表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

第1話 賢者、弟子ができる

※注意 この作品は古代の魔女の修正版です。

帝国暦1400年3月

―レーヌ帝国首都レーヌシティ郊外、古代樹の森―

この古代樹の森は魔物が多く、日中でも木に光が遮られる為、夜なみに暗く、迷いやすい。そのため、町の者は滅多な事がない限り、この森に入ってこない。

今日はやけに外がやけにうるさい。

何か迷い込んだのかな。

そう思っていた瞬間、『バン!!』と大きな音をたて乱暴にドアが開き、

「賢者様、弟子にしてください!」

ある一人のエルフの少女がそこに立っていた。

私は、驚きを隠せないまま「えっと、君は誰?」と聞いた。

これが賢者である私と、私の一番弟子であるルミナス・アイとの最初の出会いだった。


「申し遅れました。私、エルフの里より参りました、ルミナス・アイと申します。どうか私をあなた様の弟子にしてください!お願いします。」

激しく懇願され、私は混乱しながら「分かった、分かったから一旦落ち着け」と言った。

それから私は「ゴホン」と咳払いをしてから聞きたい事を聞くことにした。

「私から聞きたいことは二つある。

 一つ目、どうして私の弟子になりたいのか。

 二つ目、どうやって他の賢者にも言っていないこの場所が分かったのか」

アイの表情は真面目な顔に変わり「まずはあなた様の弟子になりたい理由を説明しましょう。賢者様はエルフの国、エルベニア大公国の状況をご存知ですよね。」と聞かれたので「あぁ、昨年末に前女王が亡くなってから第一王女派と第二王女派とで国が分裂し、国内が相当荒れていると聞いている。」と取りあえず知っていることを言った。

「さすが賢者様、その通りでございます。現在の状況は第一王女派が優勢で第二王女派はかなり押されております。私の一族であるルミナス伯爵家は第二王女派でございます。」とそのエルフが言ったので、もしかしてと思い彼女の話の間に入った。

「ちょっと待て、まさか私に参加しろというつもりではないだろうな。そんなの絶対にごめんだからな。」

私は叫んだ。

「いえいえ、まさかそんなつもりはございません。エルベニアのことはエルベニアで解決する。これが基本でございます。何より私は我が領地、そして両親を見捨てた者。そのようなことは望みませんし、今さらエルベニアがどうなろうが構いません。」とキッパリ言い切るエルフに私は「では、なぜ私の弟子になりたい。」と聞いた。そうすると彼女の周りから憎々しいオーラが放たれ、重苦しく言葉を紡ぎ始めた。

「それは、亡き両親の敵を取りたいからでございます。両親は此度の戦争では中立という立場を取っていた。しかし、その『中立』という立場が悪かった。我が家は第一王女派、第二王女派、どちらの誘いも断っていました。しかし、第二王女派が負けるにつれて、第一王女派からの参戦しろという圧力は強まるばかりでした。両親はそれでも中立を守ろうとした。その結果、第一王女派の軍が我が伯爵家の領地であるルミナス領に攻め込んできたのです。我が軍は必死に防衛し、一時期は戦いを有利に進めていました。もう少しで敵は撤退する。そう誰もが思っていた頃、異変が現れました。敵の援軍が現れたのです。まだ、援軍だけだったら何とかなったかもしれない。けどその中には化け物がいたのです。チャーリー・ブラウンという化け物が…

あの化け物に我が軍は全滅寸前まで追いやられました。その後の事はよく覚えていません。気づいたら私は森の中にいました。背後には燃えたぎるルミナス城がありました。私は両親を討った、我が美しき領地を奪った第一王女、そしてチャーリー・ブラウンへの復讐を決意しました。しかし、復讐をするためには力がいります。私にはその力がありません。力を得るのに最も効率的な方法は何か。そう考えていた時に思いつきました。そうだ、賢者様の弟子になろうと。」そう言う彼女に焦り口調で

「ちょっと待て、そこでどうして私の弟子になろうとする。他の5賢者の弟子になれば良いだろ。何より私は…」と私が言いにくそうに言おうとすると

「知っています。あなた様はこの場所で長く引きこもっていて、大した戦績もあげていない。他の5賢者様の方がよっぽど戦績をあげています。」と言い切る彼女の言葉に対して少し傷つきながらも

「そこまで知っているのであればなぜ私の弟子になりたい。他の5賢者の弟子になれば良いではないか。そもそも私は弟子は取らない主義なんだ。他をあたってくれ。」と話を終わらそうとすると

「もう少し話を聞いてください。私があなた様の弟子になりたい理由は神様が言っていたんです。強くなりたいのであればここにいる賢者の弟子になれと」その言葉に強い衝撃と納得を覚えながら言った。

「本当に神が言ったのか。」

と聞くと

「ええ、神が言ったんです。私には確かに聞こえたんです。神の声が。そ れ で私を弟子にしてくれますか?確か賢者様って正教会の信者である「神の手先」の一員じゃなかったですっけ。チラ」

神には大恩がある。神は今こそその大恩を返せと言っているのだろうか。もし、そうだとしたら選択肢は一つである。

私は深く「ハ〜。」とため息をつきながら「正直お前みたいな奴弟子にしたくないが神のお導きであれば仕方がない。お前を私の弟子にしてやる。」

そう言うとアイは明らかに表情が明るくなり

「いえ〜い。神様最高!これからは私の事は『アイ』って読んでくださいね」

と調子良さげに言った。

私のこの選択が正しいことを願う。

とある魔女のメモ

レーヌシティ…レーヌ帝国の首都で様々な分野の最先端が集まる街。レーヌ城を中心として栄えてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