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初体験

 それから二刻(四時間)後。座敷では酔いつぶれる家臣も出はじめ、猥褻行為に及んだ秀吉が女中たちに半殺しにされた頃、信長は利家の姿が見えないことに気づく。


 彼女のことが気になり、酒宴を抜け出して、利家を探して城内をうろついてみる。


 すると、どうやら彼女は自分の部屋に戻っているらしい。


 薄く明かりのついた彼女の部屋の戸を、信長は勢いよく開ける。


「おい、せっかくの祝勝会を抜け出して何して……」


 信長は息を呑んだ。なぜなら、布団の上に腰を下ろす利家は上半身裸だった。近くにある薬箱を見る限り、どうやら合戦での傷を治療しようとしているようだ。利家は一瞬固まってから、すぐに胸を抱き隠した。


「の、ノブ!? なんでここに!?」

「ご、ごめん。ワンコの姿が見えなかったから」


 と言いつつ、信長は利家の裸体から目を逸らせなかった。それくらい、利家の体は魅力的だった。


「それは、軽く水浴びして、体を綺麗にしてからもう一度薬を塗りなおそうと思って、その、これ以上傷跡が増えたら困るじゃない。あたし、ただでさえ……女子力ないし……」


 恥じるように顔を伏せて、利家は視線を逸らした。


 どうやら、昼間戦場で言われたことを気にしているらしい。その姿があまりにいじらしくて、可愛らしくて、信長は顔が熱くなるのを感じた。

 お腹のなかで色々と欲望がむくむくと膨れていく。この可愛い愛犬から離れたくなくて、大胆になってみる。


「薬、俺が塗るよ」

「へ? ……えっ!?」


 利家が驚いている間に、信長は利家の正面に座る。確認するが、利家は上半身裸である。いまはかろうじて。


 腕で胸の中央だけは隠しているが、腕二本ですべてを隠せるほど利家の胸は生易しくない。何せ正真正銘本物の豊乳だ。深い谷間も、こぼれる下乳も丸見えだ。


 その素敵過ぎる胸から視線を移すと、利家は細かい怪我をいくつもしていた。


 腕、肩、脇腹。戦後すぐの治療でかろうじて傷口は塞がっているものの、いずれも桜色の肌に赤い線を引いている。


 なかには、わずかだが血が滲んでいる箇所もある。


 ――ん? 桜色?


 当たり前だが、視線を上げると、利家の真っ赤に染まった顔が飛び込んでくる。


 利家は現実逃避をするように視線を天井に向け、それでもときどきこちらの様子をうかがってきて、額にはうっすらと汗をかいている。信長に肌を晒すのが、恥ずかしくてたまらないようだ。


 信長視点での女子力の高さに、思わず心のなかで『可愛い』と連呼してしまう。


「じゃあ、右手上げてくれ」

「えっ、ちょっ!」


 見える部分に薬を塗り終わった信長は、利家の爆乳を隠す腕を一本上げさせる。当然、乙女の聖域を隠せる面積は半分になってしまう。


 利家のおっぱいは、もう乳輪とその周辺しか隠せていない。


 信長は、目の前に晒されるたわわな果実に息を呑んだ。幼馴染である利家の胸の成長を、信長はすべて知っている。


 最近膨らんできたな、から、けっこう大きいな、を経て、すげぇ……と言葉を失うまで、全部知っている。その最終形態がこれなのだと思うと、感動すら覚えた。


 利家の体は、よく見るといくつもの傷跡が残っている。なめらかで触り心地の良い肌に、ときおり白い線が、スッと入っている。切り傷や刺し傷の痕だろう。でもそういった傷跡は、おっぱいには一切なかった。


「ノ、ノブぅ……あんまり、みない、でぇ……」


 呼吸を荒くする利家の額から、一粒の汗が滴り、左おっぱいの上に落ちた。


 ロウソクの明かりを反射して光る汗が、爆乳をなぞり、大きく湾曲してから利家の腕に進行を遮られる。自然と、信長の視線もそれを追う。


 前に、慶次の策略で見てしまった利家のおっぱい。その先端は本当に綺麗だった。

 いま思い出しても本当に素敵すぎて、よくない感情が自分のなかに芽生えるのを抑えられなくなる。


「えっと、じゃあ利家、一応背中も見せてくれるかな」

「う、うん……」


 もういっぱいいっぱいの利家は、すぐに両手で胸を抱き隠しながら、身を縮こまらせるようにして背中を向けた。その瞬間、信長は呼吸を止めた。


「…………綺麗だ」


―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―

 次回、一線を超えます。

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