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日課を終えた後は教室に辿り着き、席に着く。

雨心達はこれまた示し合わせたように席も近い。


「ほーん、雨心んちはパパン来るんか。なんやかんやでまだ挨拶した事ないわー。めっちゃデカイ会社のトップで雨心に似ても似つかぬ強面なんは知ってるが」

「わたくしは面識ありますわよ。元々お母様ともお知り合いなので」

「あれやろ? 『天候を操る』世紀の発明したってのは知ってるで。それで世界中の自然災害をおさめただかなんだかって」

「天候操作システム【トール】。まぁ……雨心の為、だったのでしょうね。非現実的な事象とはいえ親となれば必死にもなりますわ。天候を物理的に操作はまだ現実的ですし。環境団体や宗教団体からの批判も海外からあったようですが、救われた命も多いと耳にしています」

「てかもしかして、今日晴れたのはそのパパンの功績か? ようやっと超常現象にかがくのちからが追いついたんか?」

「んー、でも昨日はパパンも驚いてたよ? 違うんじゃない」

「そうかぁよーわからんなぁ。……ん? なんか廊下からこっち見てる野郎おるな。まーた『いつもの』か?」


ウメがそちらを見たのがきっかけか、気付いて貰えた男子は嬉々としてこちらに小走りで来て、眠そうに突っ伏していたクマの前に立つ。


「あ、あのっ、九魔さんっ。昨日、下駄箱に呼び出しの手紙を置いた者ですがっ」

「あ~? なにあんた。用があるなら手短にね。眠いし」

「そ、そのっ、手紙には昨日の放課後呼び出しの内容を書いて、でも、来てくれなくて……なにかありましたっ?」

「手紙ぃ? んなの見てないから。で、内容はなに? ここでも言えるでしょ」

「そ、その……と、友達からでいいので仲良くして下さいっ。番号教えてくださいっ」


「却下。あんたがどこの誰かも知らないし今そんな気分じゃないし野郎の知り合いも増やす気ないし。ああ、そうそう、そもそもわたくし彼ピッピおりますので。さよなら」


「そ、そんな……どんなお相手なんですかっ。教えて下さいっ」

「あのさぁ。いつも思うけどなんで『好きな相手がいる』って答えたら告白して来たやつに相手を教えなきゃな空気があんの? そんなに偉いの? 教えるわけないでしょプライベートな事。ほら、さっさと消えな」

「うわあああん!!」


と男子は敗走。騒がしくなった事で教室も騒めいて……なんて事は特になく。


最早日常的な風景なので反応する者も居ない。


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