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ep.50 修羅場…?


帰省は順調である。今のところ特に大雪が降ったり盗賊が出たりはしていない。


川で魚を捕ったり、ログハウスで休んだりと、かなり快適な帰省が出来ている。


街道を高速で移動すると見られた時に面倒なので、基本的には街道を外れたところを進んでいる。


ランドルフ辺境伯に挨拶していこうかとも考えたが、何となくすぐには帰れなくなりそうなので今回は見送った。


そう言えば、大量の魔石をギルドに売りに行くの忘れてたな・・・。まぁ、今度でいいか。




「ご主人様の故郷まではあとどれくらいなのでしょうか?」


アザレ霊山がかなり近くに見えてきているからかなり近いはずだ。


「恐らくだけど、このペースなら今日中にはつくんじゃないかな?」


「うふふ、ご主人様のご両親に会うのが楽しみです」


ルナとヨミのテンションが高いのが分かる。




言わなきゃ言わなきゃとは思っているんだけど、怖くてミレイちゃんのことはまだ言えていない。


・・・自惚れすぎかもしれないけど、ミレイちゃんと2人が会ったら修羅場になるんじゃないだろうか?


いや、でもミレイちゃんは優しい子だし、分かってくれるかな?


変に母さんの影響を受けていなければだけど・・・。





そのまま走ること2時間でオーネン村の入り口が見えてきた。


遠目でも分かる。少しの間だったけど、まったく変わってないや。


「2人とも着いたよ。ここが俺の故郷のオーネン村だ」


「ここがご主人様の村なのですね。静かで良い所です」

「自然豊かで良いですね」



お世辞かもしれないけど、2人とも気に入ってくれたようで良かった。


王都の騒がしい感じも悪くないけど、やっぱり故郷が一番だな。


実家に帰る前に村長の所に挨拶しに行こう。きっと気になっているだろうしね。



「村長ただいまー!中にいる~?」


扉の外で待っていると村長が出てきてくれた。


「おお!この声はやっぱりアウル君だったか!良く帰って来た!私のせいで貴族様と一緒に行かせてしまって本当に申し訳なかった!」


やっぱりまだ気にしていたみたいだ。でも村長のこういう村人思いの所には好感が持てる。


「村長、全然大丈夫だから安心して。今後同じような失敗をしないようにしてくれればいいから!」


「ははは、アウル君には敵わないな。・・・おや、後ろの別嬪さん2人はどちらさんかな?」


「えっと、王都でできた俺の仲間のルナとヨミだよ」


奴隷と言うのはなんだか嫌だったので仲間という言い回しをさせてもらった。


「ご主人様の筆頭奴隷のルナと申します。よろしくお願いします」

「うふふ、ご主人様の一番奴隷のヨミです。よろしくしてくださいね」



・・・・あっれー?!?!


俺がわざわざ言い方変えたのにそういう感じで自己紹介しちゃうんだ。


筆頭奴隷と一番奴隷ってなにが違うの?って聞くのは野暮ってやつか。



「は、ははは。アウル君も男の子だったんだね」


村長の顔が引きつっているのが分かる。というか10歳の子供が美人な奴隷を2人も連れて来たらそりゃこうなるか。


「あははは、ちょっと王都でいろいろやってるうちに人手が足りなくなってしまって・・・」


言い訳していると村長が爆弾を投げ込んでくる。


「こんな別嬪な奴隷を2人も買うということは、ミレイちゃんと上手くいかなかったのかい?」



!?!?


おい村長!なぜそれを今言うんだ!せっかく村長を庇って王都に行ったというのに、恩を仇で返しやがったな!人でなしめ!



!!


