第7話 消える記憶
帝国暦1400年10月
―ジャポーネ領アマーサキ郊外―
「キャーー」
アイの悲鳴が辺りに響いた。
なんだ!?
アイの方を見るとそこにはアイに刃を突きつけている男達の姿があった。
「お前達は何者だ!」
アイに刃を突きつけている男達に抑えきれないほどの怒りが湧いてくる。
「これを見ても分からないか。」
そう言い奴らは紋章を見せてきた。
そこには真っ赤に輝く太陽の模様が描いてあった。
その模様を私は何度も見たことがあった。
「なるほど。お前ら、ジャポーネ自衛団の奴らか。」
「へへへへへ。ようやく気づいたか。
あぁ、そうさ。俺達はジャポーネ自衛団。このジャポーネをお前らのような悪魔の手先である外国の畜生から守る正義の味方、髪の使いさ」
今にもぶっ殺してやりたい気持ちを抑えて言う。
「笑わせるな。何が神の使いだ。何がジャポーネを守る正義の味方だ。お前らのような奴がいるからジャポーネは外国の進んだ技術、文化が入ってこず、他の国に遅れをとっているのがわからないのか。」
私は冷静に、されど重みのある声で言う。
「うるさい!我々の国には外国の進んだ技術も文化も必要ない。全ては神のお導きによるもの。お前も神の手先の一員であろう。私達に従わないことは神を侮辱することに他ならない…」
気づいたら体が動いていた。さっきまで話していた男の首が目の前に転がる。もはや理性など意味をなさない。
「うるさい、アイだけでは飽き足らず神まで侮辱するか。神はそのような事を望んでいない。神を侮辱したお前らに生きる価値はない、死ね。」
ここで私の意識は消えた。
……………………………………………………
次に意識が戻った時にはコトネの家の布団で寝ていた。
「う〜ん。」
コトネとアイ?私は何を。ハッ、と布団から出た。
「ジャポーネ自衛団は?」
「アンタが全員殺したよ。」
アイから聞いた話ではあの後、私はその場を炎で燃やし尽くし、地獄を作り上げた後、笑顔でジャポーネ自衛団の拠点を一つ一つ丁寧に、そして一人も残さず殺し周ったそうだ。
「そうか。また、やってしまったか。」
呟く。
「またってアンタ、前にもこんな事やった事があったの?」
言いたくないがこれほどのことをしてしまったのだ。
言わなければならない。そう思い、ポツリポツリと言葉を紡いだ。




