第1話:入学式
はじめましての方も、お久しぶりですの方も、気になった方は読んでいただけたらうれしいです!私は大学には行ってないので、憧れの話ですね…。続編のリクエストがありましたので、書かせてもらいました!これを機に、前作『初々』を知らない方は、読んでいただけたら嬉しいです☆更新頑張りますので、応援よろしくお願いします!
桜舞う4月。
大学の入学式の日、私と太陽君は付き合い始めた。しかも、全然知らない人たちの前で、ド派手に告白をして。
と、いうのも色々事情がありまして…。
高校3年の夏休み、田舎の祖母の家に帰った私は、そこで太陽君と出会い恋に落ち、遠距離が無理だと決めつけ、さよならをし、大学の入学式で思わぬ再会をしたため…
気持爆発で『好き』などと恥ずかしいセリフを人前で言ってしまったわけで…みなさん、この気持ちわかってくれますよね?私は別に目立ちたがり屋でもなんでもないんです。…同じく太陽君も。
「噂って何日で終わるんだっけ?」
私は顔を両手で隠し、隣で笑っている恭子ちゃんに問いかける。
「そんなことわざあるよねー。まぁ、1ヶ月くらいで終わるよ。」
そう言って、恭子ちゃんは私の肩をポンと叩いた。
神埼麗、19歳。入学式早々にやらかしてしまった私は、これからどんな大学生ライフを送るのでしょうか…。
とりあえず、恭子ちゃんには事情を説明して、私の大胆な告白の真実を理解してもらったけど…太陽君大丈夫かな。今日1日、恭子ちゃんには傍にいてもらおう。
「それにしてもロマンチックな話だよねー。」
恭子ちゃんはうっとりとした目でそう言った。
「ロマンチックかもしれないけど、こんなに目立つのはイヤ。」
私は大きくため息をついて、肩を落とす。
「えっと…太陽君?だっけ?は、保育科じゃないの?」
「たぶん医療系。医者になりたいはずだから…。」
「そっか。じゃあ、場所離れちゃうんだね。」
少しつまらなそうな顔で、恭子ちゃんはそう言った。
うちの大学は保育科と医学部のある校舎は別々になっているため、学校内で会うことはまず、ないと思う。それこそ、待ち合わせでもしない限り、ほとんど無理なんじゃ…。
「あっ。」
「ん?」
突然言葉を発した私に、恭子ちゃんは首をかしげる。
「…メアド聞くの忘れた。」
そう、それがなきゃ、連絡が取れないんだよね。ましてやこのだだっ広い校舎…探し回るのは至難のわざだ。
「えっ!?せっかくの再会なのに、なんで聞いてないの?」
なんでと言われても…あんなみんなの視線感じて、平気でメアドの交換とかできる心臓持ってませんよ。
「探そう。」
「えっ!?」
びっくりしてる私をよそに、恭子ちゃんはがぜんやる気満々だ。
「入学式終わったら、探しに行こう!」
「あっ…うん。」
私は恭子ちゃんに押され気味に返事をした。