hiro 復活④
『後ろの男たち、さあ、どうする?俺につくか、北村会長につくか?おっと、もう会長ではないか。』
男たちが、ごちゃごちゃ話している。
『一同、ヒロ様につきます。』
『賢明な判断だ。お前たちの顔は覚えた。俺の権限で昇級させよう。』
護衛に当てていた分身仏から、連絡が入った。みな、無事。暗殺者は全て、適切に処理をしたと。すべて、レイちゃんのたてた作戦通りだ。
『まて、ヒロ。お前は、この国を滅ぼすつもりか。立ち入ってはならないところに、お前は足を踏み入れようとしている。お前の想像を遥かに凌ぐ世界だ。そうだ。わしが手引きしてやる。わしの知識と経験と信用が役立つ。ヒロ、わしがお前の参謀になろうではないか。』
『ご提案、謹んで、お断りしよう。北村さんの知識と経験と信用は必要ない。すでに、我が手に情報は全てある。何故だと思う?お前の頭の中、心の中を読み取ったからだ。つまり、お前は用済みというわけだ。ちなみに、俺には極めて優秀な参謀が、すでにいる。あしからず。ただ、俺は優しい人間だ。お前を抹殺することだけは、やめてやる。その代わり、記憶を奪う。』
俺は、北村の額に手のひらを当てた。北村からAGUの記憶を全て消去した。
『AGUは、解散だ。組織は俺が引き継ぐ。組織は新しいJUKUとして、再建する。』
今、ここに、新JUKU hiro が誕生した。
『 T、毎度毎度、すまん。今回も俺のせいだ。悪かった。』
『私はヒロさんを信用していますから、何も問題ないです。ヒロさん、完全復活ですね。心強いです。』
『ヒロは、神出鬼没。普段は現れない。魔人バブーしかり。今後も、俺は姿は消すつもりだ。だが、復活したことは公言していいぞ。世界中の裏社会でこの情報は広まるだろう。それでいい。』
『ヒロさんは、地下に潜るということですか。』
俺はちひろに変身した。
『違うよ。ちひろだよ。私、保育園に友達がいるから、この姿で過ごすの。その方が楽しいんだもん。分かるかな、Tおじちゃん!』
俺は笑顔で語った。
『頼むから、そのTおじちゃんは、やめてくれ。恥ずかしくて仕方ない。』
『そうだ、Tおじちゃん、空を飛んだことある?』
『空って、飛行機には何度も乗ったけど、、、まさか、空を飛ぶって、、、。』
『そう、そのまさか。飛んだ方が早いよ。それに、空は気持ちいいよ。一緒に空を飛んで帰ろう、私の手のひらに乗って。』
俺は魔人バブーに変身し、15mほどに巨大化した。Mr.Tを手のひらに乗せ、大空に向かって飛び立った。
この時期でも、夜はひんやりする。特に上空は寒い。手のひらで、Mr.Tを覆い、風をよけてあげた。
15分後、台場近くの人気のない公演に降り立った。Mr.Tは眠っていた。
『着いたよ、Tおじちゃん。』
『おっと、途中で眠ってしまった。それで、ここはどこなのですか?』
『台場の公園だよ。そこの大通りに出れば、タクシーを捕まえられるはず。ということで、お疲れ様。』
俺は瞬間移動した。




