序
詠みに来て頂いて有り難う御座いますm(._.)m
物語りの始まり方が微妙なので、意味不明かもしれませんが『序』ですので、これからゆっくりと物語りは動いていく予定です。
無理をしない様に、自分のペースで更新していく予定なので、長い目で見て頂けると嬉しいです(^-^;
(早く・・・早く・・・お願い私を通して!)
息が苦しい。
遠くで、悲鳴が聞こえる。
沢山の人々が、私の進行方向から、逃げてくる。
つまずき、ころび、突き飛ばされ。
それでも私は、流れに逆らって進む。
廃墟と化していく街並み。
一面黒く塗りつぶされたような、漆黒の空から。
まるで、しみ出すかのように。
ヤツラが。
絶望の象徴が。
(ああ、神様)
漆黒よりも更に深い闇の色。
(どうして、こんな事に)
血に濡れたような、赤い光。
不定形の、体を揺らめかせて。
空から、降りてきた無慈悲な存在。
人を飲み込み。
街を飲み込み。
それでも、私は地獄に向かって進む。
(お願い、生きていて)
たった一人生き残った最愛の家族。
(あの子は、まだ6歳なの!)
私の可愛い弟。
長い、長い、旅の果てに。この街までやっと逃げ来たのに。
お母さんも、お父さんも、もう居ないのに!
でも、全てもう。
手遅れだった・・・
「翼!行くな!!」
遠くで、大切な人の声が聞こえて。
闇よりも深い闇で覆われた空が覆い被さる様に、私の視界を覆い尽くし。
その日、私の知るその世界は・・・
西暦20××年6月
英国スコットランド北部の小さな村に突如現れた謎の生命体は、僅か3年で英国、アジア諸国及びアフリカ大陸を死の世界に変えた。
『浸食者』と名付けられた、その生命体に対し人類は、アメリカ合衆国を中心とした連合軍の人類が持てる全ての戦力を持って此に対応したが、現存する物理攻撃方法ではその存在に決定的ダメージを与えるに至らず。核による攻撃さえも、僅かに侵攻を抑える程度に止まり。
人類は徐々に追い詰められて行った。
発生から3年5ヶ月、オホーツク海を渡りサハリンを蹂躙し北海道宗谷岬から侵入した『浸食者』は自衛隊の必至の抵抗も空しく、日本国内を蹂躙していき。
半年後、日本と言う名前の国は、その存在を地球上から消した。
辛うじて、侵攻されていなかった南、北アメリカ大陸も日本消滅より二ヶ月後、今まで地を這うように侵攻をしていた『浸食者』たちの『空』からの侵攻ににより。
僅か3日で、国としての歴史を終える。
さらに、合衆国消滅から半年後。
人類最後の砦となった、オーストラリア大陸にて最後の攻防戦が始まるも善戦空しく、その後『3年』で人類と呼ばれた生命体を含む地球上に存在したありとあらゆる生命体は、その存在を宇宙から永久に消した・・・
「間に合いませんでしたか・・・」
「でも、まだ希望は有ります」
「世界は無限の可能性を持っているのだから・・・」
近くて、遠い、次元の彼方。
光纏し、その存在は。
人に似通いしその姿で。
「我に連なる、古き光もつ魂よ」
「悲しみ背負いし、魂よ」
その両腕に、淡き光を放つ、幾千の魂を抱きかかえ。
「お行きなさい、希望有る次の世界へ」
「願わくば、その内に眠る力を解放せんことを祈ります」
おのが子を愛おしむ様に祈る。
そして、魂達は。
暖かな、光の手を離れ。
世界を渡る。
渡る世界・幸せの祈り 序 完