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第6話 ヴァイスリヒト!!

帝国暦1400年9月


―ジャポーネ領アーマキ郊外―

ジャポーネ2日目

私達はジャポーネの郊外にある野原に来ていた。

「アイ、ここなら周りに何も無くて練習に向いてるな。」

「そうですね…。アオイ様、私、本当に魔法なんて使えるんでしょうか?」

「きっと使える。魔法はイメージが半分、才能が半分だ。お前には才能がある。後ないのはイメージだけだ。」

「イメージってどうやれば良いんですか?」

「魔法を実際に見ないとイメージもできない。取りあえず人の魔法を見ろ。」

「わかりました。」

「アイ、魔法を見せてやる。どんな魔法が見たい?」

「古代魔法が見てみたいです。」

「えっ…」

私は一瞬思考が止まった。

「アイ、本当に古代魔法が見てみたいのか?」

「はい!私は今まで英雄記に出てくる古代魔法に憧れていました。だから、古代魔法を見せてください。」

ヤバいな、正直言ってここで古代魔法なんか使おうものなら辺り一面が焼け野原になる。それに魔力消費もハンパない。更に最近使ってないから暴発するかも…。しかし、弟子の憧れを叶えてやるのが師匠である私の役目ではないのだろうか。アオイ、お前はあのキラキラとした、希望に溢れたアイの目を見てもできないというのか。答えは否。やるしかないんだ。

私は腹を括った。

「可愛い、弟子の頼みだ。仕方ない、見せてやろう。しかし、条件つきだ…」

そう言いかけたところにコトネが間に入ってきた。

「ちょっと待ちいや。アオイ、ほんまに古代魔法を使う気なん?あんなん使ったら私達の目の前に広がっている景色が全部焼け野原になる。そんなん私が許さへん。」

私は、はー。とため息をつき、呆れた声を出した。

「コトネ、話を最後まで聞け。そんな事、私が一番分かっている。だから、闇魔法で異空間を作ってその中でやろう。と言おうと思っていたのに。」

「えっ、そうやったん。ごめんな〜。早とちりしてもうたわ。ほんまごめん。それやったら別に構わへんわ。ご自由にどうぞ。って感じや。」

領主であるコトネからOKが出たところで私は、空間魔法である『ダークルーム』を使い異空間を作り上げた。そして、三人でその中に入った。

「アイ、コトネ、準備は良い?」

「いつでも大丈夫です。」

「いつでも大丈夫やで。」

私は頭に魔法のイメージを作る。そして、全身の魔力を手に集中させ、詠唱を始める。

「聖なる神、そして精霊たちよ。我が求めに応じ、我に強大なる力をお与えくださいませ。」

詠唱と同時にたくさんの魔法陣と中央に一際大きな魔法陣が少しずつ出来上がる。

すべての魔法陣が出来上がると、その中から大量の雪がセットされる。

そして、「あぁ、我が髪はまるで白銀の雪のよう、我に仇なす者達は全て白銀に染まる。さぁ、白銀に染まりなさい。ヴァイスリヒト」その言葉と同時に魔法陣から大量の雪が溢れだし、一瞬で辺りは銀景色と化した。

終わった。暴発しなかった。良かった。緊張した〜。疲れた〜。にしても、後ろうるさいな。

後ろが騒がしいと思って見てみるとアイが雪を触ろうとしていた。すかさずアイに浮遊魔法をかけ、浮かせた。

「ばか、やめろ。雪に触るな。その雪は強酸性だから、触った瞬間、一瞬で骨ごと溶ける。」

アイとコトネの雪を見る表情が一気に変わった。

「アオイ様、ありがとうございます。この雪、そんな危ないものだったとは…。」

「仕方ないよ。それよりも、どうだった?アイ、コトネ、私の古代魔法は。」

「凄かったです。何より美しかった。まるで雪の中で女神が踊っているようだったです。」「そうか、そうか。女神か…。うれしいこと言ってくれるな。けど、これでも本調子じゃなくて全盛期の三分の一程度しか力を出せなかったんだけどな…。

取りあえず今日はここまで。明日からは本格的に修行を始めていくよ。目標は一カ月で弱体化魔法をかけた私に一撃でも与えること。」

「ちなみにその弱体化魔法ってどれくらいの強さのものなんですか?」

「そうだな。一般人にかけたら瀕死状態になるくらいかな。まあ一般人だと、瀕死状態になるけど耐性のある私にはあんまり効かないから普段の十分いや、二十分の一くらいかな。」

何故か知らないがアイ達は驚きと絶望に満ちた顔をしていた。


翌日

「いい景色だな。」

「そうですね。辺り一面山、山、山。それで後ろには海!」

私達は昨日の野原に来ていた。

「さて、早速訓練をしていくぞ。アイの適正魔法は闇属性魔法だったな。」

「そうですよ」

「じゃあ、あれとか、これとか…。あれも良いな。」

「アオイ様?」

「すまない。少し考え事をしていた。ゴホン。まずは、脱力して全身の力を抜け。そうしたら僅かに自分の中に何か、光っている物を感じるだろう。それを手に行くように調整しろ。」

5回、10回とアイは挑戦する。しかし、魔力は全然移動しない。「う〜ん、う〜ん」とアイは頑張っているがこれでは埒が明かない。

本当は自力で頑張ってほしかったが仕方がないか。

「少し体触れるぞ。」

そう言い、私は彼女の体に触れた。

そして、彼女の魔力を手の方にまで引っ張る。

「よし、これで魔力が手まで来た。そしたら、その魔力を目の前の木に打つようにイメージするんだ。落ち着いて、自分ならできるって思うんだ。」

「イメージ、イメージ。目の前の、木に向かって、打つ!」

ヒューン。ドーン。見事、アイの手から紫色をした半円状の物が飛んでいった。

「おめでとう、アイ。それは『ダークブレイド』という初級魔法だ。」

アイは驚きと、喜びが混ざった表情をしていた。

「私、魔法、使えたんですか?本当に魔法使えたんですか。」

理解が追いついていないんだな。まぁ当然か…。

「あぁ、お前は魔法が使えたんだ。」

その後、アイにはダークブレイドの練習を。コトネには光魔法の練習をさせ、自身は水魔法の練習をしていたら、すっかり空は真っ赤に染まっていた。

「さぁ、そろそろ帰ろう」と言った時だった。

「キャーー」

アイの悲鳴が鳴り響いた。

アイの方を見るとそこにはアイに刃を突きつけている男達の姿があった。

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