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04:謎の神殿…救出大作戦! ①

お待たせしましたw

新章スタートです。

アルフレッドパーティVerです。

「うおおおお!!!」

 ズバッ!!!


 彷徨と共にバーバラの剣が閃光のようにきらめき、目の前の怪物(モンスター)達を次々と屠っていく。


「やったぁ!バーバラ♡」

 後ろから見ているクララはご機嫌ではしゃいでいる。

「すごーい♡一撃じゃん♡」

 クララが声をかけている間にも、目の前の怪物(モンスター)をどんどん叩きのめしていくバーバラ。


「………それにしても」

 怪物(モンスター)達を片付けていくバーバラの姿を横目に、アルフレッドは周囲を見回しつぶやく。


「この神殿…完全に廃墟だな…。今にも崩れそうだし…」


 ひび割れだらけの壁や柱。長年人が出入りした形跡もない埃とカビ臭さ。所々に転がる何かの骨。既にめぼしいモノは盗まれた後なのだろう、がらんとした空間に残っているのは壊れたり崩れたりした価値のなさそうな瓦礫ぐらいだ。


 そんな風にアルフレッドが周囲を見渡しているうちに、バーバラはそこらにたむろっていた怪物(モンスター)達を一掃しつくして…くるっとおもむろにこちらの方を向き、


「…んなこたぁどーでもいい」


 キッ!!っときつい目線でアルフレッドをにらみつける。


「な…何だ?」

「何だじゃない!! 何なんだこれは! ちっとも()った気しないぞ!! こーんな弱っちい奴ばっかじゃ面白くないじゃないか!」


 珍しく、怒涛の勢いで文句を言い募るバーバラに、アルフレッドは慌てて応える。


「お…落ち着けよ、バーバラ…。そう慌てるな」

 興奮しきりのバーバラを、まぁまぁとなだめる。

「まだ先は長いし…最後の敵はきっと強敵だぞ!」

 …と、いい加減な未来予想で。

「本当だな! よぉーし!!」

 適当なアルフレッドの言葉に納得したのか、ずんずんずん…と怒りの勢いのまま先に進むバーバラ。

 その後ろ姿を見つつ、ほーっ…と脱力のアルフレッドと、「バーバラ、はりきってるぅ」とにこにこしながら同じ後ろ姿を見ているクララ。


「私が…悪かったんです…」

 …そんな前衛の姿も目に入らないのか、後ろをついてくるエドマンドは青ざめた顔でぶつぶつとつぶやく。

「こんな所にこなければドロシーは…」

「大丈夫ですよ。バロンさん」

 同じく後衛にいるアリスが、憔悴しきっているエドマンドを慰めながら前衛に続き歩を進める。


「――でも」


 ふ…と、気が付いたように言葉を続けるアリス。


「ドロシーちゃんを誘拐したのはゴブリン集団で…バロンさんの持ってる宝石を引替えにするって…?」

「――はい」

 アリスの問いに小さく応えるエドマンド。

 確かに、バーバラが殲滅していった怪物(モンスター)達は、ゴブリンの集団であった。


「――けど、おかしいのよね」

 アリスが眉をひそめながらつぶやく。

「ゴブリン如きにそんな知恵あるのかしら…」


 確かに…ゴブリンが集団でたむろするには、神殿はあまりにもそぐわない。


 すっ…とアリスが前を歩くアルフレッドに近づくと

「――ね アルフ」

 …と、こそっと小さい声で囁く。

「?」

「やっぱりやめた方がいいわよ。…何かあやしいし」

「え?」

 アリスの言葉にアルフレッドは目をみはる。


「そんな…! 可哀相じゃないか。ドロシーがどんな目にあってるか…」

「…アルフ」


 エドマンドに気を遣った小声を無駄にする大きなアルフレッドの反応に、アリスの眉はますますひそめられる。


「あんた、そんな事ばっか言ってるからいつも余計な苦労を背負い込むのよ!!」


 …そして、もう気遣いはどこへやら、アリスの声も大きくなる。


「――で…でも…」

