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最果ての帝壁 -狂者と怪人と聖愛の女王-  作者: 極大級マイソン
第2章:新時代玩具と犬探し
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第16話「結局大事なのは"性能"じゃなくて"行動力"」

 捜索時間は30分程で終わると、野木世二は宣言した。

 それじゃあそれまで時間潰しでもしてるかとなって、軽井沢は小説投稿サイト『小説家になろう』で日間ランキングでもチェックしようかなと思い、ポケットからスマホを取れ出した。


「さぁて、今日はどんな異世界作品が上位入りしてるかなぁと。……んんっ?」

「どうしましたか軽井沢先輩」

「いや、さっき送ったLineグループから返信が……、また夏輝からだ」

「日ノ本先輩なの?」

「今度はなんて連絡が来たんですか?


「……どうやら夏輝、例の迷子のペットを先に見つけちゃったみたい」

「「ズコーッ!!」」


 中鉢と有沢は、前のめりにズッコケてしまった。


「……さ、流石は日ノ本先輩。この短時間でもう見つけるなんてとんでもない行動力です」

「夏輝の行動力は人一倍高いからな。依頼者とペットのためにマジで街中を駆け回ったのかもしれないね」

「え〜っと、それじゃあこの戦いは、生徒会の勝ちなの?」

「そういうことだな。はぁ、これでようやく帰れるぜ」


 樋口は肩の荷が下りたように天井を仰ぎ見た。


「あ、いや待った! まだ返信に続きがあったよ」

「?」

「え〜っとナニナニ? 『変な動物が居て困ってる』だって。変な動物ってなんだ?」


 軽井沢は日ノ本夏輝に、仔犬とその動物の写真を撮って送信して欲しいと連絡した。

 そしてすぐに、軽井沢のスマホに着信が入った。


「…………っ! こ、これはッ!?」

「どうしたんですか軽井沢先輩?」


 写真を見た軽井沢は、目を丸くしておののいていた。

 そして素早くスマホをしまうと全員の耳にはっきり届くように声を張り上げる。


「みんな、緊急事態だ!! すぐに外出の準備をして出動するよ!!」

「な、何があったんですかいきなりっ!?」


 今までに無い真剣な表情を見せる軽井沢に、中鉢は慌てて驚いた。


「話は後だ!! とにかく、夏輝たちがいる場所に急がなくちゃ、僕は先に行ってるから!!」

「ああ、軽井沢先輩!?」


 軽井沢は余程急いでいるのか、中鉢たちを置いて先に部室を出ようとする。

 いそいそと靴を履いて、最後に皆の方を振り向く。


「場所は依頼者と仔犬が撮影された、例の公園だよ!! 現地集合だ、みんなも急いで来てくれ!!」


 そして彼は扉を開き、振り返りもせずまっすぐ目的地へと駆け出して行った。

 将棋部の部室にいる皆は、訳が分からないと呆然としている。


「な、何がどうなったんですか?」

「分からないけど、どうやらあの軽井沢先輩も慌てる事態が起こったようなの……」


 有沢は、真面目な顔をして紙パックのお茶をズズ〜っと吸いきった。

 そして紙パックを綺麗に畳んで、近くのゴミ箱に投げ入れる。

 紙パックは、見事にゴミ箱の中へ入った。


「な、何だろう。いつになく嫌な予感がするよ私」

「とにかく、炎乃たちも公園へ急ぐの。何が待ってるか分からないけど、だからこそ面白いのが人生なのっ!!」


 そう言って有沢も、軽井沢の後を追って公園へと駆けて行った。

 残されたのは中鉢と樋口、そして野木の3人である。


「……なんか、おいらの知らないところで大変なことになってるでやんすね」

「うーん……。と、取り敢えず私たちも公園へ急ぎましょう!」

「何が何だか分からないけど、了解でやんす! NogiPodΣ、スキルチェーーーーンジッッ!!!!」


 野木はPCを操り、NogiPodΣに指示を出していく。

 そしてNogiPodΣは、莫大な情報をインストールして新たな力を再登録していった。


「機械を巨大化する能力、"大建機(タンクエクステンション)"! 能力発動でやんす!!」


 野木がPCを入力をしていくと、NogiPodΣは在ろう事か、みるみると巨大化を始め出した。

 そして微妙にその形も変えていき、クラゲのようなボディの中心部分に人が乗れるくらいのスペースが作られていく。


「説明しよう! おいらのNogiPodは、能力データを再インストールする事で別の能力に変更が可能なんでやんす!」

「野木先輩誰に話してるんですか?」

「それについては説明不要っ!! とにかくおいらも先に行くでやんす!!」


 野木は、巨大化したNogiPodΣに乗り込み運転を開始した。

 巨大な4つのプロペラが和室の中でゴウゴウと回転し、中鉢は凄まじい猛風に吹き飛ばれそうになる。


「ちょ、野木先輩ッ!?」

「ああ、このNogiPodΣは設計上の都合で一人乗り何でやんすよ、悪いでやんすね」

「それはいいですけど、こんな狭い部屋で大きくしてどうやって外に『ガシャァァァンッ!!』……ってああ!? 大窓を無理やり破ったぁ!!」

 野木のガジェットは、問答無用で空へと舞った。まるでUFOが飛行しているかのように、野木はNogiPodΣと共に軽井沢たちを追う。


「さらばでやんすぅぅぅぅ……」


 そう叫んでいって、野木世二はガジェットに乗って公園を目指していった。

 あまりに突然の事態の連続で、中鉢の頭はパンクしかけている熱膨張状態だった。


「ああ、もう。皆さん行動力がありすぎて私には何がなんやら……。わ、私たちも公園へ行くべきなんですかね?」

「どうだろうな。あれだけ応援に行けば、俺たちは必要ないような気もするが……」


 樋口は仏頂面でこれから何をするのか、少し考える。

 そしてポケットからスマホを取り出し、軽井沢が作ったグループの送信内容を確認してみることにした。

 Lineを開くとそこには、軽井沢と日ノ本夏輝との会話が書かれており、そこに幾つかの写真が記載されていた。

 樋口は、日ノ本夏輝が一番最後に載せたであろう写真を確認した。


「……あの、樋口先輩」

「中鉢、これを見てくれ」


 樋口は、Lineに載せられたその写真を中鉢に見せる。

 すると中鉢は、そこに写された物体に仰天し、思わず吹き出してしまった。

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