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魔法使い

作者: monmon
掲載日:2023/01/15

男子A「なぁ、魔法使いって知ってる?」


男子B「なんだよ、急だな。」

男子B「プリキュアか何かか?」


男子A「いやいや、ちがくて。」

男子A「この前ネットで知ったんだけどさー、」

男子A「付き合ったことないまま30になると魔法使いになれるんだってさ。」


男子B「女性と交際経験がないまま30を迎えるとってこと?」


男子A「そそ。」

男子A「30まで経験ないとか、ありえないよな!」ギャハハハ


男子B「いうてお前も彼女いたことないじゃん。」


男子A「いやいや、さすがに高校なったらできるて。」


男子B「そういうやつに限って、あるかもだぞ~。」


男子A「くそワロタ。ありえましぇ~ん。」ギャハハハハ


男子B「お前は相変わらずだな...」


「キーンコーンカンコーン」


先生「授業始めるぞー。席つけ~。」


「ガヤガヤ」


男子A「じゃ、席戻るわ!」


男子B「ほーい。」


先生「前回の続きから。教科書の61ページ目を...」


男子B「(そういや、どうでもいいけど、)」

男子B「(なんで魔法使いなんだろうな...)」


先生「男子B、6行目から読んでくれ。」

男子B「はい。」


男子B「(ま、いっか。)」




――――――




思えば、長いこと剣を振り続けてきた。

幼少期の記憶は、鍛錬のことばかり。

子どもらしい思い出などない。


苦節30年。

脇目も振らず、ここまで走ってきた。

戦いに明け暮れる日々だ。


己の剣がよりよい平和を切り開く。

そう信じて振るい続けているが、あまり実感はない。


時には、剣豪と呼ばれる敵を斬ってきた。

彼ら、彼女らの強さの裏には、確固たる信念があったはずだ。


しかし、私にはない。

道がこれしか無かっただけのこと。

これからもそうだろう。


時々、ふと考える。

私に剣以外の選択肢があったならば、どうだっただろうか。

もっと違う人生を歩んでいただろうか。


少なくとも、

私に異名などついていないだろう――


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