後ろからなんか剣呑な気配を感じる。それもかなり危険な感じだ。


おそるおそる横目でちらっと2人を見ると、いつも通りの素晴らしい笑顔。


・・・あれ、気のせいか?ビビらせやがって。


安心して村長に視線を戻すと、明らかに俺の背後を見て怯えている。


バッと振り向くが、やはり笑顔な2人。


???なんだか良く分からんな。


「あ、そうだ村長。お土産に大量の魚介類を持ってきたからみんなに配ってあげてよ」


そう言って大量の籠にいれた魚介類を収納から取り出す。


「おお、すまないね。これだけの量だとかなり高かったんじゃないかい?」


「いや、これはお金かかってないから安心してよ。生ものだから長持ちしないから早めにね。それじゃ村長頼んだよ!」


季節は冬だしすぐに傷むこともないだろうけど、一応生ものだからね。早いほうがいい。



そのあと3人で案内がてら村を歩いていると、とうとう2人がさっきのことを聞いて来た。



「ご主人様、ミレイちゃんとは誰なのでしょうか?」

「うふふ、まさか彼女だったりするのですか?」



やっぱり気になってましたか~。そうですよね・・・。


でもミレイちゃんとの関係か。


・・・うーん、ぶっちゃけミレイちゃんとは付き合っているわけではない。


母さんの手紙にはいろいろ書いてあったし、出発前に本人も花嫁修業云々と言っていたけど・・・


「幼馴染って感じかな?家が近くで、年も近いからよく一緒に遊んだんだ。別段付き合っているわけではないよ?」


まぁ、ミレイちゃんが好意を持ってくれているのは知っているし、俺も別に嫌いではない。


ぶっちゃけ王都に行くまでは、大人になったらミレイちゃんと結婚して農家をやるもんだと思っていた。


「そうなのですか!幼馴染さんなのですね」

「うふふ、色々楽しみです」


「というか、2人が奴隷だって両親には言わないでね?仲間だって紹介するからね」


「任せてください」

「うふふ、もちろんです」



2人が楽しそうなのは良いんだけど、なんか嫌な予感がする。


今更だけど家に帰りたくなくなってきた・・・。しかし、そんなわけにも行かない。



だってもう家に着いてしまったから・・・。


冬ということもありオーネン村は雪化粧をしている。


冬は畑にも出れないので両親はきっと家の中だろう。



「ただいま~!帰って来たよ~」


扉を開けて最初に出迎えてくれたのは母さんだった。


「あら、もう帰って来たの?意外と早かったのね。・・・ってあらあらあら。ふーん?」


俺の後ろにいる2人を見て何かを察した母は、かつてないほどににやにやしている。なにか企んでいるようで本当に怖い。


「ただいま母さん」


「おかえりなさいアウル。早速だけどそちらのお嬢さん2人を紹介してもらってもいいかしら?」


まぁ、そうなるよね。


「右からルナとヨミだよ。王都で色々と助けてもらってる大事な仲間だ」


頼むから余計なことを言わないでくれよ?



「私は王都でご主人様のお世話をさせて頂いていますルナと申します。不束者ですが末永くよろしくお願いいたします」

「私も王都でご主人様のお世話をさせて頂いているヨミと申します。どうぞよろしくお願いします御義母様おかあさま



なんだか変なニュアンスの自己紹介じゃないか?奴隷とは言ってないけど、ほぼそういう感じで伝わってるよね?!


それにルナさんもヨミさんもなんでそんな嫁いできた嫁みたいなスタンスなの?!


いや、別に嫌じゃないけど先制パンチが凄すぎるよ!!


「あらあらまぁ・・・。アウルの母のエムリアよ。急に可愛い義娘むすめが出来ちゃったかしら?ふふふふふ」



ほら真に受けた。ある意味流石だよ母さん。もうどうにでもなれだ。


「アウル、とりあえず中でお父さんとシアが待ってるから行きなさい。ルナちゃんとヨミちゃんはこちらにいらっしゃい」


「・・・わかったよ」



ルナとヨミは母さんに連れられてどこかへ行ってしまった。



それにしてもシアはどれくらい成長したかな?そこまで時間は経ってないけど楽しみだ。


「ただいま父さん、シア」


居間に行くと父さんがシアを抱いていた。どうやらシアはちょうど寝ているらしい。



「おかえりアウル。シアはちょうどさっき寝たところだ」


「みたいだね。でもちょっと大きくなったね。髪も少し伸びたみたいだし」



シアの奇麗な銀髪が少し伸びていた。そういやルナも銀髪だったな。身近に銀髪が2人もいるなんて珍しい。



居間で父さんと王都での話をしていると、母さんとルナとヨミが居間にやって来た。


一体なにをしていたんだろう。



父さんにも2人を紹介したけど、母さんに自己紹介したような内容とほぼ一緒だった。



父さんの驚いた顔が忘れられないよ・・・。そしてなにか言おうとした父さんを眼力だけで黙殺した母さんの横顔もね・・・。




もうすぐ夕方になるということで母さんがご飯支度を始めたのだが、ルナとヨミは手伝うと言って行ってしまった。何故かシアも連れて行った母さん。


これは父と話すことがあるなら今のうちだということか?



