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月の影  作者: ロメル
2/2

日常

「ニュース速報をお伝えします。月に移住した方々が帰ってくるそうです。」

テレビの前で、少女が

「やったぁ!」

と、声を上げる。

「6月8日、月に移住した方々が帰ってくるそうです。この日は皆既日食の日で、国民は大いに喜んでいます。」

少女はそこでテレビを消した。

少女は名前を小内悠(こうちゆう)という。両親は月にいて、一人暮らしである。

悠は、電気を消すと布団に潜りこんだ。


次の日、学校では早速話題になっていた。

「昨日のニュース見た?うれしいね!」

「見た見た!楽しみ~!」

という会話でいっぱいだった。悠も例外ではないのだが。

「おはよう!昨日のニュース・・・」

「見た。楽しみか?」

「うん。」

楽しみかと聞いてきた奴は、鈴木清吾(すずきしんご)という。思考ゲームのチャンピオンである。隣の席で、20回勝負を挑んだが、惨敗だ。

「今日こそ、お前に勝つ!」

「は?何の話?」

「国取りゲームで勝負だ!」

ここまで言ったところでチャイムが鳴った。

ガタガタとイスの音が鳴る。

「HRを始める。今日は授業ではなくプレゼント作成を行う。」

「は?」

「まじかよ。」

「ラッキー!」

教室がざわざわし始める。

「静かにしろ!」

お決まりのセリフだが効果はあったようだ。

「女子は裁縫で小物をつくり、男子は月の形の像だ。」

男子は案外うれしかったようだ。女子からはもちろん歓声が上がる。思考派男子は嫌そうだが。

「図工かよ・・・」

「でもただの像を造る訳じゃなさそうだよ。形を考えればいいじゃない。」

「そうかその手があったか!有難う小内!」

じゃあおまえはどんな絵にするか悩まないのか。そもそも構図はどうする。

「絵の構図とかどう…っと。」

「ん?」

「い、いや?」

しまった。こいつに思考系の話を出すと長くなる。

「女子はここで、男子は図工室へ移動だ。行動開始!」

先生の言葉に救われる。

「あとで教えろよ!」

清吾が言う。絶対教えてやらないと決めてあるから聞き流す。

「おし、がんばるぞ!」

そう言って、作業に取り掛かった。

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