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魔王の嫁は勇者様  作者: GN-Va
二章 日常と目族と
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戦士、暇をつぶす

俺とラーサはただ苦笑いを浮かべるしかなかった。

なぜなら、ミーナがカールさんに案内された本屋へとそのカールさんを連れて突撃していったからだ。

カールさんは連れられていくとき、俺達を見てただ唖然としていた。

それはそうだろう、俺だってそうなった場合はそうなる。

さて……俺達はどうしようか……

そんな風に俺が考えていると、ラーサが俺に話しかけてきた。


「はぁ、ミーナの暴走癖も今に始まったことじゃないからしょうがない。私達は私達で中でも見て行こうか」

「……そうだな。」

「とりあえず集合場所はあのテーブル付近でいいだろう。」

「あぁ、じゃぁ俺はあっちに行っている」

「あぁ、分かった。」


そう言って、俺達は分かれていった。


□□□


「さて……何かあるかね……」


俺は武技や武具などが書かれている本が置かれている場所に来ていた。

ここの本屋、どうやら本を買う以外にも借りることが出来るようだった。

ただ、借りると言ってもこの本屋の中で読む場合に限っていた。

そのため、俺は俺でも新たに使えそうな武技が書かれた本がないかを探していた。


「ふむ……これなんかどうだろうか」


そして、俺は一冊の本を見つけた。

その本は『魔技大全集‐初級編‐』と書かれていた。


「魔技ねぇ……魔族の武技ってところかな。まっ、何かの参考になるかもしれないし見てみるかな。」


俺はその本と手ごろな武具一覧の本を借り、近くの本読みスペースで読み始めた。


□□□


「へぇ……なるほどなぁ」


俺は『魔技大全集-初級編-』を読んでいた。

その本の中には様々な魔技がのっていた。

まぁ、初級編だったのでそれなりに簡単なものが多かった。

俺達人族と違い魔族は必ず、高い魔力を持っている。

そのため、初級編にはその魔力を使った武技についてが乗っていた。

例えば、自分の拳や自分が装備している剣などに魔力を纏い威力を増加させる方だ。

それに加え、纏わせ方によって威力や技の範囲を変化させると言った方法まで載っていた。


ただ、俺には魔力がほとんどないため、この方法を使用することが難しい。

けれど、俺には俺で魔力とはまた別の力があるため応用すれば使えないことはないと思った。


「魔力を纏わせるか……俺の闘気法でもできるかね……というか、これをやっているてことかな。」


そう、それは闘気法である。

この闘気法は俺と薫で編み出したものだ。

これは、まず己の中に眠る力……なんというか言葉にしづらい力を開放し自身の力を倍増させる技だ。

ただ、この技はにはデメリットもあり自身に眠る力を一時的にとはいえ開放するため、使用時間に制限がありさらに使用後はかなり筋肉に負担がかかる。

で、この技の最大の特徴は使用中、自身の周りに独特なオーラが発生する。

このオーラをうまく操ればこの魔力を纏わせるのと同じ効果が出るのではないかと俺は考えていた。


「まぁ、後でやってみるとするかな。さて……と、こっちはどうかなぁ。」


俺は一通り『魔技大全集-初級編-』を読み終えると、もう一つとっていた、武具集を読み始めた。


□□□


「なるほどな……世界にはまだまだ俺の知らない武具あるもんだなぁ。」


それからしばらくして、俺はその武具集を見て呟いていた。


「はぁ、俺もこんな剣を買えるほど稼がないとなぁ……うん」


俺はしんみりしながら武具集を閉じた。


「さて、そろそろラーサとの集合場所に行くか。」


俺は借りていた本を受付まで持っていき、それを渡した。

そして、そのままラーサとの待合場所まで歩いていった。


□□□


俺が、待ち合わせ場所まで行くとそこにはラーサ以外にも一人小さい子供がいた。

そして、その子供はラーサと何かを話していた。


「……なるほど」

「うん……」


俺はそれを気にしながらラーサ達の元へと寄っていった。


「よっ、ラーサその子はどうしたんだ?」

「!?」


俺の言葉にラーサと話していた子供はラーサの後ろに隠れてた。


「大丈夫ですよ。この人は私の仲間ですから。」

「そーなの?」

「はい」

「うん、分かった!」

「さて、でこの子ですか。迷子になっていたので私が今、親の特徴を聞いていたところです。」

「あぁー、なるほどな。」


どうやら、迷子の子だった。

その後、俺はラーサにその子の親の特徴を聞き、一緒に親を探すために本屋の中を探して回った。


「うーん、なかなか見つからないな」

「そうですね……」


俺達は本屋の中を歩きまわったが親らしき人物となかなか会う事ができなかった。

俺達がその場で考え込んでいると、迷子の子が突然、声を大声で発した


「……いたぁ!」

「見つかったの?」

「うん」


その後、俺達は迷子の子が指を指していた人物のところまで行き、迷子の子を引き渡した。


「ありがとうございます。ほら、貴方も」

「おねーちゃん、おにーちゃんありがとう!」

「はい、親も見つかってよかったですね。私達はこれで」

「はい、ありがとうございました。」


迷子の子の親からお礼を貰い俺達は元いた場所へと戻っていった。

そして、俺達がその場所へ戻るとミーナ達がいた。

どうやら、ミーナ達も俺達を探していたようだった。


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