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神の箱庭  作者: ユージン
5/7

魔王

目を覚ますと昨日創った3体のドラゴンがこちらの様子を窺っていた。それぞれに指示を出し飛び立ったのを確認してから改めて今日の予定を確認する。


(今日は西の地割れから地底に行き魔王にあって話を聞くだけかな?後は途中に地上の人の様子を眺める程度だな。)


 体をしっかりほぐすとゆっくりと西に飛び立った。地上の見える高さを飛んでいると、山から思ったより近くに大き目の町が見えた。世界の形や精霊王の話から水源は中央の湖から四方に流れる川が主なものだといっていたことを思い出した。

 しばらく飛んでいくと王都と思われる大きな町が見えた、なかなかに発展しているようだ。王都を越えて西に行くと西に行くにつれて人里が見えなくなる。地割れよりかなり手前から人の住む場所ではなくなっているのだろう。そして地割れにつき次第飛び降りていった。かなりの深さを降り、辺りが暗くなって少し降りたところでほのかに明るくなったように感じた。目を凝らして周囲を見れば横穴があることに気づいた。あの横穴から光がもれ出ているようだ。早速横穴に向かうと、先に送り出した魔竜が人のようなものと連れ立って待っていた。近づいたところで向こうから先に声をかけてきた。


『始めまして竜王、私が魔王だ、地底へようこそ。』


『あなたが魔王か、わざわざ出迎えありがたい。』


『話が目的だそうだしわが城に招待しよう。』


 そういってきびすを返す魔王の後をおった。ドラゴンの体では城の中は動き辛いため、屋上で周りを眺めながら話をすることになった。


『さて、話といっても先に精霊王に話を聞いたのなら私の知ることなどほとんど大したことはないだろう。あえて話すとしたら、役割のために神に願った願いについてか。例えば、精霊王は神の分身が治めていた世界の管理が役割だが、力は分身に遠く及ばぬし、手足となる眷属の精霊も1日10体程度が限界ではとても手が足りず世界を治められないということで確か配下の精霊数万体をねがっていたな。』


『1日10体が限界なのか?』


『ああ、眷属は1日10体までだ、私も魔物を雌雄番で生み出すから1日5種族程度しか生み出せないから、数を増やすのは繁殖が主になるな。ただ、ドラゴンは最強種のため全部で10体しか生み出せない代わりにかなり強いだろう。実際、魔竜1体で、私が生み出した魔物すべて殺しつくせるだろうな。』


『まあ、数は必要ないしな。』


『次に私の願いだが、私の役割は人の適度な淘汰だ。そのための魔物を生み出し管理する必要がある。必要以上に襲い掛からないように隔離できるこの地底を神に頼み創ってもらった。そしてどけた土を盛って創ったのが中央の山々だ。今から数日前のことだから人間たちは驚いていることだろう』

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 精霊王からは聞けなかった貴重な話が聞けた。最後にこれからの予定を聞いた。


『今後の予定はどうするつもりなんだ。』


『今、地上には神が創った狼型と熊型の2種類の魔物しかいないからな、配下の魔物が増えたら地上に進行し魔王の名を広めるとともに多種多様な魔物を解き放つ予定だ。しばらくは、さらってきた人間に魔物を従える力を持つ魔族を生ませて地底の国づくりをがんばる予定だ。地上には中央の北の山の地下に秘密の道がありそこから地上に出るつもりだ。その程度だな。』


『山に攻め入ってもかまわないぞ、ドラゴンが最強種であることを証明する必要があるからな。』


『ああ、そのときは目撃者の人間も連れて行くことにするさ。』


 話が終わると別れの挨拶をして住みかに帰ることにした。

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