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御曹司の興味物(なろうver)  作者: 鶯花
始まりの日
8/32

7

朱莉? → 溯夜 視点。

「うぉっ! 美味しいじゃん!!」


暁様がオムライスを食べて驚いていた。そのあと、猛烈な勢いでオムライスを食べていた。

私たちも時間がかかったけど、何とか食べ終えた。


食べ終えて一息ついていたところで、瑞貴様が話しかけてこられた。


「朱莉ちゃん、金曜日にダンスパーティーがあるのを知っているかしら?」


「はい…」


うっ、サボる予定の日だ。このままだと留年の可能性だってあるのに、行く気がしなくてずっとサボり続けている…


「朱莉ちゃんがダンスを踊れないのは知っているの。だから私たちがダンスを教えてあげるわ。それに当日のドレスアップもしてあげる。うふっ。朱莉ちゃんは可愛いからドレスアップしたら、もっと可愛くなるわぁ~!」


ダンスを教える? 瑞貴様たちが?? ドレスアップもする???


「えっと…どうしてそんなことになるんですか?」


「それは、俺が朱莉とダンスを踊りたいからだ」


一緒に住んでいるからかな? ナンデダロウネー


「考える必要は無い。ただ、俺の言ったことに了承すればいい」


そっか、そうだよね。


「はい」


「じゃあ、決まりだな」


「溯夜は忙しいからね。代わりに僕たちが教えてあげるよ。放課後に生徒会室に来てね。入れるようにしてあるから」


「はい」


葛ノ葉様の言うことに、私は頷く。

了承以外、どんな選択を取れば良かったのだろう。考えても、頭がぼんやりしてしまって、何も考えつくことが出来なかった。




そのあと、暁様や葛ノ葉様、瑞貴様は帰って行った。時間はもう、日付が変わろうとしていた。


「えっと、私の部屋は…どこでしょうか?」


私は未だに自分の部屋の場所も知らない。というか、この家が何所に建っているのかも知らない。


皇城家なら…学園の近くになるのかな? そのことがわからないくらいにこの家は広い。うん、広い。


「こっちだ」


と溯夜さんが言って連れてこられた場所は、これまた広い部屋だった。高価そうな家具に家で映画鑑賞でも出来るのではないか!?と思わせるような大きいテレビ。


「うわー! このテレビ、大きいですね!!」


このテレビで特撮ものを見れたら、さぞかし良いだろうなー。と思った。


「ここにあるものは、全部自由に使って良いぞ。朱莉の部屋だからな」


わーい! わーい!! 嬉しいなー! いややっぱりお金持ちはすごいや! うんうん。


見渡してみると、私の家にあった荷物があった。といっても、特撮もののフィギュアやおもちゃ、DVD、Blu-ray などなど。結構箱含めたらかさばるものが多くて置く場所に困るものばかっし。

私は荷物が置いている場所に行った。


「えっと、借りていたDVDは…」


どんなにバイトで頑張ったとしても、学生である私は全て買い揃えるなんて不可能だ。だから私は買っていないDVDなんかは借りて見てる。


最近出た奴は、すぐ返さないといけない。本当は今日返さないといけないけど…ここがどこかわからないしなぁーでも、延滞料金が辛い。

いつもはこの時間に返しに行ったりするのだけど…フラフラっとしながら。まあ、今日ばかりは大人しくしていた方が良いかな…うん。


「DVDでも見るのか?」


「はい。溯夜さんはお休みになられて結構ですよ。ここは隣に音なんて聞こえませんよね?」


「ああ、防音対策はしてあるからな」


えっと…DVDを見たら遅くなりますもんねー私は夕方に寝たから眠くないし、溯夜さんにご迷惑かけるわけにはいきませんもんね!


溯夜さんは私にBlu-rayプレーヤーの使い方を教えてもらって、出て行った。

もちろん御礼は言ったよ!




「むふふ…」


溯夜さんが出て行ったあと、他人から見たら引きそうな笑みを浮かべた。取り出したのは、溯夜さんに選んでもらったおもちゃ。


えーと、何で持っていたのかというと…何でだろう…何時の間にか持っていたんだよ!…多分…


開けるとおもちゃとそれに付随する小さなガムがある。何故おもちゃがお菓子売り場に売られているのかという疑問を皆さん持ったことがないだろうか?

それはおまけの小さなお菓子のお陰。これがあることによって、おもちゃは “お菓子” として売られることが出来るのだ!

おもちゃだけだと、売り場が少なくなるもんねぇー。開発者さんの知恵に感謝感謝だ!


ガムをゆっくりと味わう。うん。美味しい。

あっ、ちゃんと後でDVDは観るよ! もう寝ないといけないしね。


「ふーふっふ・ふ・ふ・ふ♪」


ベリッ。


ビニールの包みを破く。


「こっ…これは!?……………やっ…やったー!!」


出てきたのは、商品一覧に書いてなかったシークレットよりもレアものだった。

嬉し過ぎて飛び上がり続ける私。誰かが見てたら恥ずかしいったらありゃしないけど…ここは私の部屋だから誰もいないよね?


「やっぱり溯夜さんは運もすごいや!!」


私は暫くの間感動していた。






+++






「ほら、叔父さん。カワイイだろう?」


ここは俺の自室。朱莉の部屋にはとある(・・・)事情から監視カメラが置いてあって、いつでも朱莉の様子を見ることが出来る。


「………溯夜、それは本来の使い方では無いだろう?」


そこには、手に入れてないおもちゃを手に入れて、狂喜乱舞する朱莉の姿がはっきりと見える。音声も拾ってくれるため、カワイイ(・・・・)声もバッチリ収録している。


叔父さんであり、学園長でもある人は苦虫を噛み潰したような顔をしてこちらを見ている。


「それはわかってるよ」


「だったら…」


「でも、カワイイ(・・・・)だろう?」


「………」


叔父さんは絶句してる。カワイイものを観賞して何が悪いのか?


「…と、とにかく、例の時間(・・・・)は三時間後だろう? その時間帯に起きるなら…早く寝て置いたほうが賢明だぞ?」


「わかっているよ、叔父さん」


正直、もっと堪能したいものだが…もうそろそろ寝ないといけない。


「しかし…本当にこれで良かったのか? 本当の彼女は対人恐怖症・・・・・。特に私たちの立場やお前のような端正な容貌は、彼女が1番苦手とするのだろう? 初対面のお前に簡単に心を開いてくれるとは到底思えん。やはり彼女を半ば強引に連れて来たのは悪いのではないのか?」


“というか同意を得ずに連れてくるなんてありえん” と続く。当たり前だな。


「良かったんだよ…あのまま常盤家に置いておくことのほうがよほど悪い」


だけどそう。あの家は朱莉にとって地獄なのだ。だから、あんなふう(・・・・・)になってしまった。



今の彼女は、まともに話しを聞いてくれない。聞いているように見えて、実際は聞いてはいないのだ。

それに、次の日になったら覚えていない可能性がある。


俺が本当に朱莉を好いているのであれば、ちゃんとした意識が存在する本当の彼女(・・・・・)に会わないといけない。






次がある意味鬼門ですね…

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