「えっと、父さんも元気そうでなによりだよ」


「あぁ、おかげさまでな。お前のお陰で金にはあまり困ってないからシアにもエムリアにも貧しい思いはさせないで済んでいるよ」


それはよかった。シアは将来絶対美人になるので、いっぱい食べて健康に育ってほしい。


「ときにアウル。最近の我が家ではな、夜にミレイちゃんが遊びに来るんだ。シアの面倒を見てくれたりエムリアに料理を習ったりな。・・・多分だけど、もうそろそろ来るぞ」


「なんだって?!なんでそれを早く教えてくれないの?!」


「・・・覚えてるか?お前が俺をエムリアに売ったあの日のことを」



俺が父さんを売った?大好きな家族を俺が売るわけ・・・・




あるじゃん。売ったこと。


父さんがランドルフ辺境伯のとこの獣人メイドにメロメロだったやつだ。


「そんな前のこと根に持ってたの?!大人げないよ!」



父の目は完全に俺をあざ笑っている。父としてあるまじき目だ。



「お前も痛い目を見るといい。最近のミレイちゃんは魔法の練習頑張っててなぁ。それは本当に凄いんだぞ?勉強も頑張っているみたいだし、花嫁修業も順調だ。エムリアの影響もあって逞しくなってきたしな!ありゃあ将来、姐さん女房になるタイプだ」


まじか・・・。まぁ、魔法を教えたのは俺だしそこそこに使えるだろうけど。




コンコンコン!


「エムリアさーん!おじさーん!今日も来ましたー!」


来ちゃった。特にやましいことは無いのになんでこんなに俺は追い詰められているんだ!



・・・そうじゃん。俺別にやましいことしてないか。変に謝るほうが男として駄目な気がする。


ここは堂々としていればいいんだよ。


ということでミレイちゃんを玄関まで迎えに行くか。



「ミレイちゃん久しぶり」


「あれアウル!帰ってきてたんだ!久しぶり!」


と言って抱き着いてくるミレイちゃん。・・・少し見ない間に胸も少し成長している気がする。


きっとご飯をたくさん食べているのだろう。


抱き着かれたときに、ふわっと香ってきた女の子特有のいい匂いにドキッとする。


改めて見るとやっぱり美少女だ。こんな幼馴染がいるなんてなんて幸せな人生なんだろう。


というか、ミレイちゃんて急に抱き着いてくるような大胆な子だったっけ・・・。母さんの入れ知恵か?




「ところでアウル」


「なに?」


「さっきからアウルの後ろに控えている美人な女性はどちら様かしら」




い、いつの間に?!いくら俺が動揺してたとはいえ、俺に気付かれないように背後に立つとは・・・成長を感じるな。



「ご主人様、この奇麗な方がミレイ様でしょうか?」

「うふふ、私たちも自己紹介していいでしょうか」


怖い!3人とも笑顔だけど滅茶苦茶怖い!それとミレイちゃんはいい加減俺から離れなさい。


「えっと、この子がミレイちゃん。俺のおさな「アウルの許嫁よ」じ・・・」


かぶせてこないでよ・・・しかも許嫁て。


「私はご主人様の筆頭奴隷で、王都で毎日お世話をさせて頂いているルナと申します」

「私はご主人様の一番奴隷で、毎日お背中を流したりお世話をしているヨミと申します」



ええ?!なんで奴隷って言うの?!言わないでって・・・。あ、両親にはって言ったんだっけ。くそ!ぬかったか!


しかも変なこと言ってるよ。むしろ朝ご飯作ったり夜ご飯作ってるのはだいたい俺だから世話してるのはどちらかと言うと俺だし、毎日背中は流してないよね!!



