目次 次へ 1/5 もう未完成は嫌だ 完成ボタンを押すはずだった。 その画面は、真っ赤なエラーで埋まっていた。 「……またかよ」 高校三年の冬。 俺と優奈が作っていたゲームは、提出三日前に壊れた。 バックアップは不完全。 時間は足りない。 そして俺は――諦めた。 あのときの優奈の顔を、今でも覚えている。 悔しそうで、泣きそうで、それでも笑っていた。 「仕方ないよね」 仕方なくなんてなかった。 未完成のまま終わったあの作品は、俺の中にずっと残っている。 だから誓った。 もう、未完成では終わらせない。