魔王、青年と会う
ちょっとだけ進みました……
我達がガデンの家から出て、三つ目族の族長がいるはずの屋敷へと足を向けていた。
なぜなら、我は昨日の調査結果を三つ目族の族長レッガに聞きに行くためだった。
我は、昨日クリアにあの屋敷の調査のことを聞いたが、見つからずに調査するということがほぼ不可能だった聞いていたからだ。
「さて……何が見つかったか分かったか……」
我はそう呟き、屋敷への道を歩いていった。
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「……魔王様、昨日のことをお聞きしてもよろしいですか?」
我達が歩いていると、ブルーはそう言って我に昨日のことを聞いてきた。
「ふむ、なぜ?」
「……昨日、親父からはあまり聞かされていないのです。だから、魔王様に聞いたほうが早いと思いましたので」
「……そうか。ふむ……まぁ、よかろう。」
我はそういい、ブルーに昨日あったことを細かく説明した。
それを聞いたブルーは驚きながら、ふむと思考していた。
ブルーが思考を終わるまで我は待つことにした。
「……分かりました。」
「そうか」
ブルーの思考が終わり我達は再び、屋敷への道へと足を向けた。
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我達が再び屋敷への道を歩いていると、前の方から、一人の人物が走ってきているのが見えた。
その人物は我達に気がつくと、我達の方へと向けて走ってきていた。
「ハァ……はぁ、はぁ」
その人物は我達の前まで来ると、その場で止まり、息を吐き呼吸を整えていた。
呼吸を整え終えると、我の方を向き言葉を発した。
「魔王様……伝えたいことが……」
「……レッド、どうした?」
その人物は我がこの部落へ来ることになった人物である。三つ目族の族長の息子である、レッドだった。
「ブルーか……、いろいろとあってな……。それでは魔王様あの消えた屋敷のことについて伝えたいことが……」
「消えた屋敷のことだと!?」
「はい、消える直前まであの屋敷にいたので……」
レッドはそう言って、我の方をしっかりと見てきた。
「ふむそうか……それで、あの消えた屋敷で何かあったのか?」
「はい、あの屋敷で……とある不審人物と出会いました。」
「なに」
我は驚きで声を上げた。
「それで、その不審人物とは一体?」
「はい、その人物は魔王様が泊まっていた部屋に仕掛けを施していました……ただ、屋敷自体消えたのでどんな仕掛けだったかまでは分かりませんでした。」
「そうか……だが、ありがたい情報だ。」
「それと……屋敷が消える直前に屋敷内部に凄まじい光が襲ってきました。」
「ふむ、凄まじい光か……」
「はい」
我はレッドからの話を聞き一つだけ思い当たるものがあった。
「それは本当に凄まじい光だったのか」
「はい、危うく俺もそれに飲み込まれるところでした。」
「そうか、分かった。いい情報だった。」
「それはよかった……ここまで走ってきて正解だった。」
レッドは呟きながら安堵していた。
我はこのレッドからもたらされた情報により、屋敷が消えた原因はアレではないかと考えていた。
我が考えた原因とは、『転移の術式』によるものではないかということだった。……