「改めて、私はエムリアさん公認の許嫁のミレイです。アウルとはずーっとっ小さいころから一緒にいました」



・・・笑顔の睨み合いが逆に怖いよ。




「ほらほら、自己紹介も済んだんだしご飯にしましょ!」


この凍てついた空気を壊したのは母さんだ。


助かったよ母さん、流石頼りになる!!


俺に近づいて来た母さんがこっそりと俺の耳元で囁く。



「貸し1つよ。甘くて美味しいお菓子で手をうつわ。ケーキとかいう至高のお菓子があるんでしょ?それでいいわよ」



・・・ほんと流石だよ。





晩御飯の時も彼女たちは笑顔ながらもお互いに牽制しあっていて、久しぶりの実家の食事だというのにまったく味が分からないほど気まずかった。


そんなに睨み合っているのに3人の矛先が俺に向かないのが、余計に怖い。



「ちょ、ちょっと俺風呂に入ってくるね!ごゆっくり!」


逃げたいという一心で風呂へと逃げたのだが・・・


「うふふ、いつものようにお背中お流ししますね」

「ご主人様、私もお背中お流しします」


ヨミは勝ち誇ったような顔で、ルナは少し顔を赤くしながら言い切った。


しかしこれだけは譲れない。


「いや、今日は1人で入る!」



こう言ってしまえばルナとヨミは入ってこれないだろう。


「あらあら。今日は、ね?」


あっ!!?


母さんやめて!俺のライフはもう0だ!





ふぅ。なにはともあれ1人になれた。・・・やっぱり修羅場な感じになっちゃたなぁ。


本当は1ヶ月くらい実家でのんびりするつもりだったけど、難しそうだ。


やることやって王都に帰ろうかな。王女様にも呼ばれているし、侯爵と公爵のところに挨拶もしないといけない。


と言うか平民の俺がそこまでする必要はあるのか?という疑問はあるけど、世話になったし筋は通しておこう。


・・・でものんびりしたいなぁ。



結局悩み過ぎて1時間近く風呂に入ってしまった。





風呂から出ると、さっきとは打って変わって和やかなムードになっていた。


「ご主人様!私たちはミレイさんと一緒にお風呂に入ってきますね!」

「うふふ、女子会というやつです」

「アウル、2人を借りるわね!」



そう言ってキャッキャしながら3人は行ってしまった。


何があったんだ?



「母さん、3人が急に仲良さそうにしてるんだけどなにがあったの?」


「ん~?乙女の秘密よ。とりあえず仲良くなったんだからいいじゃない」


はぐらかされてしまったが、さっきまでの刺々しい雰囲気はなくなったので良しとしよう。



さて、明日からはやることちゃっちゃとやってゴロゴロするぞ!!






次の日から俺は精力的に働いた。


不安だった村の防備のために堀を掘ったり、迷宮産の立派な木で囲いを作ったりした。土壁も考えたが、何事もやり過ぎは良くないよね。


それと、最近オーネン村は人口増加傾向にあるらしいので、治安維持のためにゴーレムを10体作成した。


もちろん古代都市で確保したゴーレムを流用している。


見た目は基本的に騎士型だが、内2体は獣型だ。モデルはライオンとスコーピオンだ。



どちらも人間大くらいの大きさがある。


騎士には俺が魔力にものを言わせて作った鉄剣を持たせてある。


鉄剣は軸にアダマンタイトを少量使っているので、物としては悪くないだろう。


内一体は昔アザレ霊山でジェネラルオークを倒したときに入手したサーベルを持たせてみた。


あのサーベルを持ったときの厄介さは身に染みて知っているので、これが仲間だと思うと心強い。


実際に森の魔物を狩らせてみたが、かなり強い。治安維持や街の防備には丁度いいだろう。



あとは家を増改築した。隙間風が凄かったし、人が多いのに家が狭かったので2階を作ってしまった。


ほぼ建て直しだったが、何回か家や小屋を作った経験があったおかげでなんとか完成した。



奇麗になった我が家を見た村人たちが羨ましがったので、無償でやってあげた。


もちろん増改築を望んだ奴らにもしこたま手伝わせた。


冬で暇な村の男衆がかなり手伝ってくれたので、思ったよりは早く終わったのが救いだ。





密かにウォーターベッドを作成してみたが、あれは素晴らしいものだ。


今までの睡眠とは一線を画す発明だ。というか地球のウォーターベッドより高性能かもしれない。


あのなんとも言えない材質は異世界ならではだろう。


これは王都に帰ったらレブラントさんにクラゲ素材の確保をお願いされる気がする。



あとやったと言ったらミレイちゃんのレベリングか。


アザレ霊山に行って魔物を討伐しまくった。最初は躊躇していたみたいだけど、途中からは嬉々として狩っていたので何かを目覚めさせてしまったかもしれない。


ミレイちゃんの魔法は久しぶりに見たけど、かなり練習しているのか精度がいい。洗練されているとさえ言えるだろう。


下手したら俺より精度が良いかもしれない。いつの間に・・・?



一通りレベリングを終えてステータスを見てみると辺境の村人とは思えない程には強くなっていた。



◇◆◇◆◇◆◇◆

人族/♀/ミレイ/11歳/Lv.33

体力:1800

魔力:3800

筋力:80

敏捷:120

精神:140

幸運:60

恩恵:効率化

◇◆◇◆◇◆◇◆


恩恵は効率化、か。


ミレイちゃんの魔法が洗練されてるのは効率化された結果なのかもしれないな。



村人にお土産を配ったり、カツオ節を試作してみたりと、やりたいことをやっているうちに気付けば2ヶ月半が経過していた。


カビ付けをせずに作った鰹節は前世の物に比べて味が違った。これはこれで美味いんだが・・・。カビ付はいずれ挑戦してみようと思う。


その間で何故かミレイちゃんとルナとヨミは親友の如く仲良くなってしまっている。


仲が悪いよりはいいんだけど、なんか怪しいんだよね。まぁ、別にいいけど。


俺もシアとたくさん遊べたから満足だ。


それと今更だけど収穫祭で獲得した牛2頭はオスとメスだった。オスが"モーム"でメスが"うし子"と名付けられた。


うし子と名付けたのは俺だ。なんか語呂がよくて・・・。面倒は村人全員で見ることにしたらしい。


村の共有の財産ということにして、みんなでその恩恵に与ろうというわけだ。






入学試験まではあと1ヶ月半。そろそろ王都に帰ろうと思う。雪も解けはじめたし暖かい日も増えてきた。



「じゃあ、そろそろ王都に行くよ。おそらく余裕だと思うけど試験頑張ってくるわ!」


「おう、俺の息子なんだ。ぶちかましてこい!」

「何が起こるか分からないんだから油断しないでね?ルナちゃんとヨミちゃんもアウルをよろしくね」



「任せてください御義母様おかあさま

「うふふ、しっかりサポートしますので安心してください御義母様おかあさま


2人はすっかり御義母様と呼ぶようになってしまった。もはやツッコむ元気もない。


「ミレイちゃんもまたね」


「うん、私も色々頑張るからアウルも頑張ってね!2人に変なことしたら駄目だからね!」


と言って見送ってくれた。ルナとヨミにはハグまでしている。最初はどうなるかと思ったが、なんとかなって良かった良かった!



歩きながらオーネン村を振り返ると村長も見送りに来てくれていた。


皆に手を振り、歩みを進める。振り返れば皆がまだ手を振ってくれている。


村の入り口には屈強なゴーレムが2体。それに立派になった囲いと堀が見える。他のゴーレムたちは見回りや他の門にいるはずだ。


今できるのはこれくらいだが、もっと良い村にしたい。


村人たちの家も少し立派になり、村と言うよりは町と言った感じだが。


次は道を整備したりするのもいいかもしれない。


色々やりたいことはあるが、次回に持ち越しかな。


結局村にいる間はほとんどゴロゴロできなかったから、王都に帰ったら絶対ゴロゴロするぞ!







王都に着くや否や、どこから情報を仕入れたかは知らないがレブラントさんが訪ねてきて、クラゲ材の確保をお願いしてきたせいでゴロゴロできなかったのは言うまでもない。

王都編はこれで終了です。改稿作業をしつつ、ルイーナ魔術学院編を更新予定です。


ちょっとずつ更新します。

評価・ブクマしてもらえたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
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