再開?
Deleteです
目的地は隣町だ
確かあそこには王城があるはずだ
城がかなり遠くに薄っすらと見える
しかしさっきからアイリが少し不機嫌というか、気分が悪そうというか、まぁひとまず普通じゃない
「なんか、したのか?」
もしかして…寝ながら何か しでかしたのか俺
「いや何でもないよ…」
なんでもない訳がねえ
「友達のこと思い出してね」
まぁこいつなら友達いるよな
俺は記憶が欠けてて友達がいるかどうかわからないんだが
「楽しみなのか?」
「うーん…」
微妙と?
「仲悪いのか?」
「ううん、全然」
とアイリは答えた
もしかして俺に合わせたくないのか?
「だっ、大丈夫だよ。本当に」
「「何!」」
急に馬車が止まった
「やっと…やっと見つけたよ」
白いパーカーを着たスカート姿の女が馬車の扉を開け入って来た
「侵入者には死んでもらおうか」
ナイフを向けてそう言い放った
獲物は何だ?まさかステゴロじゃねえよな
「え………。なん…で…」
見ると彼女は泣いていた
「なっ!」
手が出なかった
演技にしてはリアリティが高すぎる
「グラング!何やってるの!
ナイフおろして!」
喉が裂けるような聞いたことのない叫びだった
驚きでナイフから手を離してしまった
「ヒナちゃん!」
アイリがパーカーのフードをおろし艶のある黒髪が現れた
「アイリちゃん…久しぶりだね」
馬車は再び走り出した
俺は二人が抱き合っているのをただ座って見ていた
ふとアイリと目が合った
だがその目いつもの優しい微笑みではなく確かに怒りと悲しみが込めらていた
「あっ…」
アイリの肩に手を伸ばしたがすぐに引っ込めた
「俺に‥話す権利はねぇか…」
ボソリと呟いた
「アイリちゃん寝てるから聞けないと思うよ」
「は?」
向こうの席に座ってたろ
いつ隣に来やがったんだ
「は?って言われてもそのままだよ」
「あぁ悪いな…さっきナイフ向けたのにこんなこと聞くのはあれだけどさ
君どっかであったことある?」
「ヒナでいいよ。
あ〜んどうだろな〜」
「深堀りはしないよ悪かったね」
無理にでも遠ざける方法を…
「はむっ!」
「は?!」
指を噛まれた痛くはないが奥歯で噛まれた
「何すんだよ!いきなり」
「えへへ、なんとなくやりたくなっちゃてさ」
何なんだよ俺含め変人が馬車に集まってるなんてどうかしてるだろ…
短いけど許してください