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のんべんだらりな転生者~貧乏農家を満喫す~  作者: 咲く桜
第3章 ルイーナ魔術学院編
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ep.57 魔力適性検査

短めです。

入学式を無事に終えて、初日から知り合いも2人出来た。滑り出しとしてはなかなか好調なほうだろう。


日の出前に起きて畑の世話をする。グロウアップで促成栽培をしているが、流石にまだ芽が出たりはしていない。でも実績的にはあと数日もすれば発芽してニョキニョキ生えるだろう。


一度発芽してしまえば、そこからの成長は早かった気がするので今年は2回収穫するつもりだ。


冬の間も畑をやるためにも早く温室用の素材を探さないといけないな。学院が休みの日に散歩がてらに迷宮へ行ってみよう。


『迷宮番号4』は37階層までは攻略したから、せめて40階層までは行っておきたい。そこからは別な迷宮に行ってみるのもありだろう。


グロウアップのせいで余計に早く生えてきた雑草を抜き、魔法で満遍なく水を降らせる。


とりあえずはこれでいいだろう。



家に戻る頃には日が出始めているので急いでご飯の用意をしないといけない。…なんだか、俺の方が使用人感あるのは気のせいじゃないよな?


…まぁ、2人にはいつも世話になってるし冒険者業で疲れてるだろうから朝くらいはやってあげるか。


むしろ、もう1人家用にメイドを雇うのもありかもな。


ちなみに今日の朝ごはんはちょっと手抜きだ。


全粒粉パンのクロックムッシュ、ベーコンエッグ、サラダ、アプルジュースだ。


それと実は実家に帰ってた時に作った生ハムがそろそろいい感じだ。


生ハムは作るのが意外と簡単だ。ただ美味しいものを食べようとすると熟成期間が必須となってくる。


一応50kg位の肉で生ハムを作ったが、水分が抜けて30kg位になってしまった。部位ごとに作ったので1つあたり10kgぐらいだろう。


熟成ものんびりやろうと思ったが、我慢出来なくなったので魔法で熟成を促進してしまった。


次はもっと大量に作って、のんびりと待とうと思う。


そういうわけで、今日のサラダは生ハムサラダなのだ。朝から肉肉しいが2人は体を酷使する冒険者なので丁度いいだろう。


クロックムッシュが焼き上がったくらいで2人がのそのそと起きてくる。最近だと朝の挨拶をしたら何も言わずに顔を洗って皿を準備する流れが出来てしまっている。


まぁ、俺も料理は好きだから別に問題はないのだが。



「ご主人様、今日の朝ごはんも美味しいです!…私が朝起きられないばかりにいつもすみません!」

「うふふ、最近だと私は起きられるようになったけど、ご主人様の朝ごはんが食べたいからいい匂いがし始めたらルナを起こしてリビングに来てます」



ここで衝撃の事実が発覚した。というかヨミがルナを起こしてくれてたのか。真面目な恩恵があるのに朝は弱いんだよなぁ。これがギャップってやつか?


「知らなかったよ…。まぁ、2人が美味しそうに食べてくれるのは嬉しいから別にいいんだけどね」


「毎日とっても美味しいです!」

「ご主人様の朝ごはんを食べると、今日も幸せだなって思うんです。今日の夜ご飯は我々が用意致しますね」


そういや、朝のみならず夜も俺が作ることあるよな。・・・ちょっと、さすがに甘やかしすぎたかな?もう少し様子を見てみよう。あえて夜ご飯とか朝ご飯を作らなかったら2人はどんな反応するか楽しみだ。



「じゃあそろそろ俺は行くよ。後片付け頼むね」


「はい、行ってらっしゃいませ」

「お気をつけてくださいね」



これから3年間通う道を歩きながら、今日の魔力適性について考えてみた。


俺は水、風、雷、土の4属性が得意だ。一応、火、氷、無、聖も使えるが、得意属性よりはまだまだ成長の余地はあると思う。


逆に得意属性はもう打ち止めかもしれない。ちょっとは成長するかもしれないが、たかが知れている。


空間属性は未だに扱えない。亜空間やアイテムボックスが無属性魔法なのが納得いかないが、現に転移魔法や重力魔法は使えていない。これらは何れも空間魔法から派生するはずだ。



ただ、魔力適性で空間属性が無いとしたら俺は今ある属性だけということだろう。8属性もあるのは十分にバケモノ級かも知れないが…。



30分かけて学院にたどり着くと、やや早かったのか教室にはあまり人がいないみたいだ。いるのはリボンやネクタイから察するに、俺と同じ平民だろう。


早く来ている数人も既にグループが出来ており、なんだか今からそのグループに入るのは気が引ける。レイナールとマルメッコと友達になれたのは僥倖だった。


というかまだグループに所属していない人もいるので機会があれば仲良くなれると思う。




今後の身の振り方について悩んでいるとマルメッコが教室に入ってきて、直ぐに俺の横へと腰を下ろした。


ただでさえ目が垂れ目気味なので余計眠そうに見える。これで髪が長かったら完全にのんびり屋さんって印象なんだが。



「おはよぉ〜…アウル早いねぇ」


「おはようマルメッコ。いや、そんなこともないよ。結構朝は弱いの?」


「いやぁ〜、昨日はちょっと夜更かししちゃって。それと〜、私のことはマルコでいいよ〜!」



なんて世間話をしばらくしてたらレイナールも教室へ入ってきて俺の反対側へと座った。マルメッコとは違って完全に起きているようだ。


むしろ軽く息切れしてるのはなぜなんだ?


