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恋愛未満な恋愛

作者: りかちゃん

初めて書いたものなので緊張していますが、少しでもほんわかした気持ちになっていただければ嬉しいです。


嗚呼、可愛い。

幼い子供はなんて可愛いのだろうか。

私は毎日、自分の子供ではない子供達に対してそう思っている。


一応注意しておくが、私は変質者ではない。

可愛い子供を見ると、抱きしめてちゅーしたくなるときもあるが、私は断じて変質者ではないのである。


私は小学校の教師である。

2年生の担任をしている。


この年頃の子供たちは、とにかく落ち着きがない。もちろん、全ての生徒がではないが、じっと授業を聞けないどころか遊びだしてしまう子供もちらほら。。。

学校のルールは守れない、わざと友達に意地悪をする、自分がしたくないことは絶対にしない。


そんな事を毎日されれば、正直イラッとすることもしばしば。内心「またかよー。」な気分にもなる。



しかし、何だかんだで問題児達も含め、私は生徒全員が大好きである。


鼻くそをほじった手では触らないでほしいとは思うが、そんなことを気にしていたら、クラスの4分の3との接触はできなくなるので、気にしないようにしている。というか、慣れるのだ。

潔癖症でなくて良かった。


そして、どんな問題児でもまだ小学2年生。

たとえ授業で怒ったとしても、何だかんだで挨拶はしてくれるし、笑顔で話しかけてもくれるのだ。切り替えの早さに最初は戸惑ったが、今では理解している。これが子供なのだ。






そんな子供達。

まだ小学2年生では恋愛は早いと思っていた。

実際、早いだろう。大分早すぎだろう。


しかし、私は見つけたのだ。

クラスの誕生日の女の子に1人1人が書いたメッセージ。生徒達には、その女の子の良いところや素敵だと思うことを書いてあげてねと伝えた。


そんな中、ただ一言


「大好きてす。」


正直、私は顔がにやけるのが止められなかった。

書いたのは、クラスでも少しやんちゃな男の子。勉強はできなくはないが好きではない。体育は大好き。座学の授業中はじっとできず、度々怒られる。けれど、とっても愛嬌があり、友達に意地悪だけはしない笑顔の可愛い男の子。

彼はきっと深く考えていない。

ただ、その女の子に何か一言書こうと悩んで、思いついたのがこの言葉だったのだろう。

書くときに焦ったのか、「です。」ではなく「てす。」になってしまっているのが、また可愛い。


そう!可愛いのだ!

無意識の好意がとても可愛く微笑ましいため、応援してあげたい!


が、しかし。

私は教師であるため、心配もした。

このような言葉がクラスの他の子の目に触れれば、からかいの的になってしまう可能性もある。まだ幼いため、どんな言葉を投げられるか、どのように受け止めてしまうのか、想像ができないのだ。


私は、こんな純粋で可愛い好意をからかいの対象にはしたくはないのだ。

だから、書き足すよう進言した。


「ただ大好きだけじゃなくて、どんな所が素敵で好きなのかを書きましょう。」


その書き方ならば、他の子達も書いていたから、からかいの対象にはならないだろうと思ったのだ。

今はストレートに伝わらなくなってしまうが、書いた本人もまだ恋愛感情としては自覚していないようだし大丈夫だろう。


彼は、無意識なのかその女の子には特別優しい。

話しかける時は、決まって鼻歌まじりである。とても可愛い。


相手の女の子はクールで、彼を上手くあしらっているが、一緒に話したり遊んだりを嫌がっているそぶりもない。


つまり、2人はなかなかに仲良しなのだ。






そんな2人を見ながら、


「このまま成長して、カップルにでもなったら素敵だなー。」


なんて思っている私。


一歳の子持ちのシングルマザー。


「子供達の可愛い恋愛未満な恋愛もいいが、私だって可愛い恋愛したーーーーい!!!!」


気がついたら、心の中でそう叫んでいた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

感謝の気持ちでいっぱいです。

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