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最果ての帝壁 -狂者と怪人と聖愛の女王-  作者: 極大級マイソン
第2章:新時代玩具と犬探し
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第21話「窃盗罪」

「……何なんだあれは?」

「あれは、炎乃ちゃんみたいですね。何をやってるんでしょうか?」


「よっほっはっ!」


 公園にやって来た2人が見たものは、高い木の近くでジャグリングをしている有沢炎乃の姿だった。彼女はそこら辺で拾った手のひらサイズの小石を10個ほど使って、まるで大道芸人のようにそれを扱っている。


「えっと炎乃ちゃん。こんな所で何をしているに?」

「んっ、おお木葉ちゃん! 何って、見ての通りジャグリングなの!」

「見事な小石さばきなのは認めるが、何故そんな事を?」

「あれを見るの」


 有沢は、高い木の上の方を指差し、2人もそちらの方向を向いた。

 するとそこには、この世のものとは思えないドラゴンが居座っていた。


「あっ、あれがドラゴン!」

「あのドラゴンの注意を引くために、ここで炎乃がジャグリングをしていたの」

「ジャグリングをっ!?」

「いやでも結構評判良いの、ほらっ」


 確かにドラゴンは、有沢のジャグリングに注目していた。ドラゴンの鋭い眼光が、彼女の芸を興味深そうに見ている。


「そもそも、何でドラゴンに芸を見せようと思ったの?」

「それは……」

『あのドラゴンが、例の仔犬をガードして近づけないんでやんすよ!』


 その時、中鉢と有沢の間に空飛ぶクラゲが割って入って来た。


「おや、この声は野木先輩? 声はすれども姿は見えず……」

『ここでやんす! このぶんぶん飛んでいるクラゲ見るでやんすよ!』

「ああよく見たらクラゲがっ!! というか、自分でクラゲって言っちゃってますね」

『ドラゴンにやられて、一時的にこのボディを使っているんでやんすよ。気をつけるでやんす、あのドラゴン想像以上に凶暴でやんす!!」

「いやいや、ドラゴンがブレスを吐いた理由は野木先輩が変な物を食べさせたからなの」


『何にせよこれで問題解決でやんすね。樋口くん、木葉ちゃん、あのドラゴン追い払って仔犬を連れて来て欲しいでやんす!」

「仔犬ってのはドラゴンの隣にいるあれか? 何でまたあんな所に」

『理由は分からないでやんすが、写真に写っていた仔犬で間違いないでやんすよ!』

「ふむ、……ちょっと待て。そういえば夏輝はどうした? あいつもここに居たはずだが」


 樋口は、野木と有沢と一緒に居たであろう日ノ本夏輝の姿がないことに気がついた。Lineの報告が来た時には、彼女も公園に居るという話だったが、今のところ確認できたのはこの2人だけだ。


『夏輝ちゃんなら、さっき軽井沢くんから連絡が来て彼の元へ駆けつけに行ったでやんす』

「春太の? というか、あの野郎いまどこで何やってるんだ?」

「何でも彼、ここへ来る途中に自動販売機で飲み物を買おうとしたらしいんでやんすが、財布がなかったので無理やり叩いて中身を取り出そうとしたそうなんでやんす。それで、その現場を警察に見つかって現行犯逮捕。幸いにも厳重注意で済んだそうで、今夏輝ちゃんが彼を交番まで迎えに行った、という訳でやんす」

「マジで何やってるんだあいつ」

「夏輝ちゃん、完全に軽井沢くんの保護者でやんすよねえ」


 樋口は手で顔を覆った。

 しかし、こんな事で嘆いても仕方がないと割り切り、彼は今この時の問題を片付けようと思考を切り替える。

 つまり、あのドラゴンをどうするか、である。

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