「おはようレイナール、なんだか疲れてる?」


「おはようアウル。名前が長いからレイでいいぞ。うむ、実は毎朝走り込んでから学院に来るのが日課でな。そのせいだ」


レイナールは努力家のようだ。でも、なんで2人は貴族だろうに何故10組にいるんだ?なにか不得意とかあるのか?


聞こうと思う前に、モニカ教授が教室へと入ってきて教壇に立ってしまった。また今度タイミングが合えば聞いてみようと思う。


「…よし、全員いるな〜。午前中は魔力適性を確認してくぞー。適当でいいから3〜4人グループ作って、固まれー」



元々あるグループの奴らはそこで固まり、グループに所属してない人たちはそこで固まってしまった。後で話しかけようと思ってたのに…。まぁ、今後何かのイベントで仲良くなれることを祈ろう。



「よし、固まったなー。今から魔晶石配るから説明する通りに試してみろ〜」


モニカ教授が言うには、この魔晶石と言うのは錬金術で作れる魔道具のような物らしく、その人に適性のある属性の魔力を流すと強く輝くらしい。


逆に適性の魔力では無かったり、そもそもその属性の魔力を有していなかったら光らないらしい。


魔晶石が開発されたのはつい最近で、2年前から魔力適性検査の際に使われるようになったんだとか。ルナが元々水属性しか練習していなかったのは、まだ魔晶石が無かったからだろうな。




でも、こんな便利なものがあるとは思わなかった。配られた魔晶石は全部で7つ。


説明によると『火、風、水、土、氷、雷、無』らしい。



え、空間属性は?というか聖属性は?


不思議に思ってモニカ教授に聞いてみたのだが



「空間属性?それは遠い昔に失われた属性だぞ。それに聖属性の魔晶石はワイゼラスが囲い込んでいるから出回らないし、そもそも聖属性なんて持ってたらワイゼラスが高額の金で引き抜くから学院には殆ど来ないだろうな」




新事実だ。空間属性というのは今のアルトリアでは無いらしい。おそらく、かなり特別な属性なのだろう。


さらには聖属性だ。俺わりとポンポン使ってた気がする。なんなら、国王にすら使ったんだが?ルナとヨミの指輪にもパーフェクトヒールを一回だけだが、使えるようにしているし。


……これは黙っているのが無難だろう。



さらに言うと、7属性全て使えると言うのも目立ち過ぎる気がする。この世界の人の標準がわからないが…


でも確かルナとヨミは4属性使えたよな。適性は無いけど追加で2属性使えていた。まぁ、追加の2つに関しては発動するかギリギリなところだったけど。



だとすると4属性くらいが無難か?…わからん。けど、下手に抑えて後で使えるのがバレる方が目立つか?


…レイとマルコの様子を見てからにしよう。



「じゃあ、最初はマルコからやりなよ」


「……え、あ、うん!」


どうしたんだ?急に固まったと思ったら笑顔になって。マルコっていきなり呼んだの驚かせたか?でも、自分でそう呼んでって言ってたし、いいよな。




7つある魔晶石に魔力を流していくマルコ。見ていると微かに光っているようなのはあるが、強く光ると言うのはなさそうだ。


…あれ?あと風属性だけだけど、大丈夫か?



ピカッ



一応さっきまでに比べると強く光ったのが風属性だった。それ以外だと微かに光ったのが水と無属性だ。


…これは思ったより適性属性というのは少ないものなのか?いや、まだ答えを出すのは尚早だな。マルコが特別なのかもしれないし、レイナールの結果を見てからでもいいだろう。


「うむ、では次は俺だな」


レイナールが光ったのは火と土と無属性。他の属性については光りもしなかったのでおそらく使えるのはこの3属性だけだろう。それでも魔力の適性はマルコよりは多いみたいだ。


「最後はアウルだねぇ〜」


と言うことで仕方なく検査をやってみると、もちろん全て光った。水、風、土、雷の4属性が特に強く光ってしまったので、マルコとレイにすごい目で見られてしまった。確かに他の3属性もレイと同じくらいには光ったから仕方ないかもしれないけど、友達をそんな目で見るなよ・・・。



「・・・アウルよ、実はどこかの貴族の隠し子じゃないよな?」


「それはない。普通に平民だよ」



全然信じていないようだが本当なので仕方ない。・・・爵位は授与される可能性はあるかもしれないが。


魔晶石に限りがあったせいで何組かで共有で使用した。最初に確認できたのでそれ以降は席に座って適当に時間を潰して待つことになってしまった。


その後2時間以上が経ったくらいで全員分の確認が終わったみたいだ。


「よーし終わったか〜?適性属性について羊皮紙に整理したらあとで私の所に報告に来るんだぞ〜。そしたら昼休憩したあとは、外の訓練場に集合だからな〜!あ、ちゃんと動きやすい服に着替えておけよ〜」




ちなみにお昼はマルコとレイと3人で学食を食べたが、もちろん俺は銀貨1枚の食事だ。2人は当然のように金貨1枚の食事を食べるので、さすがに貴族なのだろうと思う。



ちなみに昼からはレクリエーションをやるらしいが、一体何をやるんだろう?

細々と更新します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 葡萄も2回収穫できるのかな?小樽ワインが唸りますね。白金貨ザックザク。 もしや野菜限定か!?茄子は確実。 〉一度発芽してしまえば、そこからの成長は早かった気がするので今年は2回収穫するつもり…
[一言] 温室を使用する場合は、LED農業を試してください。垂直システムは、利用可能なスペースを増やします。
[一言] 主人公、美食家だから銀貨メシじゃすぐに我慢できなくなりそう。
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