天空世界アン・フォール
※アン・フォール
「オーバーザレインボー」の舞台となる世界。それが「天空世界アン・フォール」である。
アン・フォールは陸地が空に浮かぶ我々から見れば不可思議な世界である。
様々な鳥獣の特徴を備えた多くの人類種族が空に浮かぶ島々を拠点に生活している。
浮遊島の浮かぶはるか下方には潮霧と呼ばれる分厚く澱んだ霧が立ち込めており、稀に陸地を吐き出す以外にはその下がどうなっているのか知る者はいない。
浮島をつなぐ飛行機械と、それを支える精霊の力を利用した科学技術が発達している。
しかし垣根のない自由な世界というわけではない。
いつからか存在する虹。
化け物を孕み、人々を侵食する毒の塊であるこの存在を主な理由に、空域という単位を最大に人々の生活圏はいくつにも分かたれている。
※国家と政治
一つの国が大きな島とせいぜいその近隣の小島を治めているのが普通であり、巨大な島を複数統治する規模を持った国は少ない。
国の政治体系は様々で、世襲制の王が支配する国もあれば、代表者による合議制を取っている国も存在する。
国家間の関係については「虹」の状況や、統治者の思惑によって変化するため一概には言い表せない。
※宗教
このアン・フォールにおいて、信仰によって奇跡を発生させるようなモノは存在しない。
人類に恩恵をもたらすものである精霊に対する感謝すべしというエル教という教えは存在する。
だが精霊は精霊の都合で世界を巡るものであり、人々の祈りに応えるものではない。そのため、広まってはいるが宗教勢力としての権威はない。
他には精神的な意味で「翼」をもって人生という名の空に挑むべしという教義を唱えるフテラ教団などの細々とした集団が各地各種族に存在する。
超自然的な存在にすがるようなものではなく、あくまで生き方を模索する人生哲学としてのみ人々の生活の中にある。
そのため教団員のために冠婚葬祭を執り行う団体も存在するが、一般的には各地や一族の伝統にしたがった儀式や宴会で婚姻や葬儀が行われる。
「神」という言葉自体は存在する。しかしそれが指す存在、そう名乗る存在はアン・フォール侵し歪めようとする異界の存在である。
※探空者
「虹」から現れる怪物を倒す戦士。
「虹」に塞がれた航路を拓く冒険家。
そして「虹」の奥に隠された旧文明の力ある遺産を発掘するトレジャーハンター。
これら全てを生業とする者たちが探空者と呼ばれる者たちである。
荒事がらみのなんでも屋としても頼られることのある彼らであるが、人によっては空賊一歩手前のならず者として扱われることもある。
当てればでかいが危険も多く、実入りも安定しないため、ロマンと現実の格差は激しい職だと言える。
仕事は個人で請けることもあるが、大半は探空者向けの宿を中継して紹介してもらうことになる。
宿の紹介を中継することで探空者、依頼者双方で仕事に関して信用を得ることが出来る。少なくとも熟練した宿の店主からの紹介ならば詐欺や空賊もどきであることはまず無いと言える。
探空者向けの宿は、大きな港のある街には例外なく存在する。
町や島内部での互助組合を組織している場合や、数人のパーティ単位、あるいは単身のフリーとその集団のパターンは多岐にわたる。