「それにね…はっきり言ってこれ、タダ働きよ!タダ働き!!」

「…アリス」


 ひときわ大きな声で断言するアリスのセリフに、アルフレッドの眉もひそめられる。


「お前…それで反対してんだな」

「何言ってんの!そんなの当然じゃない!!」

 キッパリ言い切るアリスの言葉に、アルフレッドは脱力気味だ。


「だいたいね!アタシがタダ働きが死ぬ程嫌いな事、アルフだって知ってるでしょ!」

「しー。静かに!…聞こえるぞ」

 どんどんでかくなっていくアリスの声に、今更ながら慌てて声を潜めようとするアルフレッド。


「ああ――こんな所に来なければ…」


 …だが、そんな大声のやり取りも耳に入っていない程憔悴しきったエドマンドは、後悔の言葉をずっとつぶやいている。


「…いくら…すごい宝石があるとしても…」

「――え?」


 エドマンドのつぶやく言葉に、アルフレッドと言い争いをしていたアリスが反応する。


「ほっ…宝石って!?」

「あ…」

 勢い込むアリスの問いに、やっと意識がこちらに向いたように声を上げるエドマンド。


「この神殿は…失われた古代文明の遺跡の一つで――」

 ゆっくりとこの場所…廃墟と化した神殿のことを語る。


「ここにかなり高価な宝石があると聞いて来たんです…」


 このような廃墟に、どのように隠されているのか。

 真偽のほどは確かではないが、そのような情報を得て、この場に来たらしい。


「『高価な』ですってぇ♡」

「こら」

 そんな儲け話に目をハートに輝かせ声を弾ませるアリスと、それをいさめるアルフレッド。


「――しかし」


 …だが、そんな二人の様子はエドマンドの目には映っていないように、また青い顔をしてぶつぶつとつぶやき始める。


「そんな物が手に入ったって…ドロシーが死んでしまっては私は……」

 そして、目の前にいるアルフレッドにすがるように目を向ける。


「お願いです!娘を助けてください!!」

 その声は表情と同じ、悲壮感漂う様子である。

「できるだけのお礼はします! ですから娘を――」

「何言ってるんです! バロンさん!!」

 そのエドマンドの悲壮な言葉を、力強くアリスが止める。


「人助けは当然の事ですわ!! お礼なんて気にしないで!ドロシーちゃんは必ず助けます!」


 …いっそすがすがしい程の掌返しのセリフに、横で聞いているアルフレッドの顔が胡散臭いモノを見るようにゆがんでいる。


「ありがとうございます!さすがは勇者様達だ!」

「まあ♡ 人として当然の事ですわ」


 ホホホ♡…とにこやかに対応するアリスに、

「アリス…お前って…」…とあきれるようにつぶやくことしか出来ない勇者様。


「あーっ!! またゴブリンだよぉ!」

「何!?」

 前を見ていたクララが大きな声を上げる。

 その声に振り向くと、目の前の曲がり角をまた数匹のゴブリン達がやってくるのが見える。


「よーし任せろ!!」


 ダッ!!!…と何の躊躇もなくバーバラが飛び出していく。


「さあ来い ゲス共!!!」

 …と剣を握りゴブリンの集団に突っ込んでいくバーバラは、とても楽しそうな勢いだ。

「お…落ち着けってば! (トラップ)があったらどーすんだ!!」

 と、注意を促すアルフレッドの声は、多分全く耳に入っていない、


「――でも…やっぱり変なのよね」


 慌てるアルフレッドの横で、アリスがまたも不審そうに眉をひそめる。


「ここまで罠らしき物が何一つないし…敵もザコばっかだし」


 …そう、アルフレッドの言う通り、このような場所なら、何かしらの罠があってしかるべきだし、もっと強い相手が出てきても不思議ではない。

 なのに、ここまでに全くと言っていい程、罠の様なモノに巡り合うコトはなく、大量に出てくるのは勇者パーティが戦うには雑魚と言っても過言ではない弱い怪物(ゴブリン)達なのだ。


「オラオラオラ死にやがれ!」

「どーした痛いかそーか♡わーっはっはっはーっ♡」


 …廃墟の中、楽しそうなバーバラの声が大きく響く。

 ゲシゲシゲシ!…と片っ端から叩きのめされていく音と、ぴーぴーと泣き叫ぶ怪物(ゴブリン)達の悲痛な鳴き声も響いている。


 …そんな殺伐とした空気の中…


「あっ!?」

 ぴくん!と長い耳を揺らし、クララが唐突に声を上げる。

 その長い耳は…あーん…というとても小さな子供の声を辛うじて拾っていた。


「これ…ドロシーちゃんの…声!?」

「え!?」

 クララは耳に手をあて、遠くから聞こえる小さな声を聞き洩らさない様に周囲を見回す。


「どっちだ!?」

「え…えと………あっ…、あっち!!」

 勢い込むアルフレッド達にせかされ、必死に周囲をさぐり指さした方向には…

「あの扉!」

 古くて重たそうな扉が遠くにあった。


「ド…ドロシー!!」

 ダッ!!…と、周囲を警戒することなく前へ飛び出すエドマンド。

「バロンさん!駄目ですよ!!」

 それを慌てて止めるアルフレッド。

「落ち着いて!罠があるかも知れません!」

「しっ…しかしドロシーが…」

 止めるアルフレッドとそれでも前に行こうとするエドマンド。

 二人のやり取りを聞いているのか否か…

「…く…くく…」

 怪しい笑みを口元を浮かべたバーバラが…


「はーっはっはっは!!」

 哄笑と共に走りだす。

「強い奴ぁそこかぁーッ!!!」

 ゲシッ!…といういい音でアルフレッドを踏みつけながら…そのアルフレッドがさっき言ってた「最後の敵はきっと強敵」という言葉を信じ切って…。

 言った本人は完全に床と同化している。

「…大丈夫?アルフ」

 一応心配の声をかけるアリスに、ピクピクと体を震わすことでしか反応できない状況である。


 …そんなやりとりを置いてけぼりにして…


 バタン!!


 …と、大きな重い扉を勢いよくバーバラは開けて、その部屋に飛び込む。

 同時に…


 ドカッ!!

 バキャ!!

 …という破壊音と共に、

「ぎゃああああ!!!」

 という悲鳴も聞こえる。


「バーバラ!?」

 その悲鳴が誰のものなのか…まさかバーバラの!? …と皆が慌てる。

 先程の踏みつけられた痛みなど忘れ、慌ててバーバラと同じように扉の向こうに飛び込むアルフレッドと仲間達。


「大丈夫か!?」

 バン!!…と開きかけの扉を思いっきり押し開け、全員で中に入る。

 足元には瓦礫と血溜りが。それと刻まれた肉片とカビ臭さと血生臭さが同居する部屋に――


「ド…ドロシー!!」


 エドマンドの悲痛な叫びに、

「お父ちゃま!!」

 …と、幼い声が応える。

 部屋の最奥に荒縄で縛られているドロシーと、この部屋にいたゴブリン達を完全に殲滅し終わり、剣を振り、ついた血糊を飛ばすバーバラだけがいた。


「良かった…!無事だったんだな!」

「お父ちゃまぁ~」


 心から安堵した声で、縄をほどいたドロシーを抱きしめるエドマンド。


「良かったですね。ホント無事で」

「ありがとうございます」

 アルフレッドの心からの安堵の言葉にエドマンドも嬉しそうに返す。


 その後ろでは、

「さっきの悲鳴、バーバラじゃなかったのね」

「ゴブリンさんのみたいだったね」

 …というアリスとクララの会話が、安堵のため息と共に繰り広げられていた。


「皆さんのおかげで…」

「そんなこたぁどーでもいい!!」

 エドマンドの感謝の言葉を遮り、バーバラが怒りを含めた表情で断ずる。


「これのどこが強敵だ!? 強い奴ぁどこにいるんだ!」

「さ…さぁ」

 アルフレッドの適当な言葉を信じて突き進んだバーバラには、この程度の相手ではとても満足出来ない。


「あーちくしょおー! このやり場のない怒りをどこにぶつけりゃいいんだぁ!!」

 …と、怒りを込めてゲシゲシとアルフレッドを叩きまくっている。

「ひー× 俺にぶつけるなよぉ~」

 …というアルフレッドの情けない声は完全無視で。


「でも…確かに変なのよねぇ」

 そんなバーバラの理不尽な暴力をアリスも完全無視しつつ、思案気につぶやく。


「こいつら完全にザコだもん。…こんな奴らに誘拐なんて考えつくかしら?」

「うん…そうだな」

 げしげしと殴られ続けながらもアルフレッドはアリスの疑問に律儀に応える。


「あのね…お父ちゃま」

 父親に抱き上げられやっと安心したのか、今までぐずっていたドロシーがやっと泣き止んで小さな声を出す。


「後からね、もっと怖い人が来るって言ってたよ」


 ドロシーの言葉に、この場の全員の動きが止まる。

 まさに処理落ちである。


「怖い人!?」

 そして、処理落ちから復活した途端、全員がドロシーに勢いよく問う。

「う…うん」

 周囲の勢いに、少し狼狽えながらもドロシーは応える。

「お父さちゃま来るのきっと遅くなるから…それまでに偉い人が来て罠をはるのって…」


 その言葉に、再び全員の動きが止まる。


「確かに…あそこでアルフさん達に会わなきゃ、街へ戻って人を雇うつもりでしたし…」

 私一人じゃとても…と、エドマンドが、あの時砂漠でアルフレッド達と会った時の事を思い出したようにつぶやく。


「なる程…俺達が早く来すぎたんだな。だから罠もないし、ザコだらけなんだ!」

「――てことはボスがもう近くに来てるの!? 大変!早く逃げなきゃ!!」

 せっかく楽にここまで来たのだ。さっさとこの場を去った方がいいに決まっている。

 だが…


「何言ってる! 強い奴が来るってーのにどーして逃げる!! 私は()るぞ!!」


 …バーバラだけは、消化不良なバトルで終わらせるつもりはないらしい。


「…あんたねぇ」 

 鼻息荒いバーバラに、負けないくらいの大きなため息でアリスがツッコむ。


「どーしてそうわざわざ苦労する方選ぶのよ! 戦いよりまず命でしょーが!!」

「いーや殺戮だ!!!」

 …だが、バーバラも負けてない。

 二人の間に火花が散る勢いで睨み合っている。


「あ…あのね」

 険悪な空気に不安になったのか、ドロシーが慌てて言葉を挟む。


「宝石もね、この奥にあるから取りに行かせるって」

「え?」


『宝石』という言葉に、アリスの動きが止まる。


「ほっ…本当!!?」

「う…うん」

 …そして、先程同様、ものすごい勢いでドロシーに迫るアリス。

 その勢いにまた引きつつもちゃんと応えるドロシー。


「悪い人には取れないからって…」

「へ?」


 …そのドロシーの言葉は意味不明ではあるが。


「奥ってあっちの扉ね! よーし♡」


 …だが、アリスはその意味の解らない言葉は全く気にしていない。

 ドロシーが縛られ転がされていた場所の、さらに奥の壁にある怪しい古い小さい扉に向かい、何の躊躇もなく開けようとしている。


「ア…アリス!早く逃げなきゃ敵が…」

 アルフレッドの言葉も、全くお構い無しに。

「…まさか行く気?」

「とーぜん!!」

 控え目に問うアルフレッドの言葉に力強く返答するアリス。

 先程とは真逆の勢いにアルフレッドは目が点になる。


「何言ってんのここまで来て! 命より金よ!!」

「………」

 …いや、さっきバーバラに言ってたセリフは?

 というアルフレッドの心からの言葉は、アリスの勢いの前に口から出ることは無かった。


「さあ! 行くわよ!!」


 そんな脱力気味の周囲を置いてけぼりにして、奥にある古い重い扉に手をかける。

※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。

よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m


挿絵(By みてみん)


第4章1話目、更新です。


スミマセン。大変お待たせしてしまいましたorz

しかも、ちょっと長めです。


3つに分けるにはちょっと短い?となりまして、今回4章は2話に分ける予定です。

次回4章2話目ぜひご覧くださいm(_ _)m


…といいつつ、次週はONLYイベント前日なので、更新忘れないか心配ですorz

参加するイベントは…


9/14・東京流通センター・2階Fホール

「スーパーヒロインタイム2025秋」内のウマ娘ONLY「プリティーステークス43R」

「茶々組&初心の会」ウマ25・新刊アリw


…ですので、参加される方は良かったらぜひ、のぞきに来てくださいませm(_ _)m

冬コミに出した大冒険の新刊も少し持っていく予定ですので♪


…あと、この後書きに書きたい事書きまくってたら随分長くなっちゃって…しかも活動報告に書くこととかぶっちゃうので、少し短めにすることにしましたw

……いや、性格上、ついつい量が増えるかもですがw、実際今回もそんなに短くないですが…なるべく気を付けますので、よろしくお願いしますm(_ _)m

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原作マンガ、電子等で読めますw
「熱血!大冒険大陸」
DMM版kindle版、他、お好きなプラットホームでぜひ♪
とりあえず、どんなのか見るだけでも…という方は、 帰ってきたマンガ図書館Zで見れますw
あと、続編的なというかスピンオフ的なというかそんな同人誌も出してます。
同人イベントか、電子で良かったら見てやってくださいませm(_ _)m
…詳細情報はHPよりもTwitter(X)の方が早いのでw、ぜひそちらものぞきに来てくださいませ♪
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