Recollection of stella
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神の叫び
人間には再現できず、理解することもできない"超常の音"それは
轟く雷鳴であり、
吹き荒ぶ暴風であり、
凍てつく息吹であり、
灼熱の咆哮である。
オレは何ヶ月にも渡る激闘の末、神をあと少しで滅ぼせるところまで来ていた。魔力はほぼゼロ。だが最後の包魔石を使えば"星の一戟"をギリギリ放つことができる。
実際、神と戦うまでに培ってきたオレの戦闘の勘は"星の一戟"を放てば神を倒せると言っている。
ここでオレは"星の一戟"を放つために集中し、状況を確認する。オレと神の間で繰り広げられた戦いは"回廊"内を見るも無残な姿に変えていた。大地を抉り、海は干上がり、空には亀裂が入っていた。だがこれほどまでの激闘を繰り広げても唯一部分的な破壊どころか傷一つ付けられないでいるものがあった。それは神の座っている"ディアーゾアの玉座"だ。おそらく"旧世代の神創"の一つだろうが、今はそんなことはどうでもいい。
「よもやここまでとは。」
ここで初めて神がオレが理解できる言葉を発し、"ディアーゾアの玉座"から進み出た。今まで玉座から立ち上がることはあっても決して歩を進めることはなかった。
オレは再び集中力を高める。間違いなくこれまでとは違う何かがくる。
「我をここまで追い詰めるとは愚鈍な民草の進歩も目覚ましいものよ。」
立ち止まり、右腕に顕現したそれは
「その意気に免じて我が"ラトソネスの雷蒼"でとどめを刺してやろう。」
そう言って神は"ラトソネスの雷蒼"をオレの方に向けてきた。
"旧世代の神創"の一つである"ラトソネスの雷蒼"は万物を貫通する超高電圧の衝撃だ。防御するだけ無駄だ。かわすのが現実的だろう。それだって認識してかわせる速度ではないだろうが。そこまで考えたところで神の腕が霞んだ。決して油断していた訳ではない、案の定"ラトソネスの雷蒼"の速度が認識できる速度ではなかった。回避行動が取れないオレは死を待つことしかできなかった。しかし、死を悟ったオレを待っていたのは予想外の事だった。
「っへぇーヤるじゃん✨手加減したらキミたちでもこれくらいはできるかァ✨もう少し加減してあげてたら倒せてたかもネー✨」
「・・・・は?」
いつの間にか"ラトソネスの雷蒼"は消え、神の口調が変わった。死を免れたはずなのに喜びはない。あるのは疑問ただそれだけ。
"超常の音"は人間の理解できる音ではないからわからないのは当然だが、人間の理解できる言葉を聞いてわからないのは初めてだ。完全に常軌を逸している。
「ボクをここまで追い詰めるなんて彼以来だよ。✨誇っていいよキミ✨」
ようやく神の言葉を飲み込めてきた。
なるほど次は精神攻撃か。
よくもまぁあの手この手で追い詰めてくるものだ。
「もしもーし聞いてますかー?ボクの声を聞くのはおろか姿を見ることなんて本来できないんだからさぁ✨光栄に思いなよ?キミ✨」
何を企んでいるのかわからないが、奴はスキだらけだ。仕掛けるなら今しかない。
そう思った矢先だった。
「させないよ」
次の瞬間オレの手足は動かなくなった。
「アハッアハハハッアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
その妙に耳に残る笑い声が響き渡る。
「アハハハハハハハハゴッドであるボクにキミが敵う訳ないじゃーん✨」
ここでオレはようやく気づく。
あぁこいつが本体か。
オレの体が動かないのがその証拠だ。今までは全く歯が立たないなんてことはなかった。体の動きを封じてくることはあったが、一瞬で解除できるレベルのものばかりだった。だが今は完全に抑え込まれている。
「なんだよゥそんなに見つめたりなんかして✨そんなにボクがカッコイイのかな?」
そう口調だけじゃない。姿も変わっている。
始めは白髪の荘厳なじいさんだった。
それが今では服こそイメージ通りの白い布を纏っているが、髪は金髪に染め上げられていて巷のイケメンも顔負けの風貌だ。20代かよこいつ
「アハそんなに若く見てくれるなんて嬉しいよ✨」
心も読めるのか。まぁ神だしそれくらいできるか。
ならせっかくだから悪態の一つでも付いておこう。
このきんぱ
「この金髪キラキラバカゴッド?ヒッドイナー✨こんなにもカッコよくて✨イケメンで✨ナイスガイな✨このボクにそんなこと言うなんて✨」
まぁこれがとにかくウザい。そしてキザい。
✨が入っているタイミングでそのキラッキラの金髪をかき上げている。これがとにかく
「ウザい(ウザい)」
・・・・ハモった。最悪だ。
「さてそろそろ終わらせようか✨キミもなかなかヤるけど記憶は渡せないネ✨そしてボクに届くこともないだろう。残念だけどネ✨まぁ落ち込むことはないよ。届かないといってもボクまで届いた人間は長い歴史の中でも数える程しかいない。」
「もし次の子に会うことがあったらよろしくネ✨じゃあねーバァーイ✨」
そこでオレの意識は刈り取られた。
これが"回廊"での事の顛末だ。
草原で寝転がるオレはそんな最悪な記憶を思い出し、ため息をついた。