閑話 メイド長の一日の終わり
また閑話はさみます…… 本編が中々に難産中……
これはどういうことなのだろうか、私は何を見ているのだろうか……それはまったくと言っていいほどに現在の自分になぜ持ってきたのか分からないモノだった。
私の目の前にあるこのフリフリな服を持ってきた目の前の人物を見ながら……
「あらあら?一つだけ貴方に似合おうなぁと思って買ってきたのよ。」
私はその言葉を聞き、頭を抑え、ため息を吐いた。
「はぁ、でも……これはありえません。」
「えぇ、いつも同じような物着ているじゃない」
「あれは仕事服だからです。それに気に入っているからです。」
「……うーん、でも似合うでしょ?」
「……」
私は母を無言で見つめた。
「分かったわ……でも、この服はここにおいておくからね。じゃぁね」
そう言って、母は私の部屋から出て行った。
この服を残して……
「あっ、待った。服も持って帰……いない。はぁ」
私はその後を追って服を持って帰るように頼もうとしたがそこには既にいなかった。
「はぁ、母様はいつも本当に読めない……まぁ、考えていることを当てろというのは無理かしかたない……この服はとりあえず部屋において置こう……」
私はそう呟き自分の部屋へと戻った。
□□□
自分の部屋へ戻り、私は自身の部屋の掃除を始めた。
ここ最近、魔王様……弟やその嫁薫様にいろいろとついてまわり、自身の周りを掃除することができていなかった。
だから、この間に一斉に終わらした意と思っていた。
掃除はそんなに時間もかからずすぐに終わった。
といっても、既に夜なので昼の間に大体は終わらせていたからなのだけれど
「さて……掃除も終わったし、お風呂に入るとしますか……」
そう呟いて、私は使用人用のお風呂へと歩いていった。
お風呂に入ってから数十分後、私はお風呂から上がり用意しておいた着替えを取ろうとした。
しかし、そこにあったのは私が用意した着替えではなくあの母が持ってきた服であった。
「……これは、はぁ……また母様ですか……あぁ、もう。」
私は、仕方なくその置かれている服を着ることにした。
「母様の思い通りになるのは癪ですがしかたありません……これを着てさっさと、私の部屋へと戻ります。」
そうして、私はその服に腕を通し、着るのだった。
□□□
「……やっぱり、ぴったしですね。」
私は今着ている服を鏡の前で眺めながらそう呟いた。
ちなみに私がこの服を着て私の部屋につくまでの間には特にこれといったものはなかった。
「……はぁ、さて部屋に戻ってきたことですし着替えて寝ますか……」
「えぇ、そのままでいいじゃないそれでも寝巻きにはなるし」
「……母様、いつの間に……」
「貴方がそれに着替えてからずっとよ。」
「……そう、ですか……」
その後も私はいつも通りに母に遊ばれ、寝るまでの間いろいろとされたのでした……




