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最果ての帝壁 -狂者と怪人と聖愛の女王-  作者: 極大級マイソン
第3章:最悪と悪と異能使い
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第26話「生徒会の通常運転」

「……ふぅ、こうして皆さんで集まるのも久しぶりな気がしますね」

「そうだな、生徒会の仕事以外で会う事は何度かあったが……。どうだ中鉢、もう学校生活には慣れたか?」

「そうですね、だいぶ馴染んできたと思います。中学生だった頃が懐かしく感じるくらいは」

「そうか、それは良かった」


 生徒会室では、現在4人の生徒会メンバーが集合していた。生徒会長の天願寺響鬼は、は同じ生徒会メンバー中鉢木葉の様子を心配しているのか、チラチラと彼女の方に視線を投げかけている。

 今日、彼女たちは生徒会恒例の報告会のために集まっていた。

 報告会は、学校やその周辺で起こった出来事を、生徒会全員で定期的に共有し合うというものであり、普段から不良行為が目立つ生徒たち(主に将棋部のあいつ)がいるこの高校では、こういった会議は非常に大切なものとされていた。

 とはいえ、最近は生徒会メンバーも各々の事情で忙しく、全員で集まるのも久しぶりだった事から、彼女たちの様子が少し浮き足立ってしまうのも無理ないことかもしれない。

 その中でも、一番羽目を外しているのは生徒会庶務、有沢炎乃だった。


「……え〜っとぉ」

「あー、やっぱり利里先輩の膝の上は落ち着くの〜」


 有沢は、自分の席が用意されているにもかかわらず現在生徒会会計、尾崎利里の膝の上に座っていた。

 人懐っこい性格の有沢であるが、その中でも尾崎には特に懐いており、こうして彼女にくっついては甘えるような行動もしばしばあった。ただ、今は梅雨も近づいている季節、人と人とがベッタリくっついているのはあまりに暑っ苦しい。

 尾崎は全身に少し汗をかきながらも、しかし人のいい彼女は無理に退けようとする事もなく、そのまま2人でベッタリと引っ付いているのだった。

 中鉢はそんな彼女らを尻目に、しかしなかなか最後のメンバーが来ないことに、少し疑問に思い初めていた。


「……来ないですね。もうとっくに集合時間は過ぎているのに」

「ふむ、時間通り来るようちゃんと伝えたんだが……」


 生徒会長の天願寺響鬼も、未だにやって来ない"彼女"をずっと待っているが、一向に姿が見えないことに少し不安になっていた。

 そんな時、汗だく状態の尾崎は会議が始まっていないにもかかわらず疲れたような顔で二人の方を見据えた。


「だ、大丈夫よ二人とも。あの子は、あの子の事だからどこか道草食っているだけで、しばらく待てばそのうち顔を出すわよ」

「……尾崎、何だか既にもう疲れている様子だが。なんだ、具合でも悪いのか?」

「あー利里先輩は、今炎乃が体力を吸い取っているから、現在エネルギー不足になっているの」

「なに!? 有沢、お前にそんな能力があったのか……!」

「もちろん冗談なの。本当は炎乃のロリ体型に興奮して発情しているだけなの」

「いや全然違うからね! 本当のことみたいに冗談言うのやめて!!」


 尾崎は大声を出したせいか、少しふらつき始めている。

 これはマズイんじゃないかと思い、中鉢も声をかける。


「あっ! だ、大丈夫ですか!?」

「あぁ、木葉ちゃん。全然心配ないわ、少しふらついただけ」

「暑いのがダメなら、炎乃ちゃんに直接言えばいいじゃないですか」

「なんか悪いと思って。だって炎乃ちゃん、すごく嬉しそうな顔してるから」

「確かにいい笑顔を浮かべていますね。炎乃ちゃん、そんなにそこが好きなの?」

「それはもうっ! 性欲に飢えた野獣に襲われているようでさっきからドキドキしっ放しなの!!」

「というか、炎乃ちゃんも顔真っ赤じゃん! 会長、どうしましょう!? 早くも2人が脱落しそうです!」


 どうやら、彼女も暑さを我慢していたらしい。会議が始まる以前に、既に二人のメンバーがのぼせ上り、このままでは報告会を行うことも出来なくなる。


「はぁはぁっ、利里先輩……。汗で透け透けになったTシャツがとってもエロティックなの……!」

「ちょ……! 炎乃ちゃんダメ、……あっ! シャツの中に手を入れないでっ!」

「先輩、今日はピンクの可愛いブラをしているの……。これは下の方も確認し慣れればならないの、ゲッヘッヘェ……」

「ほ、炎乃ちゃんっ!? ま、待って、そこは本当に触っちゃダメだからぁ!!」


 有沢と尾崎は頬を赤らめて、流れた汗を互いに絡ませ合うようにくんずほぐれにもつれ合っていた。彼女らは眼と眼を合わせ見つめ合い、尾崎は有沢に身体を触られるたびに「うぅんっ!」と口を噤んで反応する。

 2人は荒い息が交差し、何だかとっても扇情的な雰囲気を漂わせていた。


「天願寺会長ぉ!? なんか2人が汗だくの状態で乳繰り出したんですけど!」

「えぇいっ、やめないか有沢!!」


 神聖な学び舎の風紀を重んじる生徒会の部屋で何妙な空気作ってるんだと云わんばかりに、天願寺と中鉢は無理やりに有沢と尾崎を引き剥がす。

 そして、やっと熱気から解放された2人は、すぅっと新鮮な空気を吸い込むのだった。


「あ〜♪ 生き返る、危うくあのまま窒息死するところだったの」

「……だったら何で早く離れないの」

「いや〜あまりにも居心地が良かったからつい♪ 何だろう、ジワジワとくる苦痛の中に潜む快感に気付いたような……何とも言えない『自主的束縛感』に囚われてしまっていたの」

「……変態」

「あぁ〜〜っ♪ 良い、今の凄く良いの木葉ちゃんッ! ちょっとキツめに抱きしめて欲しい、いやッ!! 寧ろ抱きしめたいの! というかもう抱きしめる!!」

「うわっ、汗まみれ! ……炎乃ちゃん、暑い! てかせめて汗拭いて!」


 やたら周囲に百合百合しく接してくる有沢だが、幸いにも(幸いにも?)中鉢に"ソッチ"の気はないので、こんな彼女の抱擁もただただ暑苦しいだけだった。


「……こほんっ」

「おっと、ちょっと羽目を外しすぎたの」


 さすがに有沢の行動に見かねたのか、天願寺は一つ咳払いをする。

 有沢は素直に自分の席に戻る。これでようやく、と始める事はできず、まだ最後の1人が集まらなかった。


「………………遅いな」

「まさか、今日の会議忘れているんじゃないですか?」

「いや、今日話した限りは報告会のことちゃんと覚えているようだったけど」

「一度連絡入れたら良いと思うの」


 そして、しばらくそう4人が話し合っていると、コンコンと扉を叩く音が聞こえてきた。


「あ、ようやく来たみたいね」

「開いてまーす、なの」


 有沢の返事の後、扉が開かれて、生徒会室に足を踏み入る人物が現れた。

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