表情で、目は点、大口を開け…そう、まるで人形ギルと全く同じ顔で三人とも固まってしまった。


 その固まった三人の目の前に現れたのは……


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…という地響きを上げ、巨大な鉄の鎧のような塊がそびえたっている!!!


 フルアーマーの騎士のような形状をしているのだが、あまりにも巨大で…まるで山のように見上げなければならない大きさに、とても人間とは思えない。

 なのに…その巨大な鉄の塊からは、聞きなれた笑い声が聞こえてくるのだ。

『うーっしっしっしっし♡ 今度こそ貴様等の息の根止めてくれるわ!!!』

 そう…この声は、あの魔法ジジィ(デラデューン)のモノ!?

 …だが、ヤツの姿は見えない。もしや、この巨大鎧がデラデューンなのか!?

 ラルシオン達がアホのように固まったまま混乱した頭で考えている馬鹿な考えを笑うように、巨大な鎧が吠える。


『この古代鉄甲文明の落とし子…魔神壱號でな!!』


 …その巨大な鉄の鎧…魔神壱號と呼ぶその古代鉄甲文明の塊の中に、デラデューンはいた。

 スポンサーが提供してくれたこの魔神壱號(おもちゃ)は、デラデューンをことのほかハイテンションにさせた。

 このような現代にはない、優れた文明・技術の結晶に、デラデューンの研究心はものすごくくすぐられるのだ。


「ギ…ギル!! あんた何とかしなさいよ!!」

「バカ言え! あんなデカ物、相手できるか!!!」


 やっとフリーズから復活し、慌てて騒いでいる三人の姿も、デラデューンのいる『コクピット』と言われる席にある異様に綺麗な硝子板の様な画面にしっかり写っている。もちろん騒がしい外の声も全て拾っている。…どういう機能なのかはまだ全く解明できていないが、その様子にデラデューンは非常に満足気に嗤う。


「フッ…うろたえるがいい…ネズミ共!!」


 …気分はすっかり悪役のソレである。

 太い指をゆっくりと、攻撃技を発動すると教えられたボタンに伸ばす。


「さぁ魔神よ!! お前の力、見せてやれ!!」


 ビッビッビーッ


 ……が、そのボタンを押す前に、突然耳障りな警告音がそのコクピットの中に響く。

 何事か!?…とデラデューンが顔をしかめると、先程まで逃げ惑う三人の姿を映していた目の前の画面が真っ暗になり…


【WARNNING- 精神エネルギー不足。.これ以上の稼働不可能。.全機能を停止。 要再チェック。 -OVER】


 …と、古代文字で表示される。

 伊達に年を取ってはいないデラデューンには、古代文字もしっかり解読することができる。

 …そう、つまり、せっかくここまで来てこれから攻撃を…というところでこの魔神壱號は機能を停止してしまったのだ!…そう理解したデラデューンは…先程の魔神壱號を見て固まった三人組と全く同じように…いやむしろもっとひどい表情でフリーズしてしまった。


 ジジィ(デラデューン)も固まったが、その前にエネルギー不足で完全に固まったように止まった魔神壱號を見上げ、とりあえず物陰に隠れて様子を見ていた見ていた三人も不審に思い顔をしかめる。


「…何かヘンだぞ? 仕掛けてこねェじゃねーか×」訝し気につぶやくギル。

「もしかして…?」止まっちゃったの?と不思議そうに首をかしげるティム。

 そして…

「試してみるわ!」

 …と、ぐっと拳を握ると、隠れていた物陰から身体を起こすラルシオン。

 もしかすると、油断を誘うために動きを止めたのかもしれない。

 目の前に出ていけば、また動き出し、今度こそ攻撃してくるかもしれない。

 …そんな恐れを抱きつつ、それでも現状を打破するためにラルシオンは決意を込め、ゆっくりと魔神壱號に近づく。


 とっことことことことこ…と、魔神壱號の足元にまで向かう。

 魔神は全く動く気配はない。

 それで少し安心したラルシオンは、その足元に立つと、思いっきり廻し蹴りを喰らわせる。

 けいんっ!…と鉄が響く音と共に…ぐらっと鉄の塊がゆっくりと倒れていき…


 ズドドオオオオオン!!!


 …と砂煙と共に轟音を鳴らし、その場にひっくり返る。

 その衝撃で、何かのスイッチでも入ってしまったのだろうか…ドドドドドドド!!という地響きをさせながら、魔神は突然空高く吹っ飛ぶ様な勢いで消えていく。

 うああああーっ!!!…というデラデューンの汚い悲鳴と共に。

 先程のムクロマンドと同様、きらりと星になっていった魔神とデラデューンを

「うっわー!? 待ってくださぁい!! デラデューンさまぁぁーっ!!」

 と悲惨な叫び声をあげながら自身の怪我などものともせず必死に追いかけて、遠くに消えた主と同様、消えて行くイブナート。


「う…うそ…」

 綺麗に蹴り上げたポーズのまま硬直した状態のラルシオンの口から出た言葉は…風と轟音の中に消えて行った…。



「な…なんか色々あったけど…とにかく村に急がなきゃ!!」」

 気を取り直したようにラルシオンが大きな声を上げる。

 そう、ドタバタしていたから忘れていたが、デラデューン達だけではない、まだ手下が残ってるはずなのだ。


 その言葉に、ギルとティムも急いで村に行かなきゃ…と動き始める。

 …が…


「あれ? ギルちゃん鳥笛は?」


 ギルの首にぶら下がっていた鳥笛がない事にティムが気付き、ギルに問いかける。

「さっきの戦闘で落としちまった…。そこらにあると思うが…」

 ギルもうっかり忘れていたことを指摘され、そこら辺をきょろきょろと確認する。

「バカッ!! 何であんたはいつもそーなのよっ!!」と文句言いつつ、ラルシオンも周囲を見渡す。

「悪かったな…」と適当に謝りつつギルも探している。


「あ♡ あったよぉ!!」

 そんな二人からちょっと離れた所まで探しに来ていたティムが、草木の根元に転がる鳥笛を見つけ、声を上げる。


 ……が…


 ティムが鳥笛に近づく前に、すっ…と誰かの手が伸びてきて…

「え?」

 ガシっと鳥笛をつかむと、踵を返すようにザザッと森の中に消えていく。

「ちょっ…ちょっと!!」

 ティムの声にも全く振り向かずに…。


「ラルちゃん大変よ!! 鳥笛が――!!」

「――!?」


 ティムの叫び声にラルシオンとギルも顔を向ける。

 走り去っていく足音に愕然とする。


 ――まさか…他にも鳥笛を狙う伏兵が隠れてた…!?

 その驚愕の事実に、3人に戦慄が走る――!!

※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。

よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m


挿絵(By みてみん)


第7章3話目です。最終話の更新になります!

ラルシオンパーティのお話でした。

…長くなったので、3回分に分けました。

次回は第8章に入ります。一応来週更新予定ですw ぜひご覧くださいませm(_ _)m


漫画の方の原稿もやってますので、そちらの〆切に近くなると今後更新が滞るかもしれません。

申し訳ありませんが、ご了承いただければ幸いです。


同人誌イベントにも参加してます。

参加確定のイベントは…


11/9(日)ぷにケット52・プリステ44R・ウマ06「茶々組&初心の会」で参加です!


参加される方は良かったらぜひ、のぞきに来てくださいませm(_ _)m

ウマ娘の新刊だけでなく、大冒険の新刊とか直筆色紙とかもいろいろ持っていく予定ですので♪


あと、参加予定なのは…


12/30・31(火・水)冬コミ107「茶々組」「初心の会」「DAMe project」で申込済


…です。当選したら…ですがw

こちらもよろしくです♪…受かれば、ですが(^_^;)


ではでは。

次回無事更新できましたらまたお会いしましょう。

よろしくお願いしますm(_ _)m

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原作マンガ、電子等で読めますw
「熱血!大冒険大陸」
DMM版kindle版、他、お好きなプラットホームでぜひ♪
とりあえず、どんなのか見るだけでも…という方は、 帰ってきたマンガ図書館Zで見れますw
あと、続編的なというかスピンオフ的なというかそんな同人誌も出してます。
同人イベントか、電子で良かったら見てやってくださいませm(_ _)m
…詳細情報はHPよりもTwitter(X)の方が早いのでw、ぜひそちらものぞきに来てくださいませ♪
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