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御曹司の興味物(なろうver)  作者: 鶯花
始まりの日
6/32

5

えっとー、今どうなっているんだっけ?

あーそうか、確かこの家に住むことになったっけ。うんうん、じゃないよ。


あれ? そういえば、いま何時だっけ?


「溯夜さん、今何時ですか?」


まだ怖い(畏れ多い)生徒会執行部の面子が揃っているけど、この中では溯夜さんのほうが話しやすいなー。他の皆さんとはまだろくに話しもしてないし。


「今か? 20時くらいだ」


「うぎゃぁぁぁー!!」


やってしまったぁー! 頭を抱える。


「ど、どうしたの?朱莉ちゃ…じゃなくて、常盤ちゃん?」


「バイト…バイトがぁー」


今日のバイトの時間をとっくの昔に過ぎていた。ここにいる人達は私以外超エリート。将来を嘱望されている人たちだもの。

そんな人たちに私みたいな平民もどきの苦労なんて…分かりはしないだろうなー。


「大丈夫だ朱莉。既に連絡を入れてある」


何と! 私にも神々しい天の光が降り注いだ!! イャッホーイー!!


「え? バイト!? どういうことよ?」


まぁ、そうですよねー。普通はそうなりますよねー。

他の人から見たら一応私もお嬢様。そんな人がバイトなんてする必要がないですよねー。


でも、以前にも言ったように常盤家での私の立場というのは本当に微妙なところがありまして。

私の要望など、誰も聞いてはくれないのだ。

実際のところは "誰も" というわけではないんだけど…その手段を私が使いたくないだけでありましてねー。そんなこと言っても通用しなさそうだけど。


「ありがとうございます、溯夜さん!!」


私は溯夜さんを見て礼を言った。




しかし20時か…というと夜8時ということになるよね。

最近寝不足だったのが原因かなぁ~? フカフカのベットですっかり熟睡していたよ~。そのせいでお腹が空いたな~。何か食べないと。


「えっと、皆様は晩御飯は御食べになられましたか?」


「僕達は皇城家でお食事を取ったよ」


「私達はよく学園長と一緒にお食事を取るけど…常盤ちゃん、そんなに気を使わなくても良いのよ。私達は好きでここにいるんですもの」


あーそうか溯夜さんの叔父様が学園長だったねー。特撮の立場でいう司令官キャラだったねー。

すっかり忘れてたよー。


葛ノ葉様と瑞貴様が言うとおりだと、多分溯夜さんも食べてるんだろうなー。残念だなー。せっかくお礼に手作りの料理をつくろうと思ったけど…

まあ、溯夜さんはトップエリート御曹司だからすごく美味しい料理ばっかり食べてるんだろうねー。


それにしても、溯夜さんの家ということはわかるけど、ここがどこかわからないんだよねー。

スーパーマーケットに行って買い物しないと、晩御飯にありつけないし…うーん、どうしようか。


「朱莉、スーパーに行きたいのか?」


「あ…はい。そうです」


「じゃあ、車を出そう。俺も一緒に行くがな」


車か…有名なかっこいい外車だったりするのかな?

私としては、変型して人型ロボになったりミサイル発射が出来たら良いんだけど…そんなのあるわけないし…


「ちょ…ちょっと待て、 溯夜! 何で車を出す必要があるんだよ! 材料なら家にあるだろう!?」


「黙れ、修斗…行こう、朱莉。あいつは置いて行こう」


「えっ!? ちょっと待てよ! 溯夜ぁ!!」


「面白くなってきたね。朧」


「観てるだけで楽しいわ、馨。さて、私達も行きましょうか」


執行部の皆さんで意見が割れてるけど、そこら辺は大丈夫なのだろうか。




皇城家の場所についてはよく分からなかったけど、車はスイスイ進んで(ちゃんと運転手さんはいた、当たり前だけど)、行き先のスーパーマーケットに辿り着いた。ちなみここは私のバイト場所の一つでもあるから、今日休んだことを店長さんに謝っておきたいなー。


(店長って言ったって、今は代理の…だし)


身内みたいなものだ。だからこそなめられないように、自分の体調と相談しながら、バイト、してたのに…


「うーん、今日はどれにしようか?」


私は栄養価よりも気分で選ぶ派だ。


「そうだなー。オムライスかなー」


「朱莉、材料は二人分にしてくれ」


「あれ? 溯夜さん食べて無かったんですか?」


「ああ。朱莉の手造りの料理を食べたくてな」


「わかりました」


良かった! これで御礼が出来る!! にしても…私の周りに人が集まっているような気がするけど…気のせいだよね。


あ、そうか! 学園での取り巻きの皆さんと一緒の類かな?

溯夜さんや生徒会執行部の皆様は華があるから、皆引き寄せられるんだね〜 きっとそうだよ!!


材料はなるべく地元のものをを心がけている。地産地消は大事だよね~

料理は私の得意分野なので、材料も特に困ることは無い。


「こんなところかなー」


にしても、取り巻きの皆さんがいるせいもあってか、いつもよりずいぶんと時間がかかってしまった。


晩御飯に行きつけるのは何時になるかなー?溯夜さんの御腹も減っているはずだけど…




レジに行く前にどうしても買わないといけないものがあった。最後に向かうはお菓子売り場。


「うーん、どれにしようかなぁ?」


悩む! ひたすらに悩む!!

だって、同じものを引いたときの絶望感は半端ないもんねー。


私が悩んでいる物はライダーもののおもちゃである。

これが結構種類が多くて揃えるのが大変なんだよねー。

なかなか手に入らないシークレットというものもあるし…うーん。


「溯夜さん、どれが良いと思いますか? これと、これと、これがいいと思いますけど…」


いっそのこと、私の傍にいる溯夜さんに聞いてみることにする。溯夜さんなら、私の話も聞いてくれたし、御曹司さんだから、運も良さそう。

良いのを引けるかもしれないと思った行動だった。


それにしても、私が誰かにこのようなことを尋ねるなんて、すごく珍しい。というか、とても勇気のいる行動だった。まあ今の状態の私にはドンとこいって感じだったけど!


「これが良いんじゃないか?」


「そうですか…じゃぁこれにしますね」


溯夜さんは迷いがなかったので、私はそれを買うことにした。


「えっと、最後に店長を捜さないと…」


溯夜さんが連絡を入れてくれたみたいだったけど謝っておきたかった。だから、私は溯夜さんと一緒に店長を捜すことにした